第3話 リムルとの出会い
伯爵の執務室でクリューズとレンデルフと呼ばれた2人の騎士が巨大な剣を持とうとしてたが、
二人でも持てないようだったのでオサムが片手で背中に装備した。
そして4人は伯爵の後について庭に出た。
そこにはかなりの数の木が生えていた。庭木というより森だ。
「先程の剣は?」オサムが伯爵に言われ
「あ、はい。」とバッグから取り出した、一緒に最初の剣と短剣も取り出して芝生の上に置いた。
「まずは店で買ったという剣でこの木を1本切ってみよ」と言われたのでオサムは右手で剣を持ち木を切った。
軽く振ったがかなり切れ味が良かった。
その時、伯爵は芝生の上に置かれた剣と短剣を見た。
「何だこの剣は!?」と驚かれたがオサムには未だにわからない。
「では次にこの芝生の上の剣で思い切り切ってみよ。」
そう言われたのでオサムは拾い上げ右手で力を込めて振った。
一瞬何も起きなかったが、次の瞬間に数十本の木が音を立てて切り倒された。
伯爵をはじめオサム以外の4人は唖然としていた。
「インペリアルセイヴァー、本物なのか?」伯爵が言うことをオサムは理解できずに居た。
「すみません、なんのことでしょうか?」オサムが言うと
「何か他に守護者様から渡されたものはないか?」伯爵が慌てて訊いてきた。
「えーと」オサムは左手の籠手を外し
「これを付けられました、外せません。確かハイドステータスの腕輪?エンフォーセ?そういう事を聞きました」
「なるほど、そういうことか。しかし何故こんな辺鄙な場所に、王都で良いものを」
伯爵は考えているようだった。
「よし、ではアキバ・オサムだったか、我が城の騎士として迎えよう。」
「しかし、この強さでは筆頭騎士とせねばならぬな、守護者様の推薦でもあるし」
「クリューズ、良いか?」伯爵は横の騎士に尋ねた。
「私も目を疑いましたが本物のようですね、近々アレシャルの塔に連れてゆきます。」
クリューズという騎士が答えた。
「エリトール家を継がせるしかないか」伯爵はまたオサムのわからない事を言った。
庭の木を切り倒させられた2日後、アレシャルの塔と言う場所へ行く事となった。
オサムは「どういう場所なんですか?」とクリューズに訊いた。
クリューズは
「我が国で最強と言われているダンジョンだ、ボスばかりが生息する、並の騎士では30階層までも行けぬ。」
オサムは「ダンジョン」と言う言葉を聞いただけで胸が高鳴った。
「ダンジョン!ダンジョンですか!?モンスターが?」オサムの声は嬉しそうだった。
クリューズは
「並の騎士では攻略は無理だと言っているだろうが、お前の強さを見る」と言って黙ってしまった。
アレシャルの塔にはオサム以外にクリューズとロレーヌという騎士の他にも18人が来ていた。
「10名は残って馬を見ておけ、塔の中で良い。私と残り9名はアキバ・オサムと同行だ。」
そしてオサムにも
「全てのモンスターはお前一人で倒せ、いいな?無理だと思えば階段を上がれ」
クリューズはそう言ったがオサムは楽しみで仕方がなかった。
「ではまず1階層から」とオサムを先頭にして階段を降りた。そこにはモンスターが居た。
「えーと、ゴブリンナイト?HP500?ステータスが見える」オサムは背中の大剣を抜いた。
「やってみろ、我等でも簡単に倒せる相手だ。下層に行くほど難しくなる。」クリューズは言った。
『だんだん強くなって行くってことか、下に降りるほど』オサムは思ったが、体が先に動いた。
気が付いたときにはゴブリンナイトを一撃で叩き斬っていた。
「あれ?なんか慣れてる気がする」しかしオサムは気にしないことにした。
10階層までのゴブリンナイト、レイス、ハーピー、リザードナイト、ミルジャイアント、
リッチー、ユニコーン、ゴブリンキング、オーガナイトは一撃だった。
20階層までのヒドラ、ワイバーン、ダークエンジェル、オーガキング、スペクター、
リザードキング、イビルデーモン、ケンタウロスも一撃だった。
30階層までのミノタウロス、メデゥーサ、ゴーレム、ペガサス、グレイトジャイアント、
ホルドック、ストーンデビル、ダークオネス、ブラッドハウンドキング、
そして30階層の主ブラスドラゴンも一撃で倒した。
その後もドラゴンスパイダー、タートルドラゴン、フェニックス、シャッター、
ナイトウォーカー、マンティコア、40階層の主ブルードラゴンも一撃で倒した。
同行する10人の騎士は呆気に取られていた。あまりにも強すぎる、戦い慣れしすぎている。
モルゴン、ウォッチバンパイア、ヴァレス、ラーミア、マインドブレイカー、ダークオネス
そして50階層のレッドドラゴンですらも。
デモン、クシャナ、ヒュージワイバーン、ヒュージゴーレム、シールドガーディアン
60階層の主クリスタルドラゴンも一撃だった。
ゴォス、ヒュッケバーン、ミラージュシャドウ、シールドドラゴン、ナーガ、クラウラー
70階層のブラックドラゴン。
ここまで来ると騎士10人と魔法士数人のパーティーでも全滅する可能性がある。
ビヒーア、シャドウフラクター、クアンラン、メディドゥ、80階層の主シルバードラゴン。
見たものはほとんど居ないだろう。
オルロヤルビィ、ユースプリズム、シアク、クラードデビル、90階層のゴールドドラゴン。
伝説級のモンスターだ。
グレートデーモン、ウィルドチャンク、フフスト、ハミアン、ドッペルゲンガー
そして、100階層のグレートドラゴン。
全てを倒しきるまでに3時間も掛けなかった。全てを一振りで倒してしまった。
オサムは途中から楽しんでいるようだった、それを見ていた騎士達は恐怖していた。
「これだけ?もっと強い敵とかは居ないのかな?」
オサムは少し物足りなかったが、ワープポータルで地上に戻された。
「これでわかった。お前は間違いなく聖騎士だ」クリューズが言った。
「聖騎士?」オサムが訊くと「歴史上にも登場したことのない最強の騎士だ」
そしてクリューズが
「これらがモンスター晶石とレアアイテムだ。全員で集めた。お前のものだ、後で渡す」
と言って「帰るぞ!」と続けた。
オサムはわけが分からず帰路についた。
そして城に戻る途中で「換金所」と呼ばれる建物に連れて行かれた。
晶石を全て渡され、騎士達が見ている中
「アキバ・オサム様ですね。あれ?グランパープル聖国で登録されてますね」
「晶石全てでえーと・・・銀貨40万5000枚です」と驚かれた。
クリューズ達も驚いていた。
「全額引き出されますか?預かっておきますか?」と尋ねられ
オサムは
「ここって銀行みたいに今持ってる金貨や銀貨も預けられるのかな?」
と訊くと
「金貨と銀貨のみ取り扱っております、お手持ちの物をお預かりすることも出来ます」
「ただ、白銅貨、青銅貨や黄銅貸は受付できません」
受付の女性がそう言うので「じゃあ今度手持ち分も預けに来るからおねがいします」
オサムが言うと
「分かりました、ではお預かり致します」と言われたのでオサムはクリューズの所へ戻った。
レアアイテムはウエストバッグに全て入れた。
「40万枚とはな、いやそれよりも100階層までの時間か、とてつもない」
クリュースが城への帰り道で言った。
「そんなに難しいダンジョンなんですか?」オサムは素直な気持ちから聞いたのだが
「嫌味を言うな!いや、申し訳ない、聖騎士様」
クリューズはオサムをどう扱えば良いのか迷っているようだった。
「伯爵閣下、結果だけ申し上げます。100階層まで3時間程度。聖騎士様に間違いありません」
クリューズが伯爵に報告した。
その報告に対し伯爵の言葉は
「聖騎士か、ロードナイトやドラグーンでさえ世界を探しても居るかどうかだが」
「守護者様から託されたとなれば無碍には出来んな、エリトールを継がそう」だった。
「陛下にも報告せねばならぬか、いや、守護者様の真意が見えぬな」伯爵は考え込んだ。
次の日、オサムは伯爵に呼び出され、大広間に連れてゆかれてエリトール騎士領を与えられた。
これによりオサムはアキバ・オサム・エリトール。以前と同様筆頭騎士の座を得た。
屋敷も城の敷地に作って住むとのことだった。
その間は城の客間がオサムの部屋となった。
その夜、エリトールのための食事会が開かれた。
全てがオサムの意志を無視して行われるため、オサムは少々混乱していた。
食事会が終わり、窮屈な服を脱ごうとした時に部屋に女性が居るのが見えた。
「えーと、あれ?見覚えがあるような・・・君は誰?」オサムが尋ねると
「侍女のリムル・シャッセと申します、エリトール様の専属侍女ですので何なりとお申し付け下さい」
オサムは何か頭に靄がかかったような状態だったが
「うん、リムル・シャッセさんか、リムルって呼べばいいのかな?」
何故かそう呼ぶのが正しい気がした。
「はい、エリトール様。着替えのお手伝いを致しましょうか?」と言われて。
「うん、頼むよリムル」と自然に口に出てきた。




