1話 終わり
誰でも時々あるのかわからないが
『あ、これ終わったな』って思う事があるじゃない?
俺の今の状況が正にそれ。
”自分探しの旅”と呼ばれるバカンスだ。
そもそも旅と旅行は分けて考えなくっちゃイケナイ。
1年間派遣で働いて、もう働くのが嫌になった。
南の島に行って好きなことをしながら暮らすんだ。
そんな希望に満ちた俺の人生は
飛行機のエンジンと共に突然終わった。
外を眺めていると、突然エンジンから煙が出て
火を吹いた
「うわ!」俺が驚くと他の客も見ていたのか気がついたのか
「エンジンから火が出てるぞ!」
「右も左もだ!!」
「太平洋の真上だぞ?ヤッベー!」
「きゃああああああああ!」
等々阿鼻叫喚の嵐が機内に吹き荒れた
『あーあ、俺の人生これで終わりか、思ってたより短かったな』
秋葉オサムは慌てず騒がず窓の外で火を噴くエンジンを見ていた
「あ、落ちた」
そしてエンジンが機体から外れ落ちていった。
「ありえねー、飛行機って安全なんじゃなかったのかよ」
極めて沈着冷静に物事を考える癖のあるオサムは
『しかし、せっかく貯めたのに使うこともなく働いただけか』そう考え
キャビンアテンダントが走り回る中
「あの~これで最後だろうしなんか食い物と飲み物もらえます?」
すっとんきょうな注文をした。