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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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57話 魔法国グランパープル聖国

 グランパープル聖国は守護者という者の治める国家らしい。

 いや、国家というより、この世界の機関といった方が正しいのだろう。


 オサムはペガサスでグランパープルの地に降り立った。

 王宮と言うより神殿が丘の上にそびえている


 その神殿を囲む都市は王都程大きくはなかったし、そもそも城壁が無かった。

 オサムは儀礼用に似せた甲冑と装飾された剣を腰と背中に装備していた。


 王の紹介状を持って、そびえる神殿の前に辿り着いた。


 衛兵は居ないが、代わりに儀礼官のような者達が周りに居り、その中のひとりに尋ねた


 「ライツェン王国のクラッセといいますが、国王から紹介状を預かっております」

 そう言うと

 「その件は聞いております、では中へお連れしましょう。」と開け放された門から入った。


 中は広く、天井が高い。内部も光が通り外と同じように明るかった。


 広いのだが扉が一切無い。


 奥へと連れて行かれると、祭壇のような場所におそらく女王と思われる人物が居た。


 ゆっくりと階段を登らされ、その人物の近くに行くと


 「インペリアルセイヴァーのアキバ・オサムか、700年ぶりとなるな。まだ若いままじゃな」


 「この世界の者では無いのであろう、以前のお前もそうであった」

 「神々に選ばれたのだ、アキバ・オサムよ。この世界に危機が訪れる前兆だ」


 響き渡るような澄んだ声でその女性は話した。


 「グランパープルは世界の調律者、干渉は出来ない。グランチューナーを介して世界を導く」


 「選ばれし者、アキバ・オサムよ、それは騎士には出来ぬのだ。」

 「魔法を身につける必要がある」


 「魔法ですか、私は剣士なので魔法は身につけられませんが」

 オサムがそう言うと


 「アキバ・オサムよ、その首に掛かる神々から賜りしエンフォーセ、その力を知るや?」


 「それは無限の力を秘め、全ての壁を取り除く」


 「グランチューナーとなるのだ、アキバ・オサムよ」


 「それは何でしょうか?」

 オサムは尋ねた


 「世界に調律をもたらすもの、この世界の者では決して成れぬ者」


 「アキバ・オサムよ、お前に魔法を教える」


 女王らしき人物が言うとオサムの体が輝き出した。


 オサムはゆっくりと意識を失っていった。



 オサムは起きた。いつものように。

 「ん、なんか変な夢だったような。まぁいいや。」


 オサムはプロジェクトが終了したため無職になっていた。

 ほとんど外に出ず、遊びといえばオンラインゲーム。

 たまにレンタルDVDを借りに行ったりマンガを買うくらいで

 給料のほとんどは余っていた。


 残業や休日出勤を繰り返してほとんど休んでいなかったので使う暇が無かったし

 ファッションや外食にも興味がない。


 食事会ではその容姿のため女性に興味は持たれるが、話題が偏っているので当然彼女が出来たためしもない。


 まだ若いし貯金もかなりあるので1年程海外を回ろうと考えていた。


 『バックパッカーで世界を回るのが良いなフランスならモテたりして?』とか考えていた。


 早くに両親を亡くしたオサムは高校を卒業するとすぐに働き出した。

 派遣でプログラマーの仕事があったので、自分で作ったプログラムを見せると

 すぐにでも、ということでゲーム会社の仕事を得た。


 その時はまだ名前も無いゲームだったが、なかなか面白そうな内容だった。

 世界観は中世ヨーロッパ、そこに魔法を加える極普通のものだがシステムが面白い。


 CADウィンドウを開き自分で装備が作り出せ、よく出来た武器や防具は魔力が付く。

 自分でデザインしたアイテムを装備できるというわけだ。

 しかも、それを実際の金銭で売り買い可能でゲームをしながら稼げる。

 半分は運営会社の取り分だが、上手くやればゲームで生活が出来るというのだ。


 『これは画期的だな、装備の売買も可能で運営の押し付け装備じゃないところが良い』

 上級装備になると素材も集めないとならないのでやりこみ系のオサムにも楽しめそうだ。


 武器屋でもそういった魔剣が売っているが、

 デザインとつぎ込んだアイテム等で世界でただ一つの装備が作れる。


 今はβテスト中なので社内でアカウントを作り評価を兼ねて遊んでいた。

 まだ剣士の段階だが、装備を作るのが面白いのでかなりハマッて遊んだ。


 しかし、そろそろ生活を変えるためにまずはオーストラリアに行き、

 そこからヨーロッパの国々を周り、最終的に北米で仕事を見つけようと一月後の飛行機を予約した。


 しがらみがないため、どこでも生きていける。

 日本での生活は終わりだ。

 これから本格的に求めていた生活が始まる。


 いよいよ新しい人生が始まる、とワクワクしながら飛行機に乗った。

 しかし南に向かって飛んでいる時にそれは起きた。


 オサムが窓の外を見ているとエンジンから煙が出て、暫くすると火を吹いた。


 

 「うわ!」オサムが驚くと他の客も見ていたのか気がついたのか


 「エンジンから火が出てるぞ!」

 「右も左もだ!!」

 「太平洋の真上だぞ?ヤッベー!」

 「きゃああああああああ!」

 等々阿鼻叫喚の嵐が機内に吹き荒れた


 『あーあ、俺の人生これで終わりか、思ってたより短かったな』

 オサムは慌てず騒がず窓の外で火を噴くエンジンを見ていた

 「あ、落ちた」

 そしてエンジンが機体から外れ落ちていった。


 「ありえねー、飛行機って安全なんじゃなかったのかよ」

 極めて沈着冷静に物事を考える癖のあるオサムは


 『しかし、せっかく貯めたのに使うこともなく働いただけか』そう考え

 キャビンアテンダントが走り回る中

 「あの~これで最後だろうしなんか食い物と飲み物もらえます?」

 無理だろうな、と思いつつも注文をした。



 オサムは見慣れない場所で目が醒めた。

 あれ?俺助かった?けどここはどこだ?


 周りを見るとどこかの神殿のようだった。

 へ?天国って本当にあったのか、と考えて立ち上がると、目の前に不思議な女性が居た。

 『天使かな?すげぇ美人だけど神聖な雰囲気があるなぁ』とオサムは考えていた。


 「お前の人生の終わりを見てもらった。」

 その女性は言った。


 「人生の終わり?じゃあここはホントに天国ですか?」

 オサムが尋ねると


 「少々記憶が失われているようだな」

 と言い、何か聞いたことのない言葉を言うと急に眠くなった。


 

 オサムは目覚めると不思議な感覚に襲われた。

 まるで自分が自分ではないような、他人の体を借りているような感覚だ。


 「起きたか、アキバ・オサム」


 「はい、それで魔法とは?」

 オサムが言うと


 「グランチューナーよ、それは己自身で探すのだ」


 「この国にはいくつか神殿がある。ここは神聖魔法の神殿。」

 「地、水、火、風の神殿を巡りまた戻ってくるが良い。」

 そう言われ、オサムは神殿から出された。

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