7話 引き抜き
「あのー聞き忘れてたのですが、その拳銃はどうやって入手されましたか?」
『他にも過去に誰かが迷い込んだんだ、きっと』
フルグリフ伯爵は
「知りたいか?骸が握っておったのだよ。オサムと同じような服装の白骨死体がな」
オサムは得心を得た
「フルグリフ伯爵はそれを見ていたから俺の言うことを聞いてくれるのですね?」
『過去に同じような人間?を見ているのなら最初からわかっていて当然だ、あとは安全確認だけで済む』
「そうだ、精霊界、神の世界が有るのなら、もういくつか世界があっても構わないと思ってな。
確かここからだと南の土地で、半年ほど前だ。」
「しかし、異世界か、他の大多数の者は頭が固くて困る。オサムが我が軍に居る間オサムの世界の事を教えてくれるか?」フルグリフ伯爵は好奇心が旺盛らしい。
「分かりました。俺は今のところこの世界のことに関しては全く知りませんし、軍隊と一緒なら心強いです。」
『戦闘になったら別だけどね、でもあの飛行機事故で俺は終わってるしまた始めればいいじゃないか』
オサムの第二の人生が今始まった。
「それで、俺は何をすればいいでしょうか?」と尋ねると
「そうだな、私の身の回りの世話でもしてもらおうか。従者ということになるな。服も用意させよう。
ところで剣は扱えるか?」
『きた!剣を持てる!』と喜んで
「向こうの世界ではおおっぴらに剣を持つことは出来ませんでしたので扱いには慣れてませんが、練習します」
そう答えて心のなかで『よっしゃ!』となった。
「では、クリューズに言いつけておく。軽装で良いな?甲冑は無理だろう?」
「そうですね、革の鎧が動けるギリギリだと思います。」
『RPGの初期装備だぜ!これからステップアップだ!』と気分はゲーム状態だった。やはりゲーム脳である。