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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
44/105

44話 終わりと始まりの中で

 オサムは目を覚ました。

 「わかっていても負けて死ぬってのは嫌なもんだな。」と愚痴り

 「カウンターに行くか」と起き上がった時、異様な景色に戸惑った。

 

 「え?また俺の部屋じゃね?」体を確認したが、甲冑も武器も何もかもない。

 「どういうことだ?」リジェネリターンのペンダントもない。


 あるのはあの最初の日から肌身離さず付けている不思議なペンダントだけだった。

 「日付は!?」と確認すると前のときと同じだ。


 『つまり、俺はまた死んで、こっちに送られた?』オサムは少し考え。


 「よし!」と着替えて外に出た。

 『また1ヶ月あるってことだな?向こうに戻れば恐らく換金所で目覚める。タイムラグはないはずだ』


 オサムはまず必要なものを購入するためにリストを作っていった。

 今回は向こうの世界で不便だと感じていた物も入れておこう

 ・防刃系装備と素材

 ・専門書

 ・筆記用具

 ・絹や綿の反物

 ・鏡を数種類

 ・その他必要そうなもの

 ウールばかりだったので綿や絹の服が欲しかった。筆記用具もある程度追加したい。

 専門書や防刃具も多いほうがいい。

   

 ということで、ネット書店やネットショップ、ネットオークション等を使ってかき集められるだけかき集めた。

 今回のバッグは丈夫なカーボンファイバー製のものにした。向こうでバラして素材にするのである。

 

 「しかし、こっちの世界では何もすることがねーなぁ。」

 と言いながら暫くの間品物が届くのを待っていた。


 久しぶりにジャンクフードでも食いに行くか。

 と考えて寝間着からシャツに着替えようとしたが、肩が入らない。

 Tシャツも余裕があったのにかなりピッタリとしている。


 「あれ?俺こんなに筋肉あったっけ?」と鏡で確認すると異常に鍛えられた体となっていた。

 

 『まぁ問題ないか、もう着ない服だしな。』と考えて諦めることにした。

 流石にジーンズが入らないと困るが、幸いそれはなかった。


 「あと3週間か、リムルに会いたいなぁ」ベッドに寝転びながら独り言を言った。


 「こっちの世界じゃ俺なんか誰も相手にしてくれないけど、帰ったら結婚だ」

 「ザマー見やがれ!リア充共!俺は王国一の騎士だ、黒騎士だー!」と言い


 「あ、そうだ」と思い出した。


 武器や甲冑のデザインの本も買っておこう。ゲーム関係ので良いよな。

 他には女性のファッション誌も少し買っておこう。


 オサムはバイクで中古書店や書店を回って10冊程度あまり邪魔にならない物を買った。

 「バイクって馬より揺れないな、違和感がある。」と走らせていた。

 

 まずは家に帰り、荷物を全て入れてしまおう。あとは待つだけで良い。


 今回もオサムは全財産をほぼ使い切った。食事代と飛行機代を抜くとほとんど残らないだろう。

 荷物が大きいので特別料金を割増で支払った。2席分の料金だ。


 

 また「その日」がやって来た。今回も同じ便に乗り「その時」を待っていた。


 「すみませんCAさん、食事と飲み物を頂けますか?と頼んで食べていた。

 食事が終わり大体の時間が着たので窓から外を見ていた。


 すると、またエンジンから煙が出てきて火を吹いた。


 慣れてしまっているオサムにとっては何の恐怖も感じない。

 向こうの世界に戻れるだけだ。



 気がつくとオサムは換金所のリターンゾーンに帰ってきていた。

 周りを見渡してトランクを見つけて手に取った。


 「よし、帰ってきた」とオサムはトランクを転がしながら換金所のカウンターへ行った。


 周囲から「黒騎士だ、エリトール様だ」と声が聞こえてくる。

 

 「換金してくれ」とザラザラゴトゴトとモンスター晶石をカウンターに出していった。

 冒険者達はザワザワと騒ぎ出した。

 オサムはそれを無視して「鑑定してくれ」と続けた。

 「ボスモンスターばかりですね・・・アレシャルの塔ですか?」と訊かれ

 「そんなところだ、100階層でグレートドラゴンにやられた」と答えた。

 

 カウンターの受付嬢が

 「ド、ドッペルゲンガー!?ハミアン?フフスト?ゴールドドラゴン?」

 と驚きながら調べていった。


 「合計で36万8300枚になります・・・」

 それを聞いていた冒険者たちが騒ぎ出した。


 オサムは「ち・・・うぜぇな」と呟き「今回は預かっていてくれ、多すぎる」と伝えた。

 そして軽々と旅行トランクを持ち、屋敷へ帰ることにした。



 屋敷に着き「帰ったよ」と一言だけ言うと

 ハロルドが

 「おかえりなさいませ、お館様」と迎えてくれた


 リムルも駆け寄ってきて

 「おかえりなさい、ご主人様、お待ち申し上げておりました」

 と笑顔で荷物を持とうとした。


 「こんなトランクお持ちでしたか?」とリムルに訊かれ

 「うん、ちょっとね」とオサムはごまかした。


 オサムは

 「それより早く部屋へ戻ろう。リムルに見せたい物がある」

 と言って階段を上がっていった。

 リムルはオサムの後を付いていき、先に回ってドアを開けてくれた。


 「んしょ・・・」とトランクを置き


 「実は、リジェネリターンの途中で前の世界に戻ってた。」とオサムは打ち明けた。

 リムルを含め極少数の者しか知らない秘密である。

 

 「そうでしたか、ではまたあちらのものを?」とリムルが言うので。


 オサムはトランクを開き

 「うん、今回はこれだけ、あと身につけられるものは身につけてきた」

 と鎧を脱いでいった。

 「そのトランクは寝室のクローゼットにそのまま入れておいてくれないか?開いたままで良い」

 リムルに言うと、運んでいった。

 

 「1週間以上ダンジョンで寝起きしたんで疲れてたけど、あっちで1ヶ月暮らしたからね」

 と笑い

 「リムルが居ないんで寂しかったよ。」と素直に言った。


 

 オサムは夕食を済ませ、風呂に入り、一息ついて持ってきた本をテーブルに並べて読んでいた。


 一通り目を通し、内容を把握して書斎の書棚に並べた。

 オサムは寝間着に着替えてリムルを呼んだ。

 「リムル、ちょっとこっちおいで」とトランクの場所に呼んだ。


 「はい、これが鏡ね、後は絹や綿の反物を沢山買ってきた。これで服を作らせよう。」

 とリムルに鏡と反物を渡した。

 「絹ですか!?伯爵様も持っておられませんよ?」と言われたので

 「うん、そうだね。だからいくつかは閣下に献上するつもりだよ。」と答えた。


 「で、この鏡はよく見えますね、嬉しいです」

 リムルは喜んだ。


 「他にも色々あるんだけど、また今度でいいよね?」オサムがリムルに言うと

 「はい、今はこれだけで十分です。いえ、ご主人様がお帰りになられただけで」

 リムルは嬉しそうに鏡を抱きしめた。

 

 「じゃそれをリムルの部屋に置いておいで?」とオサムは言い

 「ちょっとベッドのほうでゆっくりしたい。寝間着を持っておいでね?」と続けた。


 『そうだ、ロレーヌ様に買ってきたスイーツも早めに渡さないと』とオサムは考え

 リムルを呼んだ。

 「はい、なんでしょう?ご主人様」リムルは寝間着に着替えやって来た。


 「すまないが少しだけ子爵様の屋敷に行ってくる。」

 オサムはゴソゴソと防刃チョッキと防刃スリーブ、手袋と種類の違う菓子を3つ手にした。


 リムルは

 「わかりました、すぐお戻りに?」と訊かれ

 オサムはとりあえず失礼のない服装に着替え

 「じゃ行ってくる。すぐ戻るからこの部屋に居てね?」

 と言うと出ていった。


 歩いて1分も掛からない距離なのですぐに到着した

 「エリトールです」と言うと執事が扉を開けてくれた

 「いらっしゃいませ、エリトール様。子爵様に御用ですか?」

 と訊かれたが

 「いや、ロレーヌ様に、急で申し訳ない」と答えた

 執事は

 「わかりました、お呼びしてまいります。」そのままロレーヌの部屋へと向かったようだった。


 

 「オサムか、何か用か?」と部屋着で出てきた。


 「少し二人でよろしいですか?」と言うと

 「構わんが?ではその部屋で」と休憩室へ連れて入れられた。


 「実は、今日死にました。」オサムが単刀直入に言うと。

 ロレーヌは

 「ん?どういうことだ?」と言うので

 

 持ってきたものをテーブルに置き

 「こういうことです、前の世界に戻っていました」とオサムは説明した。


 「そういうことか、ではこれらはあの・・・菓子か?3つあるぞ?」

 とロレーヌは笑顔になった。

 「そうです。今回もお薦めのものを持ってきましたが、あとこれも。」と防刃ベスト等を見せた。


 ロレーヌはすぐに理解したようで

 「刃を通さぬ布か?」と言うので

 オサムは

 「そうです。伯爵閣下にお渡ししたものよりは軽量で防刃効果も少し低いですが」


 ロレーヌは

 「これは嬉しいな、いや、菓子ももちろん嬉しいが、戦に使える物は助かる」

 と行って装備していった。

 「うん、これは軽い、これで剣や矢を通さぬとは不思議な布だな。ありがたく頂戴する」


 「喜んで頂けて持ってきた甲斐がありました。では用はこれだけですので失礼いたします」

 とオサムが言うと

 「リムルという侍女がオサムの帰りを待っているのだな?」

 ロレーヌは微笑み、

 「正室の座はまだ空いているのだな。私はオサムが気に入っている、考えておいてくれ」

 と言われ


 『本気かな?この人?からかわれているようには思えないけど』オサムは少し考え

 「ありがとうございます。ゆっくりと考えさせていただきます。」

 心中複雑だったが、これほどの美女に好かれて気分が良かった。


 「そうだな、今日はもう時間も遅い、帰ってリムルを抱いておれ」

 ロレーヌは笑いながら扉を開け

 「冒険をしすぎるなよ、また随分と強くなっている。では近々また邪魔するのでそのときはよろしくな」

 と見送ってくれた。



 部屋に戻るとリムルが待っていた。

 オサムはすぐに寝間着に着替え、ベッドに倒れ込んだ。

 「おいで、リムル」と呼ぶと、リムルがベッドに入ってきた。

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