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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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42話 リムルの喜び

 オサムが屋敷に戻ると

 「おかえりなさいませ、お館様。風呂の用意は出来ております」

 ハロルドが待っていてくれた。


 「そうか、ありがとう。リムルは?」とオサムが訊くと


 「お館様の部屋の掃除をしております、お呼びしましょうか?」ハロルドは答えた。


 「いや、いい。一度部屋へ戻る。」そう言ってオサムは階段を上がっていった。


 「リムル?居るか?」と言うと「ご主人様、お帰りになられたのですね?」

 リムルが嬉しそうに近寄ってきた。


 「お掃除が終わったところです。お風呂になさいますか?」

 とリムルが言うと

 「そうだね、話したいことがあるから一緒に入ろう。」オサムが言うと


 「はい。ご一緒します。1週間の疲れを落として下さい」

 リムルは笑顔で返事をした。


 「じゃあ、用意頼めるかな?」そう言うと


 「もう用意してあります。」さあ行きましょうとばかりにオサムの手を引っ張っていった。


  

 「風呂に浸かるとやっぱり疲れが取れるな。リムル」

 そう言うと

 「私達も使わせていただいてますが、もう水浴びには戻れませんね。」

 リムルが答えた。


 「うん。それと話というのはな、リムル」少し黙って


 「リムル・デル・エリトールになる気は無いかな?返事は今じゃなくても良いよ。

立場があるので側室になってしまうけどね、侍女のままでは気を使ってしまう。」

 

 リムルは驚いて

 「そんな、私などを娶られるとエリトール様にご迷惑を掛けてしまいます。」と慌てた

 

 「もう伯爵閣下もクリューズもロレーヌ様も知っていることだし、そろそろ、ね?」

 オサムは一旦断られる覚悟はしていたが。


 「孤独だった私に光を与えて下さったのはご主人様、エリトール様でした。

私は侍女としてお近くに居られるだけで幸せでした。これ以上無いくらいです。

前にクリューズ様達とのお話でご主人様の言葉が嬉しかったのを覚えています。

でも、夢だと自分に言い聞かせておりました・・・そんな事があるのかと・・・

お仕え出来るだけで良かったのです。」リムルは泣いていた。


 「こんな、こんな幸せがあっても良いのでしょうか?エリトール様」


 泣きじゃくるリムルの肩を抱いて「じゃあ、良いんだね?」とオサムは確認した。


 「はい、はい・・・私などでよろしければ、生涯お仕え致します」


 「お仕えじゃないでしょ?一緒に居ますでしょ?」オサムが言うと


 「そうですね、申し訳ありません、泣いてる場合じゃないですよね」

 リムルはこぼれ落ちる涙を拭いながら笑顔を見せた。


 「挙式は出来ないけど、我慢してね?ドレスは用意するから」

 オサムが言うと


 「ドレスも要りません、誓いの祝福だけで十分です。身分不相応な扱いはご遠慮させて下さい」

 リムルは涙を浮かべているが、幸福な笑顔だった。


 オサムはそれだけで十分だと思った。リムルの幸せは自分の幸せだったのだから。



 そのことを伯爵に言うと「んー・・・オサムには家柄の良い令嬢を考えていたのだが」

 と言ったが「側室ならば良いだろう、司祭を呼んで祝福の儀式だけになるが。」


 「そのことは承知しております、リムルもドレスさえ要らぬと申しておりました。」

 「しかし、一生に一回のことなのでできるだけのことはしてやりたいと考えています。」


 「あいわかった、用意をしよう。オサムはこの世界の儀式を知らぬであろう?

全てクリューズと我が家の執事長に手配させる。エリトールの執事にも話は通す。

それで良いな?簡素な式典になるが構わぬな?


 「構いません、それでリムルが喜ぶのなら」オサムは質素な婚礼には文句はなかった。



 数日の後クリューズと兵達が帰ってきた。

 伯爵に報告後クリューズはエリトールの屋敷に乗り込んできた。


 自分の部屋で食事をしていたオサムが

 「おう、終わったのか?」と言うと

 

 「終ったも何もあるか、戦功第一の筆頭騎士がそそくさと帰りおって」

 と文句を言われた。


 「とは言え、ガーミング伯は感謝していたぞ。戦場で見ていたらしいが。

あの黒い騎士は誰だ、と問い詰められた。エリトールだと言っておいたので、

そのうち何らかの礼が届くだろう、覚悟しておけ」


 「なんの礼だよ、俺はムカついたんで斬りまくっただけだぜ?」

 オサムは自分には関係ないと言いたげだった。


 「敵の3割を斬り倒して飄々としている、そういうところだ。

お前は全く自分の価値をわかってない。宴席で”黒騎士”の名が出たが

ガーミング伯の騎士全員が恐怖で引きつっていたわ。」

 クリューズがそう言うと


 「ふーん、まぁ良いんじゃね?閣下の領地に入ってくる敵もいなくなるだろうし」

 オサムは適当に答えた。


 「お前は・・・」とクリューズが言いかけて、ふぅと息を吐いた

 「まぁ良い、元々欲のない奴だったな、お前の関心はリムルだけか」

 そうぼやいた。


 「そうだが?何か悪いか?」とオサムに言われクリューズは呆れてしまった。


 「では、報告は済ませたぞ、城に戻る」とクリューズは帰っていった。


 「ん、じゃあまたな~」とオサムは見送った。


 「さて、風呂に入るか。」食事が終わりリムルが食器を片付けている間に用意を済ませた。


 「リムル、風呂行こうよ」

 オサムは自分とリムルの寝間着、それにタオルを持っていた。


 「ご主人様、そのようなこと私に命じてくだされば」

 リムルはそう言ったが、既にニコニコしているオサムの顔を見て


 「すぐ片付けますので、少しの間だけお待ちを」

 と言い。


 「エリス、エリスは居ますか?」とエリスを呼び、片付けさせた。


 「ではご主人様、行きましょう」

 そう言ってオサムが持っている荷物を受け取り階段を降りていった。


 

 風呂上がり、ハロルドにクイード達の事を尋ねたが、

 「今頃は城外で鍛錬をなされているはずです。」と聞いて

 

 「そうか、あいつらもやる気になってるな。」と答えて自分の部屋へ戻った。



 次の朝、3人が帰ってきた。相当な修羅場をくぐって来たらしい、鎧や楯の傷がそれを物語っている。


 オサムは「クイード、タキトス、ハンビィ、こっちへ来い。」と言いレベルを見た


 クイード・ローレンダーク Lv51剣士

 タキトス・シュルツ Lv50剣士

 ハンビィ・ストワード Lv51剣士


 「ほう、全員レベル50を超えたか、疲れてないなら鎧を脱いで私の部屋に来い」

 と言われ、正直疲れていたが、3人はオサムの部屋にやって来た。


 「まぁ座れ」と3人に言いドアを開けて「リムルー?エリスー?紅茶を4つ持ってきてくれ」と頼んだ


 「作らせたがもう使わぬ剣があってな、全てLv50以上の剣士のもので私がデザインした」

 と5振りの剣を3人の前に並べた。

 黄泉の刀      Lv50アタック  150剣士

 グリュンスレイヤー Lv50アタック  155剣士

 ファイアエッジ   Lv50アタック  125剣士

 バーンスレイヤー  Lv50アタック  160剣士

 ブラッドエイツ   Lv50アタック  130剣士

 「ファイアエッジとブラッドエイツは片手剣、それ以外は両手剣だ」

 と言うと

 

 3人は1振りずつ手に取り鞘から抜いてじっと見ていった。


 出された紅茶にもほとんど手を付けずに3人が話しながら付加スキルや形状の話をしていた

 

 それを見ながらオサムは楽しげに紅茶を飲んでいた。

 「それで、気に入ったものはあるか?」オサムが3人に尋ねると

 

 クイードは「私は黄泉の刀かグリュンスレイヤーを」

 ハンビイは「ファイアエッジかブラッドエイツを、片手剣が良いです」

 タキトスは「バーンスレイヤーかグリュンスレイヤーです、付加スキルが私向きです」


 オサムは

 「では相談して決めよ。5本とも持って降りてかまわぬ。」と言うと


 3人は

 「はい、ありがとうございます。」と大事そうに抱えて出ていった。

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