39話 ボス
39話 ボス
冒険は終わったが「流石に7層目の奥に居るゴブリンキングを倒すのは無理だろう」
オサムはそう考えた。
「お前達にゴブリンナイト2匹を渡す、この部屋の入口で片付けておけ」
そう言うと、オサムは10体程のゴブリンナイトと巨大なゴブリンキングに斬り込んでいった
「そら、二匹そちらに送るぞ」と向かってくるゴブリンナイトを躱し、3人に向かわせた。
オサムは軽々とゴブリンナイトを倒しきり、ゴブリンキング1匹にした
「お前達は来るな、出口を守っておけ。晶石を拾うのも忘れるな」と指示し
ゴブリンキングの強烈な一撃をひらりと躱した。その一撃で部屋が揺れた。
オサムは揺らめくような剣撃でゴブリンキングを翻弄した。
「ダウンブレイク!」敵を一閃した。ゴブリンキングは地面に押し付けられ動きが遅くなった。
オサムはウィンドソードを連発して敵を切り刻んだ。
剣を振り上げ「闇の剣撃!」と唱えると宙に刃が飛んだ様に見え敵に大ダメージを与える。
実際は超高速でオサムが斬撃を放っていたのだ。
その後、敵は崩れ落ち、晶石とゴブリンキングの大鎚がドロップした。
「初めてだな、大鎚か。」オサムが淡々と呟いた。
グランパープルの革袋に晶石を入れ、ゴブリンキングの大槌はマジックバッグに入れた。
マジックバッグとはレアアイテムであるヴァレスの革で作られた中型のウエストバッグである。
ヴァレスは空間を操るモンスターで、自分の分身を作り攻撃してくる。
その能力を利用しているためバッグの中の空間はその大きさに比して非常に大きい。
高価なマジックアイテムであるため、持っているものは多くない。
「よし、今日はこのくらいで良いだろう。戦いを見る限り3人でならこの6階層まで降りても良い」
オサムは3人に言った
「しかし1人で来るなら3層目までだ。覚えておくように」
と3人に言うと
「わかりました」と答えた。
オサムはホーリーブレイドを抜き”エリアヒール”を使った。
1分ほどでHPが全回復し、エリアヒールは消えた。
帰り道は3人を前に押し立て戦わせながら洞窟を出た。
「屋敷に戻るが、フィールドモンスターは任せたぞ」
と、オサムは武器を仕舞い3人の後を歩き出した。
街に帰ってくると
「先に帰っていてくれ、晶石の換金は忘れないように」
そしてオサムはビーツの鍛冶屋へ向かった
「ビーツ!ちょっといいか」と呼び
奥から出てきたビーツに”ゴブリンキングの大槌を渡した
「俺のレイピアとロレーヌ様の剣に使ってくれ。」
そう言って店を出た。
オサムが歩いていると皆がこちらを見てヒソヒソと話している。
それは無視して換金所へと向かった。
「ゴブリンナイトとゴブリンキングの晶石ですね?銀貨1300枚になります」
と言われたので「換金してくれ」とオサムは答えた。
換金所に集まっている冒険者達が
「ゴブリンキングだってよ」
「さっきの3人じゃない本物だな」
「黒騎士だ、昼間から冒険しているところを初めて見た」
「すげぇ、初めて声を聞いた」等と言っているようだった
オサムは屋敷に戻り少し休むことにした。
屋敷に入るとハロルドが
「おかえりなさいませ、お館様」と迎えてくれた。
『やっぱ慣れないなぁこの扱いは。こないだまで使われる側だったし』
と考えたが、しようがない。こっちの世界のほうが楽しい。
「リムルー」
と呼ぶと、調理室から出てきた。
「えっとね、ちょっと疲れた」オサムがそう言うだけで
「わかりました、お部屋へ参りましょう」と階段を上がっていった。
オサムは自分の部屋へ戻り、リムルの手伝いで鎧を脱いだ。
そして寝間着に着替えベッドに寝転び
「リムル」と呼んだが、リムルはドアを開けてエリスを呼んだ
エリスが来ると
「今からご主人様が眠るから、ドアは開けないように、ハロルド様にも言って置いて」と伝えた
「リムルは賢いな、これでゆっくり出来る」オサムが言うと
「そうですか?私はご主人様と二人で居たいだけですよ。」と答えた
オサムは
「んー・・・」と言ってリムルを抱きしめ髪留めを外して頭を撫でた。
「落ち着くなぁ、リムル。俺本当はこうやってゴロゴロしてたいんだ」
オサムが言うと
「そんな方が毎晩毎晩危険なダンジョンに行きますか?」と笑った
「んとね、それは、クリューズに負けたくなかったからね」とオサムも笑った
リムルは
「そのために王国で一番強い騎士にですか?」
たくましくなったオサムの体を抱きしめ
「こんなに無茶なさって、しばらくは冒険をおやすみなさるんですよね?」
リムルが訊いてきたが
「あの3人が一人前になるまでは何度か付いて行くと思うけど、一人じゃ行かないよ?」
とリムルに答えた。
「今日わかったんだけど、俺の黒い装備は知られすぎてるみたいなんだよね、だから行かない。」
「もう良いかな?リムルも寝間着に着替えておいでよ。一緒に寝よう」
そう言ってリムルに着替えさせ、二人は眠った。




