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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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23話 朝の出来事

 この世界に来て数日だが、人生が一変した日々である

 これは夢か?と毎朝思うが、どうやら違うらしい。

 朝起きて、さて何をしようか、と考えていた時に扉がノックされた。


 「どうぞー」と言うと

 「おはようございます、エリトール様」

 リムルが入ってきた。


 「あれ?もうそんな時間?」と時計を見ると朝の9時であった。

 

 「朝食ですが、伯爵閣下がお呼びです。」


 『えー?朝から伯爵と会うの?と言うか多分長ーいテーブルのアレだな』

 画面でしか見たことが無かったので少し興味を持つオサムが居た。



 「時間前だが呼んでしまい、すまぬ。私も色々と時間が無いのでな」

 伯爵は言うが、恐らく屋敷の件だろう。


 「実はな、屋敷を建ててそこに住んでもらおうと考えている。筆頭騎士となるオサムには相応の住居が必要でな。あとは礼金と言えば良いものか、銀貨30万枚と領地を与える。」

 オサムはそこまでは聞いていた。

 「他に必要な物はあるか?」と訊かれ

 

 待ってました!とばかりに

 「今、専属のリムル・シャッセと言う侍女ですが、住み込みの侍女としたいのですが。

他には何が必要かはわかりませんが、自分で揃えようと考えております。」


 『騎士と言うからには馬と甲冑、剣や楯とか色々必要なんだろうな一体幾らになるんだろう?』

 とオサムが考えている時に


 「馬と甲冑は与えるので武器やその他の防具を鍛冶師に発注すると良い。」

 伯爵にそう言われ


 「ありがとうございます、ではあとはクリューズ様の連絡先と街の地図をいただければ」

 一番頼れる人間は今のところクリューズである。


 「クリューズならもうすぐ来るだろう。マンセル子爵これは我が弟だが、ロレーヌとレインも来る、他にも名は知らぬだろうが、城付きの騎士も集まる。この際覚えておけば良いぞ」

 と言われ


 「あ、では一度部屋に戻って書くものを取ってきても良いでしょうか?」

 ノートとボールペンを取ってこよう。


 「うむ、かまわんよ、伝えるべきことは伝えた。」

 伯爵に一礼し


 「では」と自分の部屋に戻りリュックを取り出しノートとボールペン、鉛筆それと万年筆も持っていくことにした。


 オサムが戻ったときには全員が揃っていた。給仕の最中である。


 『良いのかなぁこの中を歩いて伯爵のところに行って筆記具を渡したいんだけど、やっぱ食事後にしようっと』と考えて自分の席に座った。

 

 見たところ20人が席に座り、それぞれに侍女が付いている。


 「あ!」と気付きオサムは自分の後ろを見た。

 そこにはやはりリムルが居た。そして次はクリューズを探した。


 『この席順って何なんだろう?伯爵が真正面?その両横はレインと恐らくマンセル子爵だろう。

マンセル子爵の娘と思われる長女と、その横にロレーヌが居るな。他は城付きの騎士達か』

 オサムが見回しているとクリューズはレインの横に居た。その横にはレインと共に救出した3人の騎士が見える。


 「では、昨日の夜会で会っておらぬ者も居よう、彼がアキバ・オサム・エリトールだ。腕はまだまだだが、不思議な物を持っておってな、私の命をその体を盾にして守った者でも有る。皆仲良うせよ」伯爵の口上が終わり

 

 「では、食事にしよう」と食べ始めた。



 静かに食事が終わり、皆が席を立った後オサムはまずクリューズに声を掛け、伯爵の下へと近寄った。


 「あの、閣下、ダンジョンで地図を書記していたガースさんですか?羽ペンを使っていたようなのでこれを渡したくて」

 万年筆と鉛筆を出した。


 「ほう?これは?」と訊かれ「万年筆と鉛筆といいます。こちらが万年筆で、この木の棒が鉛筆と言ってどちらも筆記具です。使い方を教えたいのですが・・・」と答えた。


 「ふむふむ」とクリューズがうなづき、廊下に出て

 「誰か、ガース書記官を連れてまいれ」と言った。


 しばらくしてガース書記官が来たが、急いでいたのか肩で息をしていた。

 「閣下、お呼びでしょうか?」息を整えながら言うと


 「うむ、エリトール卿がなにやらお主に渡したいものがあるそうだ、仔細はエリトール卿に聞くが良い」伯爵が言うと。


 「何かの書記かと思い一式持って参りましたが」と言うと

 「丁度良かった、インクはありますか?」とオサムが尋ねた。

 

 「この万年筆をしばらくインクにつけておくと・・・インクを吸い取りいちいちペンにインクを付ける必要がなくなります。あと、この鉛筆ですが」と言いかけて


 「しまった、ナイフがない」と言うと「ん」とクリューズが短刀を差し出した。

 

 「クリューズさん、ありがとう。この棒をこうやって削ると芯が出てきます。そしてこの紙に・・・」クルクルっと書き


 「20本程持ってきましたので使って下さい。」と渡した。


 ガースは「これは有り難いです、インクを出しておく必要がなくなります。」


 「オサムよ、良いのか?これも高価なものであろう?」と伯爵が聞いてきたが

 「これは大したものではありません」と答えた


 『また合わせて1万円とか言うと困ったことになるしな』と考えて金額は言わなかった。


 「ではガースさん、これを使って下さい」と万年筆と鉛筆を全て渡した。

 「感謝いたします、エリトール卿」と言われ、ガースが喜んでいるのがわかり嬉しかった。


 「しかしオサムは不思議なものを持っておるのう、どこにもない宝物ばかりようも持っているものだ」伯爵は感心した。


 「あ、そろそろ昼になりますね」とオサムは懐中時計を見ながら言った。


 「そうそう、このトケイとやら、便利だのう。日を見ずとも時間がわかる。」

 伯爵が微笑んで腕時計と懐中時計を出した。


 「そうですね閣下、これは非常に便利です。」

 クリューズも誇らしげに懐中時計を出した。


 「クリューズもオサムにもらっておったか、さすが我が軍師よ、欲しいものは手に入れる」

 伯爵が笑いながら言った



 その時、城の外からドスンと大きな音がした。


 

 「あの音は?」と伯爵に聞くと

 「ああ、あれはオサムの屋敷を作っておる。街にある屋敷を移動させるので一月程で完成するだろう。」


 「あの、そんなに大きな屋敷は要らないのですが・・・」とオサムが言うと


 「我が伯爵家の筆頭騎士の屋敷をつまらぬ小屋にするわけにはいかん、それにオサムよ、騎士となれば従者も付けねばならぬぞ?エリトールの名を継いだからには3名は必要だ。まぁそれはクリューズにまかせておけばよかろう、あとは侍女や召使いだがそれもクリューズに」伯爵にそう言われた時に


 「そう言えば、先程のお願いですが。俺についている侍女のリムル・シャッセを今からでも専属として雇いたいのですが」と言うと


 「そんなに気に入ったか?良かろう、城の部屋で居るときも形式上だがお主が雇い主となれ、屋敷が出来ればお主の侍女として移そう」と言ってくれた



 『よっしゃああ!リムルゲットだぜ!』とガッツポーズをしたら


 

 「袖周りがきついのか?」と伯爵にも言われてしまった。

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