表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
平和への道程
69/105

第3話 幸福のかたち

 「陛下、ロレーヌ様、おかえりなさい」

 ロレーヌが城の作りを覚えていたため迷わずに部屋まで帰ってこれた。


 「今夜はロレーヌ様とお休みになられますか?陛下」

 リムルは嬉しそうに言った。


 『やっぱりこの子どんな身分になっても中身は侍女のままだ。俺も同じだけどな』

 オサムは思った。


 「そうだね、ロレーヌの部屋を作って今夜は一緒に過ごすことにするよ」

 そう言ってハロルドを呼んでロレーヌの部屋を4階の客間を改造してすぐに作らせた。

 家具の入れ替えだけのため半日も掛からなかった。


 ロレーヌは与えられた部屋をオサムに見せられて

 「子爵の屋敷の部屋と同じかな?狭かったら言ってね?広くするから」

 オサムの言葉に

 「父上の部屋より広いです。ベッドもこれは何で作ったものですか?ウールじゃないですね」

 ロレーヌが部屋を回りながら色々見て回っていた。


 「ベッドはね、俺が特別に注文したもので水鳥の羽毛を絹で挟んだものだよ、向こうの世界の高級品を真似した」

 オサムがそう言うと「絹ですか!シャングール帝国から?」

 ロレーヌが訊いてきた。


 「うんうん、もう世界中どこにでもいけるから、俺が行って買い付けてきた、銀貨1000万枚」

 「この城のベッドはほとんどこれで、侍女の服とかも絹で作らせてるよ、綿も使ってるけど、

  この国は温かいからウールだと蒸れちゃうんで、ありったけの絹を買ってきた」

 オサムはさらりと言い

 「ベッドに寝てみて?絹の寝間着もあるから着替えて」

 と続けた。


 そうするとオサムの目の前でロレーヌは着替えだした。

 「え?あ、そうか、ロレーヌって人目を気にしないんだったなぁ」とオサムが思い出した。


 「陛下、私の体を見て頂けますか?」

 とボタンを止めずにいた上着を脱いだ

 「古傷は多いですがまだ男には触れさせて居りません。私でも陛下に抱いて頂けますか?」

 と言うので

 「綺麗だね、ずっと思ってたけど」

 オサムは正直に答えた。


 「では今すぐお願いしても?憧れていた陛下に早く私を知っていただきたいのです」

 そう言ってオサムをベッドに連れて行った。


 これはロレーヌなりの気遣いで、夜はリムルと過ごして欲しかったのだ。

 しかしできれば早く抱かれたかった。

 夕食前にはロレーヌは騎士から女になっていた。


 少しの間ロレーヌはオサムと幸福な時間を過ごし、平服に着替えた。

 ベッドの上でオサムが

 「服はピッタリだね、明日洋裁師を呼んで30着ほど作らせよう。絹が良いだろう?」

 オサムが言うと

 「そうですね、この肌触りに慣れると前の服は・・・」

 「しかし高価なのではありませんか?各国でも国王位しか絹は持って居ないと聞きますが」

 ロレーヌは遠慮がちに答えたが


 「直接買ってきたから倉庫一杯にあるよ、マジックバッグでね?10年かけても使い切れないほど買ってきたから大丈夫。心配要らないから」

 「あと、祝福の儀式の前に騎士位は取り上げるからね、伯爵にするから」

 オサムはもうロレーヌを戦場に立たせたり冒険させたりするつもりはなかった。


 「俺の子を産んでもらう。大事な体になったから承知して欲しい。」

 そう言うと

 「私もそのつもりです、王妃陛下のお邪魔はしません。時々でかまいませんのでお願いします」

 ロレーヌは胸に抑えていたものが一気に取れて幸せだった。自分が女で有ることを感じていた。


 「お披露目まではこんな感じになるけど、来週は家で過ごすといいよ。」

 オサムは優しく言った。



 ロレーヌを一旦帰した後、しばらくして領内にモンスターの群れが現れたと報告が来た。


 4人はすぐさま駆けつけグレートドラゴンのブレスで雑魚を片付けた後ナイトメアに乗り換え

 巨大なボスを次々と片付けていった。


 ダークドラゴンが現れるとグレートドラゴンに騎乗し直して次々に落としていった。

 最後の一匹を片付けた時にオサムは飛び降り、地上に居るカオスキーパーを叩き斬った。

 大地に亀裂が走るほどの一撃だったが、やはり手応えはなかった。


 「30分も掛からんようになったか、しかし久しぶりに見たな」

 オサムが言うと

 「やはり陛下はお強い、我々も強くなったと思っていましたが陛下は次元が違います」

 ハンビィが息を切らせていた。


 「あの戦いを汗1つかかずに済ませるのですから」

 クイードも肩で息をしていた。


 「俺は魔法が使えるので仕方ないだろう。お前達が居てこそこのように早く片付けられる。」

 「俺はお前達に助けられていることを忘れたことはないぞ。」

 そう言って3人の肩を叩いて

 「俺が留守にしても問題ないと思えるのはお前達のおかげだ。」

 オサムは3人に感謝していた。


 

 オサムは久しぶりにビーツやクライアンに会いに行った。

 2人はビーツの工房に居り、どうやら共同して作っているようだった。


 「これは陛下、また何か打ちますか?」とビーツは訊いてきた。


 「そうだな、実体の無いものを切れる剣は作れるか?」

 オサムはマジックバッグから大量のレアアイテムを出した。

 「実体のないもの、影のようなものですか?クライアンと相談しながら試してみましょう。」

 「ただ、絶対にとはお約束できませんが、それでも良いのなら」

 ビーツの言葉にオサムは

 「構わんよ、いつもどおり無理を言っているのは承知しているからな」

 「あとは甲冑だな、4人分。このデザインだ」とデザインした紙を渡した。

 

 ビーツはその紙を手に取り

 「いつもながら素晴らしいですな、剣の方は例の大剣でしょうか?」

 デザイン画を見ながら訊いてきた


 「そうだな、あれが扱える限界ではないが装備しにくくなるので同じものを頼む」


 「あと、クライアン、何か新しい物は出来たか?」と聞くと

 クライアンは

 「今はHPとMPを最大まで回復させるポーションと無限に入るマジックバッグを試しています」

 と答えた。


 「それは助かるな、素材アイテムは足りているか?」

 オサムがマジックバッグを覗き込みながら言った。


 「それが、クイード様、タキトス様、ハンビィ様も素材アイテムを持っていらっしゃいまして

  倉庫代わりのマジックバッグに入り切らない位です。ヴァレスの革が無くなりそうなだけです」

 そう言ったので

 「ではまた集めてこよう、しばらく待ってくれ」とオサムは答えた。


 城に戻ると丁度ロレーヌがペガサスで降りてくるところだった。

 オサムにとっては丁度良かった、またバルコニーに飛び上がらずに済む。

 「ロレーヌ、早いな?」とオサムが言うと


 「これは陛下、屋敷での準備が終わりましたので戻って参りました」

 ロレーヌは儀式の準備を全て終わらせてきたようだ。

 「また陛下の腕の中で眠れます」幸せそうな笑顔だった。



 城の部屋に戻るとクイード達が待っていた。

 「どうした、何かあったのか?」

 オサムはどこかがモンスターに襲われているかと思ったが

 考えてみればそうなれば3人だけで片付けに行くだろうと考え直した。

 「用か?」と訊き直した。


 「いえ、用と言うほどでは無いのですが、王妃陛下のような女性と知り合うにはどのようにすれば良いのかと」

 クイードが答えた。


 「そうか、お前達もそろそろだなぁ、しかし俺はそういうことに疎くてな、正直わからん」

 「ファシリアか城の侍女くらいしか思いつかん」

 オサムは正直な言葉を伝えた。


 「ですので王妃陛下にご相談しておりました」

 タキトスが言った。


 「この御三方ならば国王の姫君でも娶れますとお伝えしたのですが、陛下のように生きたいとおっしゃられて」

 リムルがゆったりと話した。


 「では侍女はどうだ?リムルは心当たりないか?ヴィオラならもう年頃だろう?」

 オサムはリムルに言うが

 「ヴィオラは陛下のことを想っているようで・・・」


 『また俺?もうそろそろ勘弁してくれ、ロレーヌだけでもリムルに気を遣うのに』

 オサムは長椅子に寝転んだ。いや、リムルの膝を枕にした。


 「そのうち見つかるとしか言えんなぁ、自分たちで探したほうが良いと俺は思うぞ」

 適当に答えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ