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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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59話 ファシリアとロレーヌ

 ある日、城外に出て気まぐれに歩いていると、冒険者たちが争っていた。

 オサムは近づいてゆき何事か確かめようとした。


 どうやらレアアイテムをめぐっての口論から剣を抜いたようだった。


 「どうしたんだ?冒険者同士仲良くすればいいじゃないか」

 オサムはつい口出ししてしまった


 「なんだぁてめぇ?」

 じっと見られて

 「冒険者でもない街の人間風情が口出ししやがるな!」

 と言われた。


 オサムはハイドステータスの指輪をしており、服も平服のため誰だかわからないらしい。


 「けどほら、仲間割れは良くないと思うよ、俺は」

 そう言って止めようとした。


 「だから何なんだよてめぇは!」オサムに剣を向けてきた。


 オサムはその剣を握りへし折った。


 「あ、ごめん、つい力が入っちゃったね、弁償するよ」

 オサムは言ったが

 

 責められていた者以外が全員オサムの方を向いた。


 オサムは首を振ってレイピアを抜いた。


 「あ!?そんな細っこい剣で俺のクレイモアと戦うのか?笑っちまうぜコイツ!」

 一番大きな冒険者が長大な剣をオサムに向けた。


 その時

 「オイ、そいつの持ってる剣、やべーぞ」ともう一人が言った


 「あぁん?たかがレイピアが?」と大男がオサムの構えるレイピアを見た。


 「な、なんだてめぇ!?誰だ!」と訊かれたので


 「あぁ、俺か?エリトールという。よろしくな」と言うと


 「エリトールぅ?エリトール・・・黒騎士エリトール様!」

 と言って全員武器を降ろして這いつくばった


 「お許し下さい、どうか」

 と皆が言うが、オサムは別に怒ってはいない。


 「どうしたの?なんで喧嘩してたの?」

 とオサムが訊くと

 「あ、あいつがパーティで狩った敵のレアアイテムをこっそり持ち逃げしようとしてたんで」

 と答えたが


 「これはお前達が寝てる間に襲ってきた敵を倒した時にドロップしたアイテムでしょ」

 責められていた冒険者はどうやら女性らしい。


 「そういうことならアイテムはあの人の物になるんじゃないかな?」

 オサムが言うと


 「その通りになりますが・・・いえ、異存はありません」

 大男は言った。


 「俺はいつもソロなんでルールはよくわかんないんだけどね」

 笑いながら剣を収め

 「ほら、皆立ち上がって。」と立ち上がらせた。


 「その人は?」とオサムが訊いた


 『剣士レベル65か、ダンジョンに入れるレベルだな、パーティなら弱いボスも倒せる』オサムが考えた。


 「剣士を募集してたらパーティに入った知らない奴です、腕は立つから入れました」

 4人の内魔法士らしき者が言った。


 「なるほど、レベルは一番上だな。」

 「おい君!この街の冒険者か?」と女剣士に訊くと


 「いえ、クラッセ伯爵領で冒険していましたが腕を磨くためにこの辺境に来ました。昨日です。」

 と答えた。


 「ちょっとそのレアアイテムっての見せてくれる?取りはしないから。」

 オサムが近づくと

 「これです、ユニコーンの角」とオサムに見せた。


 「確かにレベル65の剣士だと貴重だね、ちょっとまって」

 とマジックバッグの中をゴソゴソして

 「あ、2本しか無いや」と4人に近づいて

 「これ、上げるからもう喧嘩はやめなよ」と言って渡した。


 振り向いて

 「君、クラッセ伯爵領から来たって言ったよね?」

 と言うと

 「はい、そうですが」

 と答えた。


 「俺がそのクラッセ伯爵なんだけど、面倒なんで前のエリトールを名乗ってるんだ。」

 「女性の剣士って珍しいね?」

 といいながら


 「あ、君たちはもう行っていいよ、俺はあの子に用があるから」

 そう言うと女性剣士にまた近付いて行き


 「俺の領地から来たのなら歓迎するよ、フルグリフ侯爵領にようこそ」

 「困ったことがあれば城のエリトールの屋敷に来ると良いよ、ロレーヌ様と気が合うかもしれない」

 オサムが言うと


 「マンセル子爵様のロレーヌ様ですか?」

 と女性剣士は訊いてきた


 「う、うん・・・そうだけど、隣の屋敷だね」

 オサムは答えると


 「お会い出来ますでしょうか?」

 「あ、申し訳ありませんクラッセ伯爵様」

 申し訳無さそうな顔をしたので


 「エリトール、ここではエリトールね?ロレーヌ様に会いたいなら言ってあげようか?」

 多分嫌とは言わないだろう、いや、わからないな、まあいいや

 

 「ありがとうございます」

 女性剣士は礼をして自分の荷物を拾い上げた


 「今から?んー・・・まいっか、行ってみよう」

 とオサムは城へ向かった。



 「こんにちはー」マンセル子爵の屋敷の扉を開けた。

 「これは、クラッセ伯爵様、今日は?」

 と執事に訊かれて

 

 「えーと、ロレーヌ様居るかな?」

 オサムが言うと

 「しばらくお待ち下さい、お呼びして参ります。

 と言って階段を上がっていった


 暫くすると

 「どうされました、クラッセ伯爵様」

 とロレーヌがやって来た。


 「あ、ロレーヌ様、城の外でこの子と出会いまして。」

 と言うと

 

 「ロレーヌ様はやめてください、クラッセ様」

 「で、その子は?ん?見たことのある顔だな」

 

 その時

 「ロレーヌ様、私です、ファシリアです」

 とその子が言った。


 「あぁ、ファシリアか、どうした?男爵令嬢だろう?あ、クラッセ伯爵の領地だったな、確か」

 ロレーヌが言うと


 「強引に見も知らぬ相手に嫁がされそうになり逃げてきました、匿って下さい」

 とファシリアという剣士は言った


 「そうは言われても私ではどうにも・・・」とオサムを見て

 

 「そうか!ユーリヒ男爵家はクラッセ伯爵家直属の男爵家だったな、クラッセ伯爵様に頼もう」

 ロレーヌは不気味な笑みを浮かべた



 「で、俺は何をすれば良いんですかー?ロレーヌ様ぁ」

 不貞腐れたようにオサムが言った


 「ですから、一筆書いていただければ男爵も納得せざるを得ません」

 「それに、貴族といえどもファシリアもクラッセ伯爵様の領民とはいえませんか?」

 ロレーヌは畳み掛けてきた。


 オサムはしばらく考えて

 「わかったよ、もう。じゃあ本文は書いて?サインと封は俺がするから」


 次の日の朝早くに早馬で手紙を届けた。


 「じゃあ、これで君も帰れるね、なんなら送っていくけど?」

 オサムは部屋着のまま外に出てきていた。


 「いえ、もっと剣の腕を磨いて騎士になります。その間は伯爵様のお屋敷に居てもよろしいでしょうか?」

 ファシリアが言うとロレーヌが

 「な、伯爵は私の・・・いや、厚かましいぞファリシア」

 と言った


 『私のなんなんだ?ロレーヌは時々わけがわからん』オサムは考えた。


 「俺は別に構わないけど、部屋も開いてるし」

 オサムが言うと

 「黙っていて下さい、話がややこしくなります」

 とロレーヌに叱られた。


 「じゃあロレーヌに任せるよ、俺はまだ眠い、ちょっと寝てくる」

 オサムは屋敷に戻っていった。

 『魔法と剣をあわせる攻撃が出来ればもっと強くなれるから練習したかったのにな』

 オサムは階段を登りながら考えた


 「リムルー?俺また寝るよ、こっち来て」

 と言ってベッドに寝転ぶとそのまま寝てしまった。

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