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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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49話 幸福な日

 儀式当日二人は城に呼ばれた。恐らく大広間では既に準備が整っているのだろう。

 執事のハロルドや侍女のエリス、召使いのアリエル、ミランダも一緒だった。

 クイード、タキトス、ハンビィ、カッシュ、ユゼム、ケンテルは城の執事に呼ばれ何かを準備していた。


 「ご主人様、私はドレスは要らないと申し上げましたのに」

 リムルは儀式用のドレスに着替えさせられて居るようだ、衝立ての向こうから声が聞こえた。

 

 「俺だってこんな着たこともない儀式服を着せられてるんだ、諦めろ」

 オサムもこんな厄介なことになるとは考えていなかった。


 「では、もうすぐにでも始まりますので。指輪はお預かりします」とハロルドが出ていった。


 「え、ええええ~?心細いよぉ、もう・・・」

 オサムは情けない声でハロルドの背中に向かって言った。


 城の執事が二人を連れて大広間の扉まで案内した。

 「扉を開けますので、ゆっくりと壇上まで進んで下さい。私は後ろについていきます。」

 

 その言葉でオサムはなんとか気を持ち直した。


 扉が開き、二人は揃ってゆっくりと壇上へ向かった。

 部屋には城の騎士やマンセル子爵家合わせて50名ほどが居る


 『どこが質素なんだよ!』とオサムは考えながらゆっくり歩いていった。


 儀礼用の甲冑を着た騎士が8人剣を掲げている。

 その中にクイードとタキトス、ハンビィにクリューズの顔が見えた。

 二人はその間を抜け、壇上へと上がり、司祭に一礼した。

 司祭は何かの書物を読み上げ本を閉じた。


 ハロルドが司祭にトレイを渡すと、そこに指輪があった。


 司祭はリムルの指輪をオサムに、オサムの指輪をリムルに渡し

 まずオサムがリムルの指に指輪をはめた。

 続いてリムルがオサムの指に指輪をはめた。


 そして、司祭はまた書物を開き呪文のような言葉を言うと全員が立ち上がり一斉に拍手が起こった。


 オサムはわけが分からず呆然としていると、クリューズ達が部屋から出て着替えて戻ってきた。


 すべての扉が開いたと思うと、一斉に食べ物と飲み物が大量に運ばれてくる。


 その時、伯爵がオサムとリムルに近づいてきて

 「すまぬな、このような質素な儀式になってしまって。」と言ったが


 『いやいやいやいや、質素じゃないでしょ?貴族居るじゃん?食い物すげーじゃん?』オサムは考えたが。


 「いえ、このような立派な儀式をありがとうございます」と言いながら。


 『じゃあ質素じゃない儀式ってどんなのなの?どこかの貴族とかも混ざるの?何百人になるの?何日続くの?』

 半パニック状態で居ると


 クリューズとロレーヌがやって来て

 「やっとだな、まぁこじんまりとした式だが、仕方ないんだこれが精一杯でな」とクリューズが言った。


 「立派ですよ!」とオサムとリムルが同時にハモった。

 その言葉にクリューズとロレーヌは腹を抱えて笑った。

 

 「二人同時に言うかよ、それ」と笑っていた。


 「さ、ここからは着替えて食事会だ。楽しくやれよ?二人共」と言ってロレーヌと消えてしまった。


 二人は城の侍女に連れ出され、それぞれ着替えさせられて大広間に戻された。


 「仕方ない、食うか、リムル」とオサムが言うと

 「そうですね、ご・・・旦那様」とリムルが返事をし、食事を皿に取って食べてみた。

 軽食程度だがこれはカッシュが作ったか教えたかだな?オサムのレシピの味だった。


 二人は楽しそうに食事をしている伯爵に近づき、再びお礼を言った。


 その時伯爵が

 「おい、オサム、あの黒い指輪外したのか?ステータスが見えているぞ?」と言った。


 オサムは右手を見て

 『手袋を外した時に一緒に外れたかも?左手につけてればよかった!』と慌ててさっきの部屋に戻って

 侍女に手袋と黒い指輪の事を言うと「探します」と言うので、一旦大広間に戻った。


 出来るだけ目立たないようにしたが、騎士の内の何人かが気づいたらしい。


 「おい、あれ、エリトール卿のステータス」という言葉が幾つか聞こえた。

 

 オサムは

 『勘弁してくれよぉ・・・』と思ったが、もう仕方がない。


 伯爵に近づいて

 「何人かの騎士が気付いたようです、もう隠せません。閣下の言葉でなんとかして頂けませんか?」

 と懇願した。


 伯爵は笑い

 「やはりな、気付かれてしまったか。こういうことは遅かれ早かれ知れ渡るものだ。

黒騎士の噂もすぐに広まったであろう?任せておけ。」と壇上にオサムを連れて行った。


 「皆の者!」とよく通る大声で

 「この我が筆頭騎士エリトールはロードナイトだ!伝説の中でしかその名を知る者はおらぬだろう!」

 続けて

 「世界広しといえど、エリトールに勝る騎士はおらぬ!我が領土、我が国の守護神となろう!」

 最後に

 「しかし!このことは他言無用!我が守護神の力は必要な時にのみ使われる!誰であろうと他者に漏らすことは許さぬ!」


 伯爵がそう言うとパチパチと拍手が起こり最後には大拍手となった。

 そして、怒号のようにエリトール様万歳の合唱が響いた。


 伯爵はオサムに

 「これでこの城以外には漏れぬ、安心して良いぞ」と言われた


 『安心なんてできねぇよ、もうこの人は・・・』とオサムは思いながらも伯爵に感謝していた。


 その後30分ほどして、城の侍女が指輪を持ってきてくれた。

 オサムはそれを右手の中指に嵌めようとしたが、きつかったのでビーツに頼むことにした。

 「すまぬな、大事な物だったので助かった」と、とりあえず右手の小指に嵌めた。

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