21
伏線といえないようなしょぼい伏線しか引けない……
誰か…… オラに力を分けてけろ
「準備は出来た?」
「すでに終わっています」
「それじゃ行くよ。敵は相当強いみたいだ、結界魔法で結界の内側に敵と僕だけを閉じ込めてくれ」
「はっ、分かりました」
結界さえ張っておけば逃げられる事もない……
最も、張った術者たちは数日間恐ろしいほどの疲労に見舞われるが
敵が強い以上しかたがない……
「それじゃあいくよ、 ワープ」
さて……
敵は何処に……
あれは……
「アリス……」
「なんだレイドか。どうした?私のほうを驚いたように見て」
何かが違う
「お前は…… アリスじゃないね?」
「ふふふ、やはり分かるか?そうだ…… 我はこの女の体を使っている別人だ」
気配が違った……
あとは直感も別人だと訴えていた
「それで?アリスの体を乗っ取って、こんなところで何やってるの?」
「何?ちょっと魔界を崩壊させるだけさ」
「そうか…… なら相手をさせてもらうよ」
「お前に出来るのか?この女の記憶を覗かせてもらったが、この女は知り合いなんだろう?」
「だったら何なんだい?僕は魔王、領に住まう民を守る役目がある」
言ってるだけだ、僕に知り合いを殺す勇気は無い……
「ふっ…… レイドの力を貰って随分強気になったものだな、レイル」
「……何故それを」
「分からぬか?まぁそうだろうな、魔族を殺したいなんて奴はいくらでもいるし、我は死んで一度冥界に行ったからな。まぁ…… 冥土の土産に教えてやろう。我が名はウォーデン、世界を支配するものだ」
ウォーデンだと……
奴はあいつが葬ったはず……
「ふふふ、驚いてるな。だが…… 我は実際に死にながらも魂を冥界から魔界に戻す事に成功した、だからこそ我はここにいる」
やばいな……
目の前にいる奴を殺したい……
体はアリスのものだというのに……
あいつは……
レイドが死ぬ原因を作った一人なのだから……
Zzzzz