第1章 イエローなCD(初杉ジロウ編)前編
大学の講義が終わり、1通のメールを確認する。以前、楽曲を提供した声優さんからのメールだった。
声優さんからのメールの内容は楽曲の制作依頼だった。
あれから半年ほど経った。六郭星学園と言う高校に意識だけ通っており、なんとか卒業が認められ、この大学にも通うことができた。その卒業が認められた学園で私は楽曲の制作依頼を受け、楽曲の制作を卒業課題にしてパートナーと一緒に楽曲を作った。今回も楽曲はパートナーと作って欲しいという内容だった。その作曲した楽曲は今度の声優の合同コンサートで歌われる。そしてそのパートナーはさっき言った恋人でもある。そのパートナーは…………。
??
「志奈さん。お疲れ様!」
真瀬志奈
「お疲れ様。…………ジロウ。」
彼の名前は初杉ジロウ。同じ教育学部の同期でかつての学園のパートナー。今も恋人として一緒にいる機会が多い。
初杉ジロウ
「メールが届いたって言っていたけど…………声優さんからかな?」
真瀬志奈
「ええ。あの声優さんからの楽曲依頼。ジロウの腕の見せ所よ。」
初杉ジロウ
「うん! 久しぶりに腕の見せ所ができたよ。志奈さんとは結構な量の楽曲を作成したけど、この声優さんに提供するのは久しぶりだ! 今以上に気合を入れないと。」
真瀬志奈
「そうね。頑張りましょう。」
ジロウは納得したのか頷いた。
初杉ジロウ
「じゃあ…………みんなのところに行こうか。マサキとアイクが待っているはずだよ。」
真瀬志奈
「ええ。この時間だと食堂ね。行きましょう。」
――――虹夢大学 食堂――――
浦川アイク
「そうか。声優さんにまた楽曲を作成するのか…………。」
薮本マサキ
「また2人の楽曲を聞けるのが楽しみだよ。」
彼らは浦川アイクと薮本マサキ。かつて私とジロウのクラスメイト。そして同じ学部の同期でもある。
真瀬志奈
「楽しみにしていてね。私たちの曲。きっと良い曲になるから。」
初杉ジロウ
「よし。ご飯も済んだことだし…………行こうか。アパートに帰って案を出さないと。」
真瀬志奈
「それもそうね。でも…………まさか学園の卒業生のほとんどがあのアパートに決めたなんて思わなかったわ。」
私の住む、みやくる荘と言うアパートにはジロウももちろん。アイクやマサキも住んでいる。ちなみに莉緒も莉緒の友達もほぼ全員といっても過言ではない。
初杉ジロウ
「やっぱりあそこが大学のアクセスが近いからね。みんな考えることが同じだ。」
ジロウはみんなが同じアパートに住むことを知ったときはとてもワクワクしていた。その楽しい気持ちはわからなくないが。
真瀬志奈
「ええ。…………行きましょう。」
私たちはみやくる荘へ帰ることにした。
――――みやくる荘 玄関――――
みやくる荘は私たちの学園の近くにあり、駅や大学からもアクセスが近くとても便利なアパートになっている。そうそう…………このアパートの管理人は2人いる。その2人とは…………。
虹谷サイ
「ああ。おかえり。今日もお疲れ様。」
虹谷アヤ
「なんかウキウキしているけど、楽しいことでもあった?」
この人は虹谷サイと虹谷アヤ。双子の兄妹で私と莉緒の元婚約者。色々とあり…………婚約破棄をしたけど今でも友好な関係ではある。
真瀬志奈
「ええ。またあの声優さんに楽曲を提供することになってね。それでジロウとどんな曲にしようか考えていたわけ。」
虹谷アヤ
「そうなのね。またあなたたちの曲が聞けるのを楽しみにしているわ。」
虹谷サイ
「頑張ってね。こっちも応援しているから。」
真瀬志奈
「ふふふ…………楽しみにしていてね。」
虹谷サイ
「ああ。そうだそうだ。こんな日が来るだろうかと思って…………アパートの部屋に防音の音楽部屋を作ったんだ。共用のスペースだけど何かに使えればと思うんだ。」
真瀬志奈
「本当に? ありがとう! 早速使わせていただくわ。」
虹谷アヤ
「じゃあ案内するわ。少し広いけど使ってみてね。何かあれば教えてね。」
私は音楽部屋に案内される。
――――みやくる荘 音楽部屋――――
真瀬志奈
「おお…………これは…………!」
音楽部屋には様々な楽器があり、音楽の作曲や編曲に必要な機材も揃っている。これなら文句のない音楽が作れる。2人には感謝しないと。
虹谷アヤ
「それじゃあ、私は管理室に戻っているから。ここにカギを置いておくから。あとで返してね。」
真瀬志奈
「うん。ありがとう。」
アヤは音楽部屋をあとにした。
真瀬志奈
「さてと…………。」
私は機材に手をつけて、リズム調整をする。
…………調整は完璧だった。これであとはジロウと曲の案を出し合わないと。
そう思っていると音楽部屋のドアが開く。




