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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
24/105

24話 武器とマニア心

 日中何もすることのないオサムはヒマを持て余していた。持ってきたものの内自分用のものを並べていた。

 防刃の手袋、スリーブ、ベスト。いずれも薄手のものだがナイフでも切れない。

 全て装備してみた。

 本が少し。これはおいおい読むことにしよう。余ったアクセサリ、はまだ要らない。


 とやっている時にドアがノックされ、いきなり扉が開きクリューズが入ってきた。

 「ヒマをしているだろう?まずは閣下から預かった物を持ってきた。」

 と、甲冑をガラガラと引いてきた。


 「どうだ?エリトール家の紋章が入った甲冑だ、城の騎士の物を打ち直ししたものだが着てみるか?サイズはオサムに合わせている。」

 とえらく重装で豪奢な甲冑を見せられた。


 『一体何キロ有るんだぁ?これに剣と楯か・・・力仕事苦手なのに』

 オサムがぼーっと鎧を見て考えていた。


 「あ、そうか、剣と楯を発注しに行こう!クリューズ卿」

 オサムは自然な誘いで巻き込もうとした。

 「あと、こちらに来てくれるか?」ノートを広げクリューズに見せた。


 「クリューズがそれを見ると、これは文字なのか?ん?何となく読めるぞ?」


 「え?言葉は通じるのに文字は違うのか?考えてみれば当たり前か」

 オサムはそう言い


 「今相関図を作成しているところで、まずここが伯爵で、ちょっと手伝ってくれ」


 整理すると

 最上位がルーハン・フルグリフ伯爵

 辺境伯と言われる前線に領地を持つ伯爵で、侯爵と同等の爵位とされる

 そして、シュルツ・マンセル子爵。伯爵の実弟で王から領地を与えられた宮廷貴族。

 レイン・フルグリフ伯爵弟。伯爵の腹違いの末弟で成人後に爵位を与えられる予定。

 ローラシア・マンセル子爵令嬢。マンセル子爵の長女で別の貴族と結婚予定

 ロレーヌ・マンセル子爵令嬢。騎士位を持つマンセル子爵の次女

 

 というところまでクリューズに説明した。「合っているか?」


 「そうだな、合っている。で?伯爵閣下の家臣の序列か?」に「そうだ」とオサムは答えた。


 「では、教えるので書き留めていってくれ。

 まずは、知らないだろうが、閣下にはご子息とご息女がおられる。

 齢はまだ10歳と7歳だが、いずれ会うことになるだろう。

 そして騎士ではアキバ・オサム・エリトール。筆頭騎士であり伯爵家の分家で名門だ。

 この私、ペイトン・クリューズ、騎士であり将軍、軍師を兼ねている。 

 そして、ガストン・レンデルフ、騎士であり副将、軍師でもある。

 テッセン・トマフ、ハーム・トラウド、カイン・ヨウレンデルの3名は閣下の弟君の騎士だ。

 主なところではこれで良いと思うが。城内外には100名以上の騎士が居る。」

 

 「気がついたと思うが、伯爵家と子爵家以外ではエリトール家が最上位となる、本来はこのような言葉遣いは貴族と同列のエリトール家当主様相手には無礼なのだが、オサムと私の仲ということで許してくれ。どうもしっくり来ないんだ、エリトール卿と呼ぶのはな。」


 「じゃあ俺はクリューズと呼んで良いのか?いや、ペイトンになるか?」


 「どちらでも、呼びやすい方で」

 クリューズはやはり安心出来る話し相手だ。はじめに関わっていて良かった、とオサムは思った。


 「魔法団の扱いは?あとガースのような事務官は?」オサムが尋ねると


 「魔法団は殆どが庶民出身だ、貴族や騎士は殆どが剣士だからな。一部魔法が使える者も居るが。

 あと、ガースのような庶民出身の文官は大勢居る、執事長や馬車長等で名を覚える必要はない。

 覚えたければ覚えれば良い、という程度だ。」


 「で?他に用は?あるのだろう?」

 クリューズの洞察力は鋭い


 「そうなんだ、俺の武器と楯に他の装備を早目に買っておこうと思ってね、けど街のことも全くわからんし、困ったもんなんだよなぁ」

 オサムはクリューズに頼むつもりではなかったが、場所を知りたかった。


 「そうだなぁ、まずエリトール家当主に相応しい服を20着程。これは洋裁店の者を呼びつければ問題無い。

次に武器と楯だが、まずは街の武器屋に行こうか。少し待っていてくれ、用意してくる。」


 30分ほどしてクリューズが戻ってきた。

 『まさに貴族という格好だな、そこまで装飾が必要か?ってくらいだぜ、こいつ』

 「今日案内してくれるのか?それなら助かる。」

 オサムはそれだけ言った。

 

 「んじゃ、早いほうがいいな、今からでいいか?」とクリューズに訊くと


 「そうだな、買うか作るか決めに行こうか」

 クリューズは懐から革袋を出し「これだけあれば十分だろう。あ、帯剣を忘れるなよ?」

 と言い、街へと向かった。



 街に降りてしばらく歩くと武器屋に到着した。

 「とりあえずここで武器の種類を確認しよう、その後隣の鍛冶屋に発注すれば良い」


 オサムが店内を見渡すと、剣と言っても色んな種類が有った。

 『レイピア、ロングソード、クレイモア、マインゴーシュ・・・全部欲しい!』

 となってしまった。


 「戦場で使うロングソードやバスタードソード、街の中で持ち歩くレイピアやサーベルが必要だな。」

 クリューズは説明を始めた。


 「今持っているソードは街中では無骨過ぎるので街中で佩刀出来る軽さの剣が必要だな。

 それと、戦場や冒険時に使う大型の剣、これは楯を持つかどうかで変わってくるが何振か必要だ。

 楯もエリトール家となるとそれ相応の装飾を入れねばならんので注文となるな。」


 クリューズの説明を半分聞き流しながらオサムは店内をくまなく見ていた。


 『銀貨30万枚有るんだし、少し位贅沢してもいいよな、うん、するべきだ。』

 じっとりと剣を見たり手にしているオサムに

 「聞いているのか?」

 クリューズがオサムを現実に引き戻した。


 オサムは

 「決めた、このサーベルとレイピア、それにブロードソードを買う。他の戦闘用のソードは特注で俺がデザインして発注だ。」

 オサムの持っている2本の剣は豪奢な作りとなっていた。ブロードソードは無骨だが。

 

 クリューズは

 「その3本なら問題ないな、後で城に届けさせよう。で、楯はどうする?」と訊いてきたので


 「楯はこの長目のカイトシールドに紋章や装飾を入れてもらう。鍛冶屋で頼めるな?

他は、ここには無いがソードストッパーを作ってもらって、兜や鎧も特注にする。

サーベルとレイピアも今はこれを買うが、俺がデザインする。」

 オサムの目はキラキラ輝いていた。待ちきれないという感じだ。


 「街を歩くための装備も作ってもらおう。次は何が必要だ?」

 クリューズに訊くと


 「いや、それくらいで良いだろう。城に戻るとするか。街の案内はまた違う日に」

 クリューズは答えた。


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