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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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48話 儀式の準備

 オサムは準備が整ったので伯爵のところに式の事を頼みに行くことにした。

 朝食の後、エリスに手伝わせ、”きちんとした格好”とやらに着替えた。


 絹の反物を3反持って、銀のリングも握り伯爵の城へ向かった。


 「エリトールだが、伯爵閣下にお会いしたい。」

 と言うと。


 執事が

 「エリトール様、取次ぎ致しますのでその間、奥の間でお待ち下さい。」

 と3階の一番奥の間に通された。


 「時間があればで構いませんので、お忙しいならまた出直すと伝えてください。」

 オサムはそんなに長話をするつもりはなかったので、しばらく紅茶を飲みながら待っていた。


 「エリトール様、執務室へどうぞ」

 と執事に連れられて伯爵の部屋へ入った。


 「閣下、お忙しいところ、ありがとうございます。」

 オサムがそう言うと


 「堅苦しい言葉は要らぬ、用件はわかっておる。侍女との祝福の儀式であろう?」

 伯爵にそう言われ

 「はい、やっと準備が整いましたので、近く儀式をお願いしたいと。」

 オサムは久しぶりに会う伯爵の前で少し緊張していた。


 伯爵はその様子を見て

 「まず座れ、先に先刻の戦の件、よくやった。礼を言われたわ。」

 伯爵は笑いながら

 「一騎駆けで400の軍勢を斬りさばいたらしいな、恐ろしい奴め」と言った。


 「で、儀式だが、今週の末でどうだ?早い方が良いのであろう?」

 と伯爵に訊かれ


 「出来れば早くに、と考えております。その前にお見せしたいものが」

 とオサムはバッグを確認し

 「机の上、よろしいでしょうか?」と立ち上がった。


 「なんだ?」と伯爵が楽しんでいるのが分かる。


 オサムは反物を出し

 「実は、またその・・・死にまして、向こうから持って参りました。」

 と絹の反物を3つ置いた。


 「これは生地か?」と訊かれ

 「はい、絹の反物です。」とオサムが答えると


 「絹!?絹と言ったか?」伯爵は驚いた。

 「よくもまあ私を驚かせるやつよ、この国では絹は金と同じ価値がある。」

 と伯爵に言われて


 『それ、なんか聞いたことがあるな、歴史だったか?』とオサムは考えた。


 「それなりに高価な品ですので3反しか有りませんが、お収め下さい。私の分は屋敷に置いています。」

 オサムが言うと


 「そうか、しかし絹とはな・・・またなんぞ礼をしよう。」と伯爵が言った


 「あと、これを儀式で使いたいのですが。鍛冶師に作らせました。」

 2つの指輪を机の上に置いた。

 

 「側室ゆえ銀にするしか無いな、そこはまぁ・・・」と伯爵が言葉を止めて

 「これは銀ではないな?何で作った?」


 「シルバードラゴンとゴールドドラゴンの角と鱗です」とオサムが答えると


 「魔法物品だな、付加スキルのドラゴンブレスはレベルが要らぬ、こんなものを作ったのか」

 伯爵は

 「オサムにはいつも驚かされる。風呂もこの城に作ったぞ?また見に来い。

しかし、国宝級の代物を侍女に渡すのか?」と訊かれ


 「侍女ゆえに正室として娶れませぬので、せめて最高の品をと思い毎夜戦いました。」

 オサムが言うと


 「それほどまでに想っていたか。まあよい、指にはめてしまえば誰にもわからぬしな。」

 「ん?シルバードラゴンとゴールドドラゴン?」と伯爵は言いオサムをじっと見た。


 「ロ、ロードナイト!レベル61!?オサムお主一体何をした!?」

 伯爵は今までで一番大きな声で驚いた。


 「少しばかり鍛錬をと思いまして。」とオサムが微笑むと


 「まったく・・・お前は。今この世界に居るロードナイトはお前だけかもしれんぞ?

過去に伝説を残しておる者はほとんどがドラグーンかロードナイトらしい。

お前もまた伝説を残す騎士となるか。なるであろうな。」伯爵は溜息をついた。


 「しかし伯爵閣下の筆頭騎士に変わりは有りません。」

 オサムはきっぱりと言い切った。


 伯爵は

 「わはははは!そうか!世界最強の騎士が我が筆頭騎士か!」

 そう言って大笑いした。

 「私は他の者の領土を求めて戦はせぬぞ?その力は何に使う?」

 伯爵は純粋にオサムに尋ねた。


 「閣下と領民全てを守るために。そのためだけに剣を振るいます」

 オサムは何の含みも持たせずに答えた。


 「そうか、お前のその優しさと誠実さは道を間違えさせぬだろう。」


 「わかった、週末に祝福の儀式を行う、城の大広間にて。質素にだがな、すまぬ。」

 と伯爵はオサムに詫びた。


 「いえ、城の大広間をお貸し頂けるのならリムルも喜びましょう。感謝致します。」

 

 そして伯爵は

 「当日の昼に城から迎えを出す。着替えも城で行う、そのつもりで待っておれ。」


 オサムは

 「はい、ありがとうございます。」と言って伯爵の部屋を出た。

 ドア越しにでも聞こえる伯爵の笑い声にオサムは嬉しさを覚えた。



 オサムは屋敷に戻りリムルを呼んだ。

 「今週の末に城の大広間で儀式を行うと言われた。それまでしばらく待とう。」

 オサムの言葉に

 

 「お城の大広間でですか!?私にそのような・・・」リムルが言い掛けたが


 「堂々とすればいいから、もうリムルは侍女じゃなくエリトール家の者になるんだからね。」

 オサムがリムルの手を握って言い聞かせた。


 「わかりました、それまでは侍女のリムルですが」

 と微笑んだ

 


 オサムはマジックバッグの中から探していた。

 「確か、あったはずなんだけどなぁ?黒い指輪・・・あった!」と取り出した。

 それを右手の指にはめて1階に降りた。


 「クイードかタキトスかハンビィは居ないか?」と呼ぶと

 

 クイードがやって来た。

 「何か御用でしょうか?二人は今外に出ております」

 

 「試したいことがあってな、今の俺のレベルが見えるか?」

 とクイードに訊いてみた。


 「えーと・・・あれ?何も見えません。」とクイードが言うと


 「そうか、それならよかった。」と右手の黒い指輪を見せた。

 「これはハイドステータスの指輪というもので、

自分よりレベルが低い相手に自分のステータスを見えなくさせるアイテムだ。」

 

 クイードは

 「そんなものがあるんですね、え?ではご主人様のステータスは誰にも見えなくなるということでは?」

 と言った


 「うん、恐らくこの国で一番レベルが高いのが俺だからな、これで困らずに済む。」

 とオサムは笑って楽しんだ。


 明日が儀式の日なのでクリューズやロレーヌ、他の騎士などに知られたくなかった。

 伯爵だけには理由を話して許可を取ろうと考えていたが。


 クイードと話をしていると、タキトスとハンビィが3人分の儀礼用の甲冑と剣を持って帰ってきた。


 「間に合ったか、ギリギリセーフだな」オサムがそう言ったが

 3人にはその言葉の意味がわからなかった。

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