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終わったならまた始めればいいじゃないか  作者: 朝倉新五郎
最強を目指して
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16話 強敵?

 「ガースよ、今は何層目になる?」クリューズが訊くと

 「あの大広間から数えて7層目に当たります、そろそろ強力な敵が現れそうですね。恐らく地下部分に入ったところでしょう。」ガースは答えた。


 一同が出た広間は最初の倍は有るだろうか。


 早速ガースが重装兵と弓兵、魔法士を数人連れて広間の四方を図りだした。


 帰ってくるとガースは伯爵に

 「やはり80メルト四方です、地下部分と考えて間違いないでしょう。」

 と報告した。


 伯爵は

 「地下か、皆気を引き締めてかかるぞ。負けはせんだろうがな」と言った。


 ダンジョンに入って既に3時間程度が過ぎていた。

 かなり遅いペースで慎重に進んでいるので仕方のないことなのだが。


 クリューズが1部隊を連れて足跡を探していた。すると

 「閣下、キャンプらしき跡がありました。火をおこしています。」そう報告してきた。


 オサムが見渡すと、上り階段が2つと下り階段が3つ見えた。


 「降りる階段のすぐ近くです。おそらくはそれを降りていったかと。」

 クリューズが伯爵に言った


 「ではそれを降りるか」伯爵が決めた。



 更に3層、かなり入り組んだ迷宮になっていた


 進んでいくと同じ場所に出ることが多くなってきたのだ。

 前衛は入れ替わりながら戦っているため疲労している様子はない。

 もちろん伯爵の護衛隊と後衛もほぼ歩いているだけである。

 

 更に迷いながら4層を降りるとまた広間に出た。


 その時である。

 「何かいるぞ!戦闘隊形!魔法士は全領域を照らせ!エターナルライトだ!」

 前衛隊長らしき屈強な戦士が巨大な斧を構えた。


 「スケルトン20体以上、グールもいるぞ!あれは・・・

リッチーとレイスだ!エナジードレインに気をつけろ!

神聖魔法士リッチーとレイスを集中攻撃!閣下に近づけるな!」

 と言った瞬間周囲で何やら詩のようなものが唱えられ光の球体や稲妻のような物がモンスター目掛けて飛んでいった。


 『すげぇすげぇすげぇすげぇ!本物のモンスターだ!』オサムはワクワクしてしまった。


 「神聖魔法連続攻撃、他は戦士が引き受ける!」


 部屋中にフラッシュが光ったかのように明滅した。


 「よし、リッチーとレイス殲滅確認、スケルトンとグールを片付けろ!」

 前衛の隊長はかなりの手練のように思えた。


 時間にして1分も無かったが、オサムにとっては長く感じられた。


 クリューズは

 「ここでレイスとリッチーが同時に出るとなると、これより下層はかなり危険です。急ぎましょう」

 緑や青、赤に光る石を集めながら

 「ガース、この広間の広さは?」クリューズが言うと

 「東西が120メルト、南北は70メルト、北側に部屋らしきものが並んでいます。」

 相変わらず正確にマッピングしていた。

 

 「閣下、恐らくレイン様はここで襲われたのではないでしょうか?荷物が見当たりませんので乗り切ったと考えられますが。」

 クリューズの言葉に「そうかも知れぬな、流石に今のモンスターは数が多かった。倒しきれずに降りたな?」と答えた。


 前衛の斥候が

 「閣下、この部屋にポーチが落ちています。下に降りる階段があります。」と告げてきた。


 「そうか、ではその階段を下ろう。」伯爵が答えると

 前衛隊長を筆頭にゆっくりと全隊が降りていった。


 今回の階段はかなり長い。たっぷりと3層分は有るのではないだろうか。


 「マズいですね、最下層に出るかもしれません」クリューズが言うと

 「この人数なら問題無い」ロレーヌが口を挟んだ。


 『ダンジョンボスが出るのか?スケルトンドラゴンとか言ってたな』オサムは口を閉じて気を引き締めた。


 階段の先を見るとかなり明るくなっている。



 前衛から斥候が伯爵に走り寄ってきた

 「レイン様発見しました!レイン様含め3名が負傷しています!」


 全隊が降りきると、そこは最初の部屋程度の広さだった。

 魔法ではなく部屋自体が明るい。


 「治癒魔法士!全員で治療せよ!」クリューズが指示をすると、数人がぐったりとしている騎士らしき者に近づき一斉に治癒魔法を発した。



 「閣下!」と無事らしき魔法士と騎士が駆け寄ってきた。


 「申し訳ありません閣下、この上層でリッチーとレイスに襲われ治癒魔法士が負傷してしまい、レイン様とトマフが殿を務めこのような事態になり動けなくなってしまいました。」騎士らしき者が言うと


 「良い、ご苦労であった。この部隊であれば帰りも楽であろう。」伯爵が言うと


 「トラウド、一生の不覚です。レイン様に殿を務めてもらうなど・・・」


 「良いと申しておろう、お主達は生きて居った、それで良い」伯爵が安堵している様子だった。


 「はっ!」とトラウドと言う騎士が膝をつき、頭を下げた。よく見ると甲冑が傷だらけになっている、相当激しい戦闘だったのが見て取れた。


 『こんな強そうな人達でも無理って、あぶねーダンジョンだなここ』オサムは思った。

 

 「ある程度治癒が出来ればこのダンジョンを出る。」クリューズが言った。



 相当深くまで来たので帰りも時間がかかるだろうことはわかっていた。しかし考えていたより早く見つけられたのは幸いだ。


 「未踏のダンジョン故に足跡が残りやすかったのが捜索を楽にしたな」クリューズが安堵しているようだった。

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