表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
72/105

第6話 三者三様

 3人が大陸内の領地を確認に回っている頃、ツォレルン男爵がミーシャのことでやって来た。

 「下の娘ミーシャがローレンダーク様に迎えられると聞きまして、やってまいりました」

 ツォレルン男爵はかしこまってオサムの前に居た。


 「そのようだな、クイードが直接行ったか?」と尋ねると

 

 「はい、ミーシャを連れてお越しなさいました、良いのでしょうか?聖騎士様の正室に我が娘などを」

 ツォレルン男爵は宮中貴族のため格式や身分を気にしているようだった。


 「それと、このパスポートですか?グレイス王国の印章があるだけで他国の領土を素通りさせて頂けました。

  一体グレイス陛下はどのような知識の持ち主なのでしょうか?」

 「城下を見ても素晴らしく整っていますし」


 「それについては国家機密となっているのでお教えできません、申し訳ない」

 とオサムが言うと

 

 「いえ、そのような、私が愚かでした。本来お会いすら許されぬお方ですので。」

 ツォレルン男爵は萎縮した。


 「で、用件は何でしょうか?」オサムが尋ねたが


 「いえ、お礼だけのために来ました。娘をよろしくお願いいたします」

 と言ってツォレルン男爵は部屋を出た。


 『まぁ何泊かしていくだろうし、用事があればその時聞けばいいか』

 オサムは頭を使いすぎて休みたかった。誰とも会いたくない。


 もうすぐ臨月を迎えるリムルに甘えるわけにはいかないし、とロレーヌの部屋へ降りた。


 部屋を開けるとロレーヌは一人ゆったりと読書をしていた。

 「陛下、いかがなされました?」と読んでいた本をテーブルに伏せて扉の方に歩いてきた。


 「疲れたか寂しいかその両方か、ロレーヌ、少しだけ一緒に居て欲しい」

 と言って靴を脱いでベッドに飛び込んだ。


 「もう、陛下は働き過ぎなのですよ、今はリムル様もご無理出来ませんし、私で良ければいつでも」

 と言いながら服を脱いでベッドに入ってきた。


 オサムはロレーヌを抱き締めて

 「うん、安心する」と言って服を脱ぎ散らかした。


 ロレーヌは一度ベッドから出てその服を畳んでサイドテーブルに置いた。


 「ほっとけばいいよ、また着るんだし」とオサムは不平を漏らした。


 「わかりました、陛下。気の休まるまでご一緒に居りますから」

 ロレーヌはベッドに戻った。

 「またあの札をノブに付けたのですか?」とロレーヌが言うと

 

 「そうだね、誰も入ってこないようにした」と言ってまたロレーヌを抱きしめた。



 日が暮れ

 「あ、もうすぐ夕食か、一旦戻るよ。ロレーヌありがとう、気疲れが取れた」

 と着替えて出ていった。

 ロレーヌはオサムが自分に弱い面を見せてくれることが嬉しかった。



 1週間もせずに3人が帰ってきた。

 オサムは

 「で、どうだった?各地の戦乱も含めてだが。」と3人に尋ねた


 「概ね問題はないかと思います。やはり陛下と我等の領地が各国の戦に楔を打ち込んでいますね」

 「グレイス王国国王陛下と我が国の存在は大きいようで、小競り合い程度で済んでいます」

 「グレートドラゴンを見ただけで争いをやめることもありました、陛下の策は実を結びつつあると思われます」

 3人が各自で見聞きしたことを報告していった。


 「そうか、争いを全く無くすことはできんが、詰まらぬ争いが減るのは良いことだな」

 オサムは国造りに実感を感じた。


 そして

 「ハンビィ、お前はファシリアを連れ出して冒険に行っているらしいが、どういうことだ?」

 オサムが問い、後の2人は少し笑っていた。


 「はい、ファシリアがロードナイトになりたいと言っておりましたので、その・・・」

 ハンビィは言葉を詰まらせた。


 「ただの護衛か?鍛錬に付き合っているだけということか?」

 少し笑みを浮かべながらハンビィに問うと


 「ファシリアの身を案じて付いて行っております。気が合いますので。

  しかし、お役目に差し障りが無いよう努めているつもりです。陛下のお気に障ったでしょうか?」

 ハンビィは叱りを受ける覚悟をしていた。


 「そうではない、お前がファシリアの事をどう考えているか知りたいだけだ。

  クイードとタキトスはもう正室を決めた。お前はどうかと問うている。」


 「ファシリアをですか?私が娶るかどうか・・・そういうことであれば」

 ハンビィは少しの間考え

 「迎えたいとは考えております。しかし陛下の客人でありますゆえに、未だ伝えてはおりません。」

 と答えた。


 「ではファシリアをこの場に呼んで問うてみよう」

 オサムはそう言って侍女にファシリアを連れてくるよう言い付けた。


 暫くしてファシリアが来た

 「陛下、お呼びでしょうか。」と行って入ってくると


 「近頃ハンビィと鍛錬に行っていると聞いてな、何故ハンビィを選んだ?」

 オサムがファシリアに問うと


 「ストワード様は悪くございません。私の身を案じて、いえ、私がお頼みしてのことです」

 するとハンビィが

 「ファシリア、どうやらそうではないらしい。

  クイードやタキトスが正室を娶るので、我等2人の事を気にかけてくださっているようだ」

 と説明した。


 「ストワード様の正室に私がですか?それは、嬉しく思いますが、下級貴族の私では」

 ファシリアは顔を伏せた。

 しかしハンビィが

 「そこは考えなくても良いのだが、私もそろそろ妻を迎えたいと考えていてな、どうだろうか」

 ハンビィは他の2人と比べると生真面目な部分があった。


 「陛下のお許しは恐らくこの場でいただけると思う。どうだ、私の妻になってくれまいか」

 ハンビィがはっきりと意志を示したのでファシリアは

 「喜んでお受け致します」

 と答えた。


 「ということです、陛下」ハンビィは嬉しげだった。


 「では決まりだな。3名それぞれ用意をしておけ、儀式はグレイス国建国の日とする。よいか?」

 とオサムが言うと


 「はい、お願いいたします、陛下。ありがとうございます。」

 3人が膝を付き、オサムに礼を述べた。


 「では、ファシリアはハンビィの屋敷に移るように。皆の指輪のことはビーツに頼むと良い」

 オサムがそう言って4人を帰らせた。


 ドア越しでも分かるような声で3人が話しているのがわかった。


 「やれやれ、これで一仕事終わったな。あとはリムルの事に集中できる」

 オサムは体を椅子に投げ出して一息ついた。



 いよいよリムルが出産という時期になってグレイスの隣国グリオン王国とレギオーラ王国、グリーシア帝国にモンスターが襲来したと報告が入った。


 オサムは3人をそれぞれに派遣して自らもグレートドラゴンで飛んだ。

 どうやら今回はグリーシア帝都が本命のようだったのでハンビィの加勢として戦った。

 まだビーツに作らせている剣が届いてないので新しい甲冑は身につけたが、剣は以前のものだった。


 いつものように全力で片付け、ダークドラゴンとカオスキーパーも叩き斬って終わらせた。

 すぐにふた手に別れ、ハンビィはレギオーラにオサムはグリオンに飛んだ。

 グリオン王国にはやはりカオスキーパーは居らず、ダークドラゴンも居なかった。

 タキトスがほぼ片付けていたので残りを2人で片付け、レギオーラに向かった。


 2人が到着した時にはクイードとハンビィの手で全て片付けられていた。


 「3面攻撃か、タイミングもわからないし待つしか無いのは少々イラ立つな」

 オサムが言うと

 「4箇所までなら問題有りませんがそれ以上となるとゾッとしますね」

 クイードが言った。

 「そうだな、他にインペリアルセイヴァーは居ないし、まぁ対処するしか無いのが現状か」

 オサムがそう言って4人はグレイスに帰った。


 次の日になって各国からモンスター晶石が大量に届いたが換金して国庫に入れた。

 使いの者をねぎらってから帰した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ