恐喝事件
最近のお決まりの生徒会室でのお昼のランチタイムだ、オレ達つまり恵とオレはお弁当持参でここに来ている、恵の母親の美沙子の手作りだ、恵がお昼の時間になると渡してくれる、その弁当を広げていると、羨ましそうに葉芝が見ていた。葉芝はいつも購買やらのおパンが多い。ふと小鳥遊を見ると小鳥遊も弁当だ…自作なのかと見ると小鳥遊は気まずそうに、咳をして
「あ、うん…丹下さんが…」
恵と二人思わず引いてしまった、それを察知したのか慌てて、
「違う!私から言った訳じゃ無いよ!聞いてくれ君達!丹下さんが朝になると渡してくるんだよ、それを断るのも…それにお弁当美味しいし…うう」
頭を抱え苦悩してるなと思った。焼そばパンをかじっていた葉芝が小鳥遊に
「さっきから、仕事ですか?それ、ちゃんと生徒会の仕事してるんですね」
小鳥遊は弁当を食いながら、手元の書類を見ている。
「ん?ああ、そうなんだよ行儀悪くて済まない、…私はそんなに暇そうに見えているのかな…」
「え、違いますよ。お昼もユックリ食べれないなんて、大変だなって思いまして」
持っていた書類を置き、「はぁ」とため息をついた、一体どうしたと小鳥遊に聞くと、重い口を開いた。
「実は、前言った恐喝の噂の事なんだが…」
焼そばパンを食べ終わり、次のパンを手に葉芝が
「ああ、その噂オレも聞いてますよ、確か放課後学校にいると恐喝に合うって、あれ、本当だったのか」
「えー!何それ!ボク知らない、椿知ってた?」
恵がこっちを見て聞いて来たが、オレだって知らないと首を振ると、葉芝は、まだ食い足り無いのか、恵がビックリして食べ忘れている弁当から、おかずを盗み食いしてる…呆れて葉芝を見ていると、オレの視線に気付いて、ニヤリと笑い
「何だ甘利達知らなかったのか、オレはテッキリもう知ってるのかと思っていたんだが?」
意味深に言われ、ムッとしながら葉芝を睨み
「何が言いたいだ?葉芝…」
「……いいや?不愉快だと思ったのなら、悪かったでも…」
黙って聞いていた小鳥遊が
「その先は、私から言おう。実は今日君達に言おうと思っていたから、実は先日辺りから校内に残った生徒を狙った恐喝が発生してて、その対策に苦慮しててね」
恵が、「あれ?」と小鳥遊に
「もしかして、犯人捕まって無いんですか?」
小鳥遊が苦々しい顔で
「捕まえようにも、犯人の目星が付いていない状況で我々も困ってるんだよ」
「え、でも学校の生徒でしょ?何で分からないんですか?」
「被害者の証言によると、犯人はどうやら複数居るようで、廊下を歩いていたら、いきなり暗がりに引きずられて自分のネクタイで目隠しされて、犯人の顔を見てないと言っている。犯人グループの手口は暗がりに引きずり込み、目が眩んだ隙に被害者のネクタイで目隠し、そして複数で恐喝しているらしいんだよ」
小鳥遊は、もう食べなくなった弁当を角に置くと葉芝が、「それ下さい」と貰って食べた…どんだけ食べるんだコイツと思っていると、恵が
「そんな卑怯な奴等早く捕まえないと!」
「そこなんだよ…先生方にもせっつかれててね…本当困ってるんだよ」
モゴモゴと弁当を食べていた葉芝が
「そんなの、見回れば犯人捕まえられるんじゃ無いんですか?それにもう、風紀委員が動いてるんでしょ?」
「何で、その事知ってる?その事はまだ、発表してないはずだが?」
小鳥遊がうろんな顔で葉芝を見ていると、葉芝が苦笑し「噂で聞いた」と
「まぁいい、そうなんだよ、生徒会は風紀委員と組んで見回わりをする事になったのは良いんだが…今その編成に苦労してて」
だから最近の小鳥遊は帰りが遅いのか、丹下が心配していたのを思い出した。
「大変そうですね…でも生徒会と風紀委員が出て来たんなら、犯人も直ぐに捕まるでしょ!これで皆安心だね、椿」
それに頷き、その時で話は終わったが、数日経っても犯人グループは一向に捕まる気配が無く、逆に犯行が繰り返された。生徒会と風紀も見回りの成果もなく、生徒達からも疑問の声が出始めた。「ちゃんと生徒会と風紀委員はやっているのか?」「犯人グループと結託している」「全然役に立たない」と色々、実際いくら見回っても犯人らしいグループは見付からずにいた。オレ達はいつものように生徒会室にいた、葉芝も勝手に付いて来ていて、小鳥遊は葉芝を見たが何も言わずにいた。恵が心配そうに
「大変そうですね、少しやつれました?」
「ん、ああ。本当に参ったよ」
恵が小さく咳をした。
「何で、犯人捕まらないんですか?」
「分からない。でもこのままじゃ…学校の外にも噂が広まってしまう、その前にどうにかしないと!最近の見回り人数を増やしてるんだけど」
それでも穴があるのか、犯人達の抜け道があるようだと、黙って聞いていた葉芝がズイと前に出て、手を挙げ
「あの、オレ手伝いましょうか?」
オレ達が不思議そうに葉芝を見ていると、小鳥遊が顔を上げ
「手伝っくれるのかい?ありがとう葉芝君」
本当にやるのかと恵と見ていると、葉芝は首を振り
「でも、見回りには参加しません、オレは独自に犯人を見つけます。それでもいいですか」
小鳥遊は少し考えて!もう藁でもすがる思いなのか頷いた。
「ふう、それで、何か目的かな?ただって訳じゃ無いんだろう?」
葉芝が笑い、オレ達を見て
「察しが良いですね会長。それなら話が早い。実はオレ、知りたい事があるんです」
「それは?」
葉芝は首を振り
「それは犯人を捕まった時にいいますよ、会長」
小鳥遊と葉芝だけで話が進んで、ポカンとしていると恵が
「二人だけで何を決めてるんですか!」
「だったら、お前達も参加すればいい、どうだ?犯人を捕まえられればいいだけの話だ」
「はぁ?そんな事に興味ねぇよ!」
葉芝はニヤニヤ笑い、
「へーもしかして、甘利が犯人とかだったりしてな?」
ムッとして、葉芝を睨み
「そんな訳無い、だって最近はしてねー…あ」
恵がため息つき、小鳥遊は「あーあ」と呆れている、言った等の本人は腹を抱え笑っている、どうやら葉芝の誘導尋問に引っ掛かってしまった、意趣返しに
「分かった!良いぜ、オレもその犯人探しやってやろうじゃないか!」
立ち上がり宣言した。すると葉芝が
「だったら、どっちが早く犯人探しだせるか勝負しようぜ甘利?」
それに頷くと、恵が「もう、止めなよ」と言ったが無視して
「じゃあ負けた方が、勝った方の願い事を聞くってどうだ?褒美はあった方が面白いだろ甘利?」
頷くと恵が
「もう、いい加減にしてよ二人共、小鳥遊さんも言ってください!」
「え、うんそうだね…椿君?そろそろ満月なんだよ?」
はっと、恵を見ると頷いてる、それは流石にヤバイかと考えていると、葉芝が首をかしげ
「何で、満月が関係あるんだ?」
小鳥遊がギクリと
「……んー?そんな事、言ったかな私?それより最近聞いた話が…」
小鳥遊が、発言自体無かった事にした。シラっとして無理に会話をかえた。「ふうん?」と葉芝が意味ありげに笑い
「さてとーオレ用事あるから、行くわ」
じゃあなと手を振り出て行ってしまった。生徒会室に3人だけになり、「はぁ」とハモった。
「最近、彼…色々かぎ回っているらしい、少し気を付けた方がいいねかもね」
「葉芝は、どっかの諜報員なのか?一体何をかぎ回ってるんだか」
呆れて聞くと小鳥遊が首をかしげ
「さあ、何だろうね?実際彼の人脈は、本当に凄いらしいよ?私でさえ追いきれて無い」
小鳥遊が追いきれて無いと断言も凄いが、小鳥遊も葉芝の事を調べていた事にビックリした。恵も小鳥遊の事引いて見ていた。そうだろうと思っていると気を取り直した恵が
「椿も気を付けてよ?葉芝の前で不要な事言わないようにね」
「いやいや!オレだけじゃ、無いだろ!さっきの満月発言は」
小鳥遊を見ると、横を向いて、小さく「ごめん」と、するとドアをノックする音がして、
「どうぞ?」
入って来たのは、副会長の原だった、原は済まなそうに、オレ達を見ている、副会長を直に見るのは、初めてだとマジマジと見ていると、原はピキンと固まった。震えながら
「すいません、お昼の時間に少しお話したい事がありまして…」
小鳥遊がオレ達見た。それに恵が会釈して
「それじゃボク達これで、失礼します」
小鳥遊が頷き、オレ達は部屋から出た。チラッと後ろを見た恵が
「何だろう、話って?」
「さあ?それよりさっきの…」
言いかけると、チャイムが鳴った。
「次の、授業が始まっちゃう行こう?遅刻する」
恵が慌てて走り出した。オレも付いて走り教室に戻ると、案の定、葉芝居らず居たクラスメイトに聞くと
「何だか、今日は調子が悪いって帰っていったぞ、それがどうしたんだよ?」
恵と二人見合せて、何が調子が悪いのか、人の弁当まで食って、これを小鳥遊が聞いたらどう思うだろうか…考えるに恐ろしい。恵はため息をつきながら自分の席に戻っていった。どうやら葉芝は事件の情報を集める為に早退したようだ、葉芝の知りたい事とは、一体何だろうと気になったが、色々込み入った事が起こりそのまま忘れてしまっていた。




