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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
35/105

35話 更に強くもっと強く

 城の自分の部屋に戻りると、リムルは侍女服に着替えていた。

 

 「何か届いたか?」とリムルに訊くと


 「まだです。5時を過ぎれば届くと思います」とリムルは答えた。


 オサムは

 「じゃあさ、クローゼットは屋敷の方に運んでもらうって言うの頼める?リムルちゃん」

 そう言うと、リムルは頷いた


 「私が指示してもよろしいのでしたら、おまかせ下さい」

 と言い

 「お屋敷はもう出来上がったのですか?」と訊ねられた


 「そうだねぇ、あと1週間らしいよ、ほとんど完成しててあとは内装とか建具だけらしい。

リムルちゃんの部屋と俺の部屋はもう全部済ませてもらっているから問題ないよ」

 とオサムが言うと


 「では、私はお城の入り口で待つようにしておきます」

 リムルはそう言って部屋を出ていった。


 オサムは

 『従者よりレベルが低いのは困るな、示しがつかん。今日から本格的に鍛えよう』

 と決心した。


 しばらくすると武器と鎧が届いた。

 早速新しい鎧を装備し、腰に”夜叉の刀”を、背中にバスタードソードとフランベルジュを2本差した。


 そして伯爵から貰った地図を見て、行くべきところをノートに書き写し、ちぎって腰のポーチに入れた。

 用意はできた。

 あとはリムルに言って、モンスターを狩りに行くだけだ。

 

 今回の武器は全て両手用の武器のため、楯は持たずに出た。

 

 リムルを探して城を歩いていると、城の入口に立っていた。


 オサムの姿を見て

 「またこんな時間から城外に出られるのですか?エリトール様」

 と言われて


 「うん、早く本物の騎士になりたくてね。心配は要らないよ?

伯爵閣下から地図を頂いて、行ってはいけない場所は確認したからね」

 そう言ってリムルの心配を収めようとしたが、心配はするだろうな。


 「今日は帰ってこないかもしれないけど、でも心配しないでね?晩飯は要らないから」

 と言うとリムルは

 「必ず返ってくると約束して下さい。私はエリトール様が帰ってくるまで眠りません」

 

 オサムは

 「そこまでしなくても・・・でも分かった、必ず帰ってくるから待ってて?」

 抱きついてくるリムルの頭を撫でながらオサムはより強固に意志を新たにした。


 「じゃ、行ってくるね」と手を上げながら城門へと向かった。



 まずはじめにオサムはバスタードソードでゴブリンを薙ぎ払い続けた。

 回復薬が十分集まったところで、フラッシュライトとメモを取り出し、幽閉の森という場所に行くことにした。

 

 初めて来る場所なので用心していたが、現れたのはゴブリンやホブゴブリンだった。

 既に一撃二撃で倒せるようになっていたので、より強いモンスターを探した。


 このマップではダイアウルフを始めグレートベアやアークコーン等の獣

 ゴブリン、コボルド、トロルやオーク、オーガ、メレジャイアントやその亜種

 カオスビースト、スケルム、ドーンサバイア等の今のオサムには手強い相手が出る。


 オサムはこれはゲームじゃないんだ。とリムルの顔を思い浮かべて、傷だらけになりながら戦った

 深夜になっても一息付ける場所でパンを水で流し込み戦い続けた。


 流石にレベルが上がりにくいが、戦い慣れすることに意味がある。

 この先ダンジョンに入ることもあるだろう、とにかくクリューズを目標に

 狂戦士のようにモンスターをなぎ倒していった。


 息が上がることはあっても疲れは感じない、いや感じにくくなっている。

 ポーションやハイポーションを幾ら飲んだのだろうか、もうわからなくなっていた。

 それに応じてレベルも上がってゆき、バスタードソードを収めフランベルジュを扱っていた。


 深夜を回りオサムのレベルは30に達しようとしていた。

 「もう少しか。」左腰に差した”夜叉の刀”をちらりと見て、「コイツが使えるまでは」

 そう言って鬼神の如く戦った。


 夜が明ける前にはオサムの手には”夜叉の刀”が握られていた。

 付加スキルである”闇の剣撃”や職業スキルであるウィンドソードを使いこなし

 フィールドを変え、より強いモンスターと対峙し、そして夜が明けた。


 オサムはゆっくりと歩きながら城へと戻っていき、途中に現れるモンスターもほぼ一撃で倒した。


 朝になり、オサムが城へ戻り自分の部屋へ帰ると、リムルは起きていた。


 「エリトール様!」と立ち上がり抱きついてきた。

 オサムはリムルの頭を撫でて「流石に疲れたよ・・・」と言うと背中の武器を投げ出し椅子にもたれて座った。


 リムルはオサムの鎧を脱がせ、体の汚れを拭き取ってくれた。

 自由になれた気分になってゆったりと出来た。

 オサムは

 「そうだ、リムルの部屋気に入ってくれたかな?俺の隣にしたんだけど。」


 リムルは頷き、そして話しだした

 「エリトール様、私のような者にあのような立派な部屋よろしいのでしょうか?

それに私の部屋だけが2階のエリトール様の隣でした。嬉しいのですが・・・」


 「リムルが嬉しいのならそれでいいよ、俺はリムルが好きなんだ、近くに居て欲しい」

 疲れのためかそっけない言い方だったが、オサムは本心から言った。


 「あと、朝食を食べたら俺少し眠るから、また添い寝してくれるかな?

リムルが居ると安心して眠れるんだ、俺。リムルも寝てないよね、一緒に寝よう」


 リムルはオサムの言葉で押さえていた感情が溢れ泣きそうになった。

 「エリトール様の横で眠れるなら、私も眠ります」


 少し深呼吸して

 「やっぱり夜通し戦うと疲れるね、えーとレベルは・・・」とステータスを見ると

 Lv38剣士、HP793となっていた。


 『これで従者にも主人顔が出来るな、けどもう少し突き放しておこう。』

 とオサムは考えた。


 もっと強く、もっと強く、頂点まで。この国に名前が轟くまでやる。

 オサムは強くなることで伯爵の恩に応えられると信じていた。

 クリューズも超えてやる。


 その日からオサムの激しい戦いの日々が始まった

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