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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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58話 調律者

 オサムは歩きながら、地の神殿へと向かった。

 ペガサスもグリフォンもドラゴンもナイトメアでさえ召喚出来ない。

 

 この国の雰囲気と関係があるのだろう。モンスターは一切近づけないのかもしれない。

 最初にペガサスで降り立ったときは何だったんだろうか?


 とは言え、そう遠くもない。


 オサムは1日も歩くと神殿についた。


 中に入ると前の神殿ほど明るくない。エターナルライトで照らされているようだ。


 「アキバ・オサムですな?どうぞ」

 と言われ、また祭壇のような場所に連れられていった。


 「ここは大地を統べる魔法の祠、アキバ・オサムよ、地の魔法を望むか?」

 そう問われ


 「必要であれば、望みます」

 オサムはそう答えた。


 「グランチューナーとなるためだな?では儀式を行おう。」

 

 神官らしき者がそう言うと

 またオサムを光が照らし、その光の中で威厳のある声が聞こえた。


 「これで地の魔力を得た、アキバオサムよ、次は水の神殿に行け」


 そう言われ、神殿を出て水の神殿へ向かった。


 そこでも同じような事が行われ、風の神殿、火の神殿でも同じように儀式らしきものが行われた。



 最初の神殿に帰ってくると、以前の女性神官が座っていた。


 「4柱の神に認められたようだな、では神聖魔法の儀式を行う」

 そう言われ、4つの神殿での儀式と同様に行われた。


 「アキバ・オサムよ、これで全ての儀式が終了した。」

 「これらの力を使いこの世界を守るが良い。」


 オサムは

 「貴方はどなたですか?」

 と言うと


 「私に名前はない。グランパープルの守護者と呼ばれている。」


 「では守護者様、私はこの後どのようにすれば良いのでしょうか」

 オサムは何もわからずに尋ねた


 「アキバ・オサムよ、その猛々しい行いはお前の優しき心より起きるもの

  その心のままに生きよ、そしてこの世界を守ってくれれば良い。」


 「神々が導いてくれるであろう。

  今よりアキバ・オサムはグランチューナーとなった

  全てのしがらみより解き放たれる存在だ。」


 「これを持て。」

 と言われ、石笛を渡された。


 「これは?」とオサムが尋ねると


 「聖獣リーファの笛だ、この国で呼び出せる唯一の聖なる者

  決して獣として扱うな、リーファには心があるゆえにな」


 「わかりました」とオサムは答え神殿を後にした。


 リーファの笛を吹くと空から音も立てず舞い降りてきた。

 

 「君がリーファか」

 オサムはその姿の神々しさに息を呑んだ。


 ユニオーンとペガサスに似ているが青く輝くたてがみ、柔らかな翼

 何よりもその目が思わず惹きこまれてしまうように美しい。


 「乗れ」と言われたような気がしたので

 オサムは乗った。鞍も手綱もないが問題無かった。

 オサムの行きたい方向に向かってくれる。


 「まるで心を読まれているようだね」と言うと

 リーファは頷いたような気がした。


 大陸側に戻り、一旦リーファを降りて空へ返すことにした。

 「ありがとう、リーファ」そう言うとオサムの顔に頬ずりして空へ帰っていった。


 オサムはペガサスを呼び出し、今度はペガサスに騎乗して王都へ向かった。



 王都へ着き、屋敷へ入り王に報告をした。


 グランチューナーのことを話すと王は静かに立ち上がりオサムの前に跪き

 「世界の調律者グランチューナー様、お会い出来て光栄です」

 と頭を下げた。


 「陛下、立ち上がって下さい、困ります」

 と言ってオサムが慌てると


 「王は静かに立ち上がり、私の前に伝説の調律者が居られる」

 続けて

 「貴方はもはやこの国の者ではない、世界の救済者となりましょう」

 そう言ってうやうやしく礼をした。


 オサムはなんだかわからなかったが、この雰囲気でいつものように聞けるわけもなく

 「では、失礼致します陛下」と言って屋敷を出た。


 『これは駄目だなぁ、誰にも言えないぞ?当面は隠しておこう、何かが起きるまで』とオサムは考えた。



 侯爵の城の屋敷に戻り、自分の部屋の居間で鎧を脱ぐと

 「旦那様、どちらに行かれてらしたんですか?」と脱いだ鎧を見て

 「冒険やダンジョンではありませんね?」とリムルは気がついた。


 「そう、グランパープル聖国に行ってきた。」

 とだけ言ってオサムは黙った。


 リムルはオサムの顔を見てそれ以上は問い詰めなかった。



 次の日、召使いの魔法士ルークリエ・ティルムとマリエール・ミルスを呼んだ

 オサム自身も完全武装で城外へと出ていった。

 

 暫く歩き「この辺で良いだろう、モンスターは出ないな」と二人を見た


 「ご主人様、冒険ですか?それでしたらクイード様達と行っていますが」

 ルークリエが言った。


 「魔法を教えてもらいたい」

 オサムがそう言うと


 「剣士様や騎士様に魔法は無理ですが?」と答えられたが


 「一番簡単な魔法で良い、教えてくれ」

 オサムが言うので


 「マリエール、ファイアボールをご主人様に教えなさい」

 ルークリエが言った


 マリエールが詠唱を始め「ファイアボール!」と言うと火の玉が掌から出た。

 

 「詠唱を教えてくれ」

 と言うとマリエールが腰のバッグから魔法書を取り出し

 「この行です、短いですがそれを唱えて、掌から炎が出るのを想像してファイアボールと言って下さい」


 「分かった、やってみよう」とオサムは魔法書を詠唱し、マリエールの言うとおりにやってみた。


 するとファイアボールが出た。


 それを見て二人は驚いた。


 「ふむふむ、では次だ、神聖魔法を」

 オサムが言うと


 「魔法は力の根源である精霊が違うので、火の魔法が使えても神聖魔法は・・・」

 ルークリエが言うと


 「かまわない、教えてくれ」

 オサムは有無を言わさずルークリエに言った。


 「では、一番簡単なヒールを」

 と言い、ルークリエが魔法書をオサムに見せ

 「このページです、見ていて下さい」


 詠唱を始めて「ヒール!」と杖をオサムに向けた。


 「ふむ、分かったやってみる」

 オサムは魔法書を読みながら詠唱し掌をルークリエに向けて「ヒール!」と唱えた


 すると、ルークリエにヒールが掛かった。


 「火の魔法と神聖魔法を両方!?杖もなしに」と二人は驚いた

 「でもでも、エリトール様は騎士様ですよね?」マリエールが言うと


 「グランパープル聖国に行って5つの神殿で儀式を受けてきた」

 「お前達もか?」

 オサムは二人に尋ねた


 「いえ、私たちはこの国の神殿で儀式を行いました。

  私は神聖魔法を、マリエールは炎の魔法を選びました。」

 ルークリエはそう言いながら

 「魔法は地、水、火、風、神聖の5つありますが、使えるのは一つだけです

  剣士は使えませんし、ご主人様のように2種類を使えるわけがありません」

 「しかも魔法には剣士同様に適正があります、ご主人様のような方は居ないはずです」


 ルークリエの言葉に


 「そうか、このことは内密に頼む。あと5種類の魔法書を買ってきてくれ、いくら位になる?」

 ルークリエに訊くと

 

 「私の魔法書は書き込みながら使うので銀貨2枚ですが、全ての魔法が記されたものなら1000枚かと」

 ルークリエは答えた


 「では、このマジックバッグに銀貨2万枚入っている、今買える最上等の魔法書を5種類買ってきてくれ」

 「あ、必要なら二人の分や必要な魔法具を買ってもいいからね、遠慮はなしだ。2万枚全部使うこと」

 とマジックバッグを渡した。


 「わかりました、マリエールと共に早速魔法店に行ってきます」

 

 「うん、頼むよ、何故使えるのか知りたいからね」

 と3人は街へ帰っていった。



 その日魔法書が届いた。オサムはそれを書棚に入れ、時間のある時に読むことにした。

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