夢見るオルゴール
掲載日:2025/12/13
静かに蓋を開ける。
その瞬間、スッと小さなバレリーナが立ち上がる。
透き通るようなレースのチュチュを纏った踊り子が、くるくると狭いガラスの盤面を踊り出す。
柔らかな灯りが反射してきらきらと光の粒子が軌跡を描く。
同時に流れ始めたのは、何処か遠い記憶を呼び覚ますような柔らかな音。
小さな男の子と女の子が 冒険をする物語の曲。物悲しいメロディなのに、バレリーナは気にもしない。
狭い舞台などものともせず、 片手を高く上げて、くるくると、くるくると廻り続ける。
やがて、音が徐々にゆっくりと、途切れがちになる。
それに合わせて、バレリーナの踊りもゆっくりと、ぎこちなくよろめき......
そして、静かに動きを止めた。
最後までお読みいただきありがとうございます。
別で『ヴィルディステの物語』を連載しております。
よろしければご覧ください。
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