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説得

いつもように丹下の部屋で恵とソファでくつろいでいると、丹下が慌てた様子で入って来た、丹下はオレ達に真っ直ぐ来て


「二人供ここに居たんだ!大変な事が起こって!」


慌てた丹下をよそに恵はソファで本を読んでいた手を止め、落ち着いた様子で


「あ、丹下さん、お邪魔しています。」


と冷静に挨拶をした、オレも隠してあった、お菓子を食べながら


「なぁ、オレ腹減った。」


オレ達の落ち着いた様子に、丹下は業を煮やし声をあらげた。


「それどころじゃないんだよ!二人供!」


凄い剣幕に流石に気圧されていると、ドアが開き久米田と里見も息を切らせながらやってきた、二人も丹下と一緒だったようだ


「丹下さん!さっきあの話…一体どうするんですか?」


「本当なのか?あれ…」


丹下は二人に頷くと、二人は青い顔で


「マジか…」


「そうなんだよ…本当に…もう何でこんな事になったんだか…」


頭を抱え悩んでいる、オレ達は何がなんだか分からないが確実に何かヤバイ事が起こったのは分かった。それで急きょ来て居なかった、小鳥遊と葉芝も呼ばれ全員が集まった、小鳥遊と葉芝は場の緊張した雰囲気に黙って見ている。そしてオレ達を代表して恵が丹下に


「一体何があったんですか?」


「……実は、前に撮影したの覚えているかな?」


何の事かと首をかしげ、オレは「ああ」とポンと手を叩き思い出した。


「前って確か、外で撮ったやつだろ?それで小鳥遊にバレたから流石に覚えてるよな恵?」


オレがそう言うと恵も頷いて


「覚えているよ…あれは大変だったし…それがどうしたんですか…何か不備が?」


恵の言葉に葉芝が興味津々で


「えー何だよ!会長と一体何があったんだ?」


あの時はまだ葉芝は知らない事もあってか、やたら食い付いてくるが、今はそれどころじゃないと皆の無言に空気を読んだのか黙った、


「…はぁ、それが…問題になる引き金になってしまって」


丹下のいい淀みに、イライラし


「何だよ!ハッキリしろよ!また誰かに疑われていつのか?」


オレの言葉に、力なく首を振り


「イヤ…それは無いよ…無いんだけど」


丹下がチラリと久米田を見ると、久米田が代わりに喋り出した。


「オレから話ますよ丹下さん、実はお前等には黙っていた事があるんだよ…例のモデルつまり椿の事な?あの発端のモデルの実在の立証は、皆に認められたんだがその後が問題になった」


「どうしたんですか?」


恵が意味が分からないと言うと、今度は里見が


「ヒガミだよ。丹下さんだけが写真を撮るのはおかしいって…他からのヒガミが酷いんだよ…現に私の所にもあるしね、あのモデルに会わしてとかあるんだよ?こんな私ですら有るんだ服を作っている久米田君と丹下さんは本当大変だろうって思うよ?」


ビックリしたそんなの初めて聞いた、恵は知っていていたのかと見ると首を横に振った、どうやらオレ達に分からないようにしてくれていたようだ、3人は一斉にため息をついた。恵がしみじみと


「大変だったんですね…すいませんでした…ボク達何も気が付かなくて。あれ、でも確か椿の設定って物凄く病弱だったような?それで通せばどうにかなりませんか?」


久米田が渋い顔で


「それはもう言った、「だったら調子が良い日だってあるだろう?現に撮ってるんだしな?」ともう手を打たれてんだよ…」


どうやらオレ達が知らない内に、色々説得していたようだ…だから最近忙しそうにしていたのか…3人は唸りながら悩んでいた、恵が恐る恐る顔を上げて3人を見渡し


「それで…大変な事って…」


丹下は「パン!」と顔の前で手を合わせて


「…もう薄々気付いていると思うけど…私達じゃ説得しきれなかったんだよ…ゴメン!それで今度大手ブランドがショウをやるんだ…それで、それに椿君につまり彼女を出せって言って来た人が居てね。」


「……」


「イヤ!私は断ったよ!ダメだと…だが、そうゆう訳にも行かなくて…色々…本当にすまない」


ガバっと頭を下げて謝っている


「ですが丹下さん、椿は…満月じゃないとダメだし、どうするんですか?モデルなんて…」


恵の言い分にオレも頷くと丹下は


「それはちゃんと向こうに無理と伝えたから大丈夫だよ、現に本当に椿君が病弱だったりしたらショウ自体が凄い損害をこうむるからね?向こうもそんな危ない橋は渡らないよ!椿君に出て欲しいのは、ショウの宣伝用のポスターのモデルなんだ!最初はショウに出てと言われたんだけど、さっきの話をしたら、向こうが妥協して、だったらショウ用のポスターのモデルに納得してくれてね」


丹下の言葉に久米田と里見が頑張ってくれたんだろうと


「それで、モデルの彼女の体調が良い日にポスター撮りをしたいと…私が一応彼女に一度聞くとゆう事になっています」


伺う様にしているが、どう見てもこっちに拒否権が無い、恵が憮然と腕を組みながら


「……こっちが妥協したんだ、そっちも妥協してモデルしろって聞こえますね?……で、どうするの?椿はどうしたい?」


恵はオレを見て聞いて来る、少し考え丹下達を見て


「本当の事を言うなら、やりたくない」


そんな見せ物のような事


「そうだね椿、でももう分かってるよね?これを断ると丹下さん達に迷惑がかかってしまうって」


恵はオレの事良く知ってるからこんな言い方をするんだ。ため息をつき


「やるよ…やれば良いんだろう?分かってるよ恵そんぐらい、それで撮影は本当に一日だけでいいのか?」


オレの言葉に丹下達が嬉しそうだ


「うん!一日だけだよ!椿君ありがとう!」


「我慢するその代わりに!何かうまい物たらふく食べさせろよ!」


オレの言葉に丹下達は


「そんな事でいいだったら、何でも食べてくれて良いよ、ね?二人供?」


久米田も言質を取るように畳み掛けてきた。


「その言葉しっかりオレは聞いたぞ!」


念を押して来たそれに頷くと、恵が微妙な顔でオレを見ている、どうやらオレの言いたい事を知っているようだ…実は最近気が付いた事があった。最近満月の日になると、やたら腹が減る。食っても食っても腹が減る。丹下達は知らないがこの部屋の隠してある食べ物は、粗方全部食ってもう何も無いのを恵は知っている、あとしっていて何も言わないのは葉芝ぐらいか?そんな事を知らない丹下はウキウキと


「それじゃ、細かい話は明日打ち合わせをしよう、二人供それで良いかな?」


「オレはいいぜ?」


言うと恵も


「それで、良いですよボクも」


丹下が頷くのを見て、腹が鳴った、いい加減我慢していたのを思い出した。腹に手を当てて


「なぁ、腹減ったんだけどオレ」


そう言えばと丹下が時計を見て慌てて台所に行き。そして皆で遅い晩ごはんとなった、遅い時間となったから、オレ達は自分達の部屋に戻った、部屋に入るなり恵が椅子に座りしみじみとオレを見て


「椿も大人になったね」


と、どうやらさっきの事の様だ、オレだってそのぐらいの分別ぐらいはあると鼻息荒く


「オレだって、ちゃんと考えてるぞ恵!もし断ったりしたら、あいつらに迷惑かかるって事ぐらい知ってるし…それと今後誰が飯作ってくれるって言うんだよ!」


オレの言い訳に、呆然と聞いていた恵が急に吹き出した…流石に苦しいかと思ったが恵はウンウンと頷き乗って来た、


「そうだね!丹下さんのご飯美味しいもんね?」

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