今、俺の幼馴染みがヤバイっ‼
このお話は、私の初めての短編です。
長時間かくのは疲れました。
でも、これを読んで面白かったら、是非感想を書いていただきたい‼
別につまんなくとも、改善点をください‼
1、幼馴染み(一輝)
幼馴染みの彼女が突然変わってしまった。
何故だろう……?
ある日いきなりおめかしして、可愛くなってしまった。
どーうーしーよーーーー‼
「一輝‼早くしないと置いてくよ‼」
髪を二つにしばっている少女が大きな声で俺を呼んだ。
「待てって‼幸紀‼」
俺は慌ててその少女ーー小園 幸紀を追いかける。
幸紀は俺の幼馴染みで、片想いではあるが好きな人だった。
しかし、突然彼女は可愛くなってしまい、前のようなヲタクぶりは跡形もなくなってしまった。
「ねえ、一輝。………今の私、どう思う……?」
幸紀がいきなり思いもよらぬことを言い出した。
俺は不意を突かれ、つい変な声を漏らしてしまった。
「ふぇっ!?……ああ、いい………と思うよ……。でも、いきなりどうしたの………?」
俺は女の子らしくなった彼女に、いつもみたいにうまく冗談をかますことができなかった。
「えっ‼ああ、何でもないけど………。気分………かなぁ……」
幸紀は少し照れくさそうに微笑みながら言った。
「気分………そっかー、幸紀恋したのかと思ったんだけど」
少しからかってみる。
この反応もまた可愛いんだなあ、これが。
「えっ……一輝……」
幸紀は頬を赤らめて目をパチリと開けた。
ず、図星か……!!!
「え、あ、ゴメン……、なんか。からかっちゃって」
俺、今スゲーーショックなんだけど……。
失恋パターンかな、これは…。
少し気まずい雰囲気。
「あ、あのさ、一輝って好きな人、いるの?」
え………?
2、幼馴染み(幸紀)
「あ、あのさ、一輝って好きな人、いるの?」
思いきって聞きすぎてしまった。
いくら幼馴染みとはいえ、そんなプライベートなことは私でも正直に打ち明けられない。
「ど、どうしたの、いきなり………」
一輝は案の定、苦笑いしてはぐらかしてきた。
私はヲタクだったせいで人間付き合いがあまりよろしくなかったせいもあり、顔を真っ赤にしながら
「あ、今の、き、気にしないで………」
と答えるのが誠意一杯だった。
一輝は少し私の謎の言葉を気にした様で、私の顔を除き混んできた。
「顔、真っ赤だよ……?熱あるなら、帰る……?」
どうやら私の事を心配してくれたみたいで、今日はもうこれが精一杯だと、黙って頷くことしかできなかった。
私は家に帰ると、急いで服を着替え、今日の回想をした。
恥ずかしい1日でした、はい。
日記に今日の事を書き留めると、そのままベッドに倒れこみ、眠りについてしまった。
3、好きな人の親友(一輝)
今日はゴールデンウィーク明けの久々の学校であった。
きっとイメチェンした幸紀を見たら、みんな惚れてしまう‼
くっそぉ、幸紀の好きな人って誰なんだ?
俺は今日一日、幸紀のことを見張ることにした。(ストーカーではない‼さんざん考えた挙げ句の果て、思い付いた技だ‼)
案の定、周りは幸紀のイメチェンにビックリしていた。
男はみんな振り返り、ヒソヒソと噂話をしていた。
「……………………」
俺は黙って幸紀を見ていた。
黙々と過ぎていく時間のなか、彼女は一定の誰かを見つめていることはなかった。
「……なーにしてんの、ストーカーさんっ」
いきなり後ろから声を掛けられ、慌てて振り返ると、そこには幸紀の親友、南川 秋穂が立っていた。
「……ビックリした~……。誰かと思ったよ……。っていうか、俺、ストーカーじゃないんだけど?」
「え?どっからどう見てもストーカーにしか見えなかったけども」
幸紀の親友である南川もやはりヲタクで、しかしシミュレーションゲームやオンラインゲームを中心にやり込んでいるため、彼女は幸紀と違って人気者だった。
そんな彼女は、俺を一頻りからかうと、
「で?幸紀のこと見てたんでしょ?………好きなの、幸紀のこと」
南川は不意をついて心を読んできた。
「ぬぁっ!??」
「それで可愛すぎるから、男にとられると思って心配だと」
俺は背中に一瞬悪寒を感じた。
「お前はエスパーか‼」
恐ろしい超能力だと思った。
図星過ぎて。
「………ふーん、じゃあ幸紀のこと好きなんだね、本気で……」
南川は少しばかり瞳に不思議な色を浮かべて、意味ありげに笑っていた。
「……な、なんだよ‼悪いのか、幸紀のこと好きだったら‼」
恥ずかしいが、バレてしまったし、事実だ。
なんだか照れくさくはあるが、俺なりに抵抗してみた。
「…………悪いわよ……」
聞き取れないほど小さな声だった。
「え………?」
「……悪いわよっ、幸紀のこと好きだったら‼………だって私の親友なんだからっ‼」
南川は強気に言葉を言い切ると、ハァハァと息を繰り返した。
俺は南川の勢いに気圧されつつ、彼女の顔を見つめた。
「な、何よ、私の顔に何かついてるの?」
「…………いや、どうしてそんなにムキになるのかと思って」
俺はただありのままを南川に言った。
「私はただ、大事な親友をとられたくないの。たとえ、とったのが幼馴染みのアンタでも」
俺は無言で数秒南川を見つめ、素直に思った事を言った。
「南川って友達思いなんだな」
と笑って言ってやった。
南川はでしょでしょ、とばかりに満面の笑みを浮かべた。
「そうだ、宮野」
「ん?」
南川がふと思いついたように話を振ってきた。
「幸紀の好きな人、知りたいんでしょ?」
俺は吹き出しそうになった。
しかしそれをおさえ、まともな返答になるように気を付けながら答えた。
「まあな……。それが知りたくて見てたくらいだし」
「そ、じゃあ特別に私が幸紀の好きな人教えてあげる」
俺は驚くのと、どうしようかと迷うのと(別に迷うことはないのだが………)で複雑な心境にいた。
「………南川、知ってんのか?」
ちょっとショック。
(親友には伝えたけど、ずっと一緒にいた幼馴染みには言ってくれないのか………。)
「……まあ、そりゃあね‼私は幸紀の親友だし、女同士だと話しやすいのよ」
なるほど、納得。
いくら長い付き合いの幼馴染みとはいえ、男と女じゃ好きなヤツの話なんてできない。
「…………教えてほしかったら………今日の放課後、体育館の裏まで来てくれない?」
「今じゃだめなのかよ」
「今は………だめ。他の人に聞かれちゃ困るから」
南川はそう言うと、くるっと方向を変えて教室へ戻っていった。
「幸紀…………好きなヤツ誰なんだろ………」
4、すれ違い(幸紀)
何だか、やけに人に見られている気がする。
ずっと殻にこもってたせいで、どうも人間付き合いが苦手なのです。
それにずっと探してるのに、一輝のヤツどこかへ行ってて見つからない。
ーーどこ、一輝………
「ビックリした~……」
どこからか、聞き覚えのある声が聞こえた。
一輝‼
辺りを見回すと、座っている一輝の後ろ姿が見えた。
「一輝っ……………」
たまらず駆け寄りながら声をかけたが、誰かと一緒にいるようだった。
誰だろう……?
不思議に思って奥を覗いてみると、そこにはなんとーー
「秋穂…………!?」
小さな声で、悲鳴の如き声が出てしまった。
幸い、話に夢中で聞こえていないようだった。
一輝も秋穂も、楽しそう………。
私はこの輪の中には入っていけそうにない。
邪魔者だ…………。
私は楽しそうに話す二人を背に、この場から去ることにした。
5、決意(秋穂)
私は、悪い女だ。
だって、幸紀は一輝の事が好きで、一輝は幸紀の事が好きなのに。
正直に教えてあげられない。
私は幸紀の事を応援してあげたいし、不本意だけど一輝のことも応援してあげたい。
でも。
……………何でだろう?
私は心のどこかで、一輝にこの事を伝えたくないと思ってる。
「教えてほしかったら、今日の放課後、体育館の裏まで来てくれない?」
自分でも、ビックリしていた。
私、宮野を呼び出して、何を言うつもりだったんだろう?
本当に宮野に幸紀の好きな人を教えた?
それとも…………。
宮野は私を幼馴染みの親友ーー好きな人の親友だとしか思ってない。
私だって、宮野は親友の幼馴染みだと思ってた。
なのに………。
ーー私……、宮野の事が好きなの………?
多分、心のどこかじゃ気づいてた。宮野に恋心を抱いていること。
でも、気づかないふりをした。
だって、宮野は親友のーー幸紀の、好きな人だから。
いけないと思った。
もしこの気持ちに気づいたら、きっと親友を、幸紀を、失ってしまうから。
だから、気づかないふりをし続けた。
「どうすればいい………?」
……………よし。
当たってくだける。
ダメもとで、気持ちを伝えるだけ伝える。
100%フラれるという覚悟をもって。
気持ちにけじめを、着けなきゃいけないから。
私は、心に誓った。
6、心の準備(一輝)
ついに、放課後が訪れてしまった。
心の準備ができていなかった。
もしも、絶対に敵わないという保証付きの男だったら。
泣く。
「うぉぉぉぉぉ………‼」
「どした、宮野よ」
クラスメイトの男子が突然唸りだした俺に声をかけてくる。
「………何でも……」
俺は短く応えると、軽くクラスメイトに会釈して、鞄を持った。
心にはまだ重い荷物が乗っているが、約束は約束だ。
体育館裏は昼でも陰になっていて、人気もなかった。
心なしか、じめじめしているこの場所は、入学してから一度も訪れたことがなかった。
「…………宮野………」
奥を覗くと、もうすでに、南川は来ていた。
「宮野………話があるの」
「え………幸紀のことじゃなくて………?」
南川はコクりと頷くと、ゆっくりと口を開いた。
7、告白、予想外の結果(秋穂)
ドクン、ドクン……。
鼓動が高鳴る。
たった二文字を声にするだけなのに。
初恋なんて、大抵は叶わずに終わるものだな。
幸紀や宮野は初恋なのかな………?
だとしたら、うらやましい。
初恋が、両想いで、叶ってしまうから。
…………私は、宮野に告白して、何か意味があるのだろうか。
叶わないってわかりきっているのに。
どうしよう…………
そんな事を考えていると、誰かの足音がした。
来る‼
「………宮野………」
私はゆっくり、その人の名前を呼んだ。
「宮野………話があるの」
「え………幸紀のことじゃなくて………?」
私は少し迷った挙げ句、深く頷いた。
「………何、南川」
宮野は恐る恐るという風に聞いてきた。
「うん、あのね………。私……」
ドクン、ドクン。
ああ、止まれ。
止まったら死んじゃうけど。
宮野に聞こえたら、恥ずかしいから。
だから今だけおさまって。
「宮野の事が好きなの………」
「………え………?」
あたり前の答えだった。
「あ、ううん、あの、ムリだって事はわかってるの……。だって、宮野………一輝は幸紀の事が好きだから………。でも、伝えたくって………。」
「‥‥‥‥‥南川‥‥‥。」
宮野は黙りこむと、ゆっくりと口を開いた。
「………うん、いいよ。」
思いもよらない言葉だった。
「え・・・・・?」
宮野はムスーッとすると、
「お前が言ったんだろ」
とふてくされたように言った。
「え………でも、何で……?」
と聞くと、宮野はため息をついた。
「だって、どうせ幸紀は俺に振り向いてくれないから」
「でも………っ」
私はどうしようか迷った。
ここで本当の事を言うべきか。
言えば、私の失恋は決定。
言わなければ、私の恋は実る。
「…………ほん………き……?」
恐る恐る、聞いてみた。
「………………うん…………」
嘘だ。
嘘…………………。
でも………
「……わかった。君は私の事を好きじゃない。………恋愛対象じゃない。でも、付き合って…………、これからでも、好きになってもらえればいい。…………少しずつ…………でいいから………。」
「………うん、まだ………多分南川の事、友達以上だとは思えない……。でも、俺の恋はもう叶わないから………」
ドクン、ドクン……。
ーー本当に、これでいいの……?
不意に、自分の中でもうひとつの声がする。
「……………………っ……………」
「?」
いいの?
今、ここで一輝を選べば、幸紀を捨てることになる。
ずっと一緒にいた親友と、密かに恋心を寄せる人。
究極の選択。
……………究極の、選択…………?
「…………やっぱ、いい」
「え………?」
一輝は心なしか、驚いた顔をしている。
「……いいの………。私……無理だから」
途切れ途切れに、でも精一杯、聞こえるように言った。
「私……、どんなに宮野の隣にいても、多分好きになってもらえない………」
「……………………」
「だから…………だからっていうのはおかしいけどっ………」
必死で説明しようとした。
でもうまく言葉が出てこない。
「うん………わかった………」
宮野が後ろを向いて帰ろうとしたとき。
「あっっ‼」
ふとあることを思いだし、言おうか言うまいか迷った。
「…?何?」
宮野は無表情で振り返ると、私に問いかけた。
「あ……………その………諦めちゃ、ダメだよ‼………ほんとは、私だって、幸紀の好きな人、幸紀の口から聞いた訳じゃないから確信はないよ………。でも、これだけは言えるっ!………その恋を諦めれば、それは絶対に叶わないってことっ」
一頻り話すと、私はうつむいた。
「たとえ、幸紀が宮野を好きでも、幸紀は消極的だから…………」
「………うん、ありがと」
宮野は、今までよりもっと明るい笑顔を見せると、後ろ姿も嬉しそうに帰っていった。
これで、いいんだ。
………………これで………。
私の恋は終わったけど、親友は幸せになれるんだから。
きっと、宮野なんかよりもずっといい人、他にだっているわよ‼
………………。
8、気合い入れ(一輝)
諦めちゃ、ダメだって、ついさっき俺に告白してれた少女は言っていた。
だから。
ーー告白する。
決めた。心に誓った。少女の気持ちに、約束した。
「…………………たった二文字だ………」
自分に言い聞かせ、ドキドキする心臓を抑えた。
心臓が、バクバクいってる。
日時は、今日の放課後。
伝えるのは、たった二文字。
全校生徒の前でプレゼンするよりは、ずっと簡単なハズ。
ただ、こわいんだ。
彼女とーー幸紀との、関係が壊れてしまうのが。
成功すればいいけど………。
告白によって、これまで以上の関係または、これまでより気まずい関係が、この先待っている。
俺は急いでスマホを取り出すと、LINEのアプリを開き、"YUKI"とかいてあるグループを選択した。
急いで用件を短く伝え、送信マークをタッチ。
読んでくれるかは解らない。
でも、自分から、行動を起こしてみよう。
俺はフーッと力を抜いて、
「………よしっ」
と、気合いを入れて、放課後を待つことにした。
9、目撃(幸紀)
私は、見てしまった。
目撃、してしまった。
私の好きな人が、私の親友と一緒にいるところ。
悲しい。
悲しかった。とても、とても。
大好きだった。愛していた。信じていた。
なのに………。
「どうして……………?」
知らないうちに、私は1人呟いていた。
泣き出しそうだった。
「…………うっ………………………………っ…………………………………」
必死で泣くのを堪えようとした。
だけど無駄だった。
どんなに息を止めても、どんなに涙をぬぐっても。
辛い、悲しいっていう涙は止まることを知らなかった。
その時だった。
制服の右ポケットに入れてあったスマホから、LINEメッセージの着信音が鳴ったのは。
「…………」
こんな時に何だろうか。
そう思いながらスマホを見た。
「え………………一輝…………?」
恐る恐る、開いてみる。
手が、震えている。
その手を抑えながら、一輝からの文面を読む。
ここまでの時間に3分もかけて、ようやくそれを理解することができた。
一輝からの文面にはーー
『今日の放課後、話がある』
『教室で待ってて』
短い文が二つ。
でも、どういう意味であるのか。
二人が付き合うという、報告だろうか。
嫌だ。聞きたくない。
まるで駄々をこねる子どもの如く、二人の話を聞きたくないと拒否する自分自身が脳内に存在している。
それとは逆に、二人の事はちゃんと祝福してあげなきゃという自分自身も存在している。
どうしよう。
聞きたくない。
でも、幼馴染みとして、親友として、祝福したい。
私は手に持っていたスマホをポケットに戻し、次の授業に備えることにした。
10、勇気と、告白(一輝)
あぁ、ついに放課後が訪れてしまった。
待ち遠しい様な、またその逆の様な。
複雑な心境の中、ただ言えることは、俺と幸紀の関係は、幸紀の答えによって変わるということ。
そして、"その時"が来たということ。
心臓の音が、最大まで聞こえてくる。
もしかしたら、爆発するんじゃないかっていうくらい。
「どした、宮野よ」
クラスの男子が俺の顔色をうかがいながら問いかけた。
「いや、何でも………」
俺は精一杯、愛想良く答えた。
「そうか?顔色悪ぃけど」
俺は軽く会釈し、もう一度「何でもないよ」と答えた。
フーッと力を抜いて、息を吐き出すと、俺は顔をあげた。
ーー今日、放課後、その時が来る。
よしっ‼
俺は勢いよく立ち上がると、右腕に着けている腕時計を見た。
腕時計に表示されている時間は、
『3:51』
というデジタル文字で、約束の時間の9分前だった。
ーー後、9分。
1秒1秒が勿体ないような、そんな感覚と、幸紀が本当にちゃんと来るのかという不安が、俺の心を襲う。
ザッザッ……
時折聞こえる誰かの足音に毎回ドキッとせずにはいられない。
まだだろうか。
幸紀との約束の時間こんな衝動にかられるとは、思いもしなかった。
後…………5分………。
ドクン、ドクン………。
心臓の鼓動がものすごい音をたてて鳴っている。
緊張してるな、俺。
自分の耳にはっきりと聞こえてくる心臓の音は、恥を知らないようだった。
ザッザッ……
ーー誰か来る‼
その足音が、幸紀であってほしいと願う自分と、また違う誰かであることを願う自分がいた。
「………………一輝…………」
「うぇ……!」
自分でもしっかり決意をしていたたハズだったのに、いきなり呼び掛けられ、自分の声とは思えない情けない声が口から漏れた。
「…………あ……………幸紀…………」
いよいよ、告白のとき。
口を開いて。たった2文字だろう………?
さあ、好きって言うんだ。ちゃんと伝えるんだ。
幸紀に。
「幸紀…………ずっとお前に伝えたかった事がある」
バクバクいう心臓を、どうにか抑え、やっとまともな文章を声にした。
「…………?」
「その……………す…………き………」
途切れ途切れに発する。
だが、幸紀には伝わらなかったらしい。
「何?………聞こえなかった………」
「………だから…………幸紀…………。す…………好き…………だ……」
「もっかい………言って……?」
「え、あ…………もう言わねぇぞ………?最後の1回だかんな?」
きっと,幸紀も聞こえていただろう。
だが、信じられないのかもしれない。
「好き。」
「え…………本当に⁉」
信じられないという顔をしていながら、彼女は笑っていた。
「…………付き合ってよ………。お前の中の幼馴染みなんて、もう飽きたから」
カッコつけ。
笑ってしまいそうだった。
だけど幸紀にはちゃんと言いたいことが伝わったらしかった。
「………でも…………、私じゃ無理だよ……」
「え…………?」
幸紀は悲しそうにうつむくと、テンパってヲタクっプリを全開にした。
「だって、私はソードアート・オ●ラインのアスカみたいに美人で優雅じゃないし、シリナみたいに妹系可愛いキャラでもないし、りーフォみたいに凛々しくてカッコ可愛いキャラでもないし、リーベットみたいに元気が取り柄って自信持って言えないし、ユウカみたいに何にでも当たって砕けろ‼っていけないし………。それにヲタクだし………。だから、私には一輝の彼女なんて無理だよ……………」
一頻り喋ると、幸紀は息をあげながら小さく「ゴメンね」と言った。
「何だよ、それ……………。アニメのキャラみたいに美人だったり完璧だったら多分俺はお前の隣にいれないよ………。ヲタクでも、俺にとっては勿体無いくらい可愛いのに…………何でそうやってなんでもかんでも二次元とかアニメと比べて劣ってるっていうの?」
俺はハッとして幸紀を見た。
「一輝…………私でもいいの………?」
「ああ、多分もうずっと前から好きだった………」
好きって気持ちが溢れ出して、止まらない。
このまま抱きしめたい。そして、kissして、俺のものにしたい。
俺だけのものっていう、確信がほしい。
幸紀がほしい。
「…………じゃあ、これからも…………隣にいていいの?」
「……………出来ればいままで以上…………幼馴染みより上の関係でいてほしい………。それに…………ずっとずっと、死ぬまで一緒にいてほしい」
自分でも驚く言葉が口から飛び出た。
これが、俺の今の幸紀への気持ち。
「それって…………プロポーズ…………?」
「……………ああ、ちょっと早いけど…………そういうこと……」
それから幸紀は顔をあげ、ニコッと満面の笑みを浮かべて俺の胸に飛び込んできた。
「わっっ‼」
いきなりのことで、ビックリしてしまった。
だがすぐに俺は幸紀を抱き、強く強く、離れないように抱き締めた。
「………苦しいよっww」
俺は幸紀を抱きながら、とても幸紀を愛おしいと感じた。
「そうだ、何でいきなり可愛くなったの?」
ふと感じた疑問を口に出した。
「一輝に意識されてない気がして、不安だったから………」
「そっか………」
すごく不安になったけど、なんだかそんなところも愛おしいと感じる自分がいた。
「大好きだ………」
最後に、幸紀には聞こえないような小さな声で、もう一度告白した。
実はこのお話には続編があるのですが………。
読みたかったらいわなきゃ書きません‼
感想よろしくお願いします‼
(中学生のくせに生意気なっ‼)
それから、気づいた方もおられると思いますが、作中に出てきた
『ソードアート・オ●ライン』
ですが、原作 川原 礫さんの『ソードアート・オンライン』です。
アスカはアスナ、シリナはシリカ、リーフォはリーファ、リーベットはリズベット、ユウカはユウキです。
ネタバレしちゃった‼ 笑笑