表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
あなたがいるこの世界で  作者: 宮沢弘
第四章: もしも私が
20/25

4−5: ストレージ

 それでもテリーは交代要員の到着を待った。

 救命士が言ったとおり、二人の交代要員がやってきた。交代の挨拶をして、テリーはサービスセンターのロビーへと出た。

 テリーはカウンターの前で立ち止まり、内線を手に取った。アシスタントが出るのも待たずに訊ねた。

「監視員テリー・ジェラルド。イルヴィン・フェイガンが搬送されたのは本社運営の病院か?」

 テリーは受話器を顔から離した。

「くそ! 本社運営の病院? 場所を知ってるぞ! アドレスじゃない。くそ! 場所をだ!」

 受話器を耳に戻すと、アシスタントが答えていた。

「……から、すぐにHUMANLY INTELLIGENCE本社運営の病院へと移送されました」

 テリーは内線をカウンターの上に放り出し、ロビーから出た。

「エリー・アベルに」

 端末を取り出し、そう言った。十回ほど呼び出し音が鳴ってから、端末にエリーが現われた。

「テリー、何?」

「イルヴィンが倒れた」

「どういうこと?」

 エリーは端末を掴んで言った。驚きが見えた。

「それより聞きたいことがある」

「ちょっと待ってよ。イルヴィンは? 大丈夫なの? 倒れたって、どういうこと?」

「だまれ!」

 テリーは端末に怒鳴った。

 エリーの顔を見て、テリーは深呼吸をした。

「二つだけ訊く。イルヴィンは、あんたを婚約者だと言っていた。それに間違いはないな?」

「間違いないわよ。どういうことなの? 説明してくれたって」

「二つめだ。あんたはイルヴィンを観察してたとか、遊んでたんじゃないんだな?」

「何のことを言ってるの? どういうことなのか説明をしてよ」

 テリーはそれには応えず、通話を切った。

「病院だ。病院に行かないと」

 テリーはまた端末を目の前に戻して言った。

「研究所に。知能サービス、サロゲート、T.G.、I.F.に関して、『根拠がありそうに見える不可解な話』を参照し、ネット全体から検索および分類。それに基いて概要を作成」

 そう指示すると、テリーは自分の車に乗り、走り始めた。


   * * * *


 幼ない頃からのことを思い出していた。

 両親に抱えられたこと。

 友達と遊んだこと。

 学校で勉強したこと。

 学校で遊んだこと。

 小学校、中学校、高等学校、大学でのそれらのこと。

 エリーに講習で出会ったこと。

 エリーとの会話。

 エリーにリングを通したネックレスを贈ったこと。


   * * * *


 夜が明けようとしていた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ