6話 剣と魔法の世界2
「何をにやけておる!」最初の女性剣士が剣の鞘で突いてきた
「これこれ、待ちなさい。その驚きようは本物と見たが。これはどうかね?」
おっさんが自分の剣を抜きオサムに近寄ってきた。
「け、剣はみたことはあります、槍や楯や甲冑も知ってます」
「そうではない、これだ」と言い、氷に包まれた木に向かって剣を振った
『そんなに遠くからじゃ届かねーだろ、力自慢か?このおっさん』と考えていた時に
木と氷が斜めに斬れ、滑り落ちた。
「剣士が使えるのは風の剣撃だけでな、しかし切れ味は見ての通りだ」
「すっげぇ・・・魔剣ってやつですか?それは」
『また言っちまった、RPG慣れしすぎてるな俺』
「魔剣?あぁ、一部の剣士は携えているが、これは剣技だ。才能は必要だが」
「剣技でそんなこと出来るんですか?俺のやってたゲームでは無かったな」
『ドツボだ。ゲームって言って通用するわけがねぇよ』
「ゲーム?剣闘か?1000年も前の残虐な娯楽だが、今の時代にそんなものはない」
おっさんは少し気に入らなかったようだ。
「そもそもお前は異世界から来たと言っていたな?精霊界や神の世界が有るのは知っている」
そして、腰の袋から何かを取り出してみせた。
「それ、拳銃ですね?」オサムが言うと
「知っているのか?使い方は?」と訊かれた
「触っても?」と聞き「構わん、使い方がわからんのでな」と手渡された。
「これは、こう持って、この引き金を引きます」
カチンと音がして撃鉄が空の薬莢を叩いた。
「えーと・・・ここかな?操作してシリンダーをスイングアウトさせた。」
「これが銃というものです、一番小型ですが。弾丸を火薬で発射します、これはもう弾丸を使いきっていますね。」
「ふむふむ、オサムの世界では一般的な武器なのか?」と訊かれ
「俺の住む日本では政府機関の一部の人間や軍が持つだけです。ただ、アメリカでは大勢が持っています」
『銃事情には詳しくないけど大体そんなもんだろう』とオサムは考えた
「アメリカか、軍事力を誇るだけ有る。一般の民草まで武器を持っているとは」
『そういえばこのおっさんなんて名前なんだ?呼びづらいよな』
「すいません、お名前をうかがっても?」オサムが言うと
「おぉ、自己紹介がまだだったな。ルーハン・フルグリフ伯爵と覚えておいてくれ、
お前はアキバ・オサムだったな。この拳銃とやらの事を知っているということは、
アキバ・オサム。お前はこの世界の人間ではないと証明出来たことになる」
『やっと信じてもらえたか、それにしても剣と魔法の世界ね。危険な世界ってことか』
オサムは「信じてもらえたでしょうか?ところで俺の身はどうなりますか?」
『ここで斬首とは言わないだろう、生きるのに苦労しそうだけどな』
それに答えてフルグリフ伯爵は
「疑いは晴れたが、一人ではどうもできんだろう?しばらく我が軍に居れば良い、雑務はしてもらうが」
放り出されると考えていたが、予想外に良い状況になった
「ありがとうございます、一人では心細いので助かります。」
と安堵した。
『けど剣も魔法も使えない俺ってどうなるんだろう?』
オサムは流石に不安を感じた。