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えー、ヒロイン(仮)がちょっと暴走します
~side アリス~
魔王城を出て数日が過ぎた
一時は人間界に攻め込もうかとも思ったが自分の実力ではすぐに死んでしまうだろう
「私に力があれば……」
だが、願った所で力が簡単に手に入らないのは分かりきった話だ……
そう思っていた……
『汝、力を求めるか?』
「お前は誰だ」
私は気配の感知だけはあの日以来何よりも重点的に鍛え上げてきた
それなのに気づけなかったなんて……
『我か?我はこの地に眠る死霊、詰まるところ愚かしき人間共に殺された者だ』
死霊… 気づけないはずだ あいつらには気配などほとんどないから……
「そうだとして、何故私にそのような事を言う?」
『おぬし、人間へ復讐したがってるだろう?我も奴らに復讐をしたい、だからこそだ』
「人間に復讐をするなら力を貸してくれるのか?」
願ってもない話だ
人間に復讐をするために力を貸してくれるとは
『ああ、我が力の全てをくれてやる』
考えるまでもない、人間に復讐ができるというのなら
「私に力を渡せ、人間という人間全てを消してやろう」
~side out~
ヒロインは悪堕ちしました(嘘)