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六日
思い切って誘ってみた。
お昼休み。
校庭のベンチに座り、佐藤先生と話をする機会をつくる。
しばらく沈黙が続いた後、彼女が唐突に「好きなタイプってどんな人?」と尋ねてきた。
ドキっとした。心の中を見抜かれたのかと、戸惑ったが。
「例えばの話し」というその彼女の言葉で、安堵して、少し考える。
「……優しくて、笑顔が素敵な人が好きです」と言った後、思い直して付け足す。「あと、夢を持っていて、それに向かって頑張っている人がいいですね」と。
彼女は微笑んで、「それは素敵なタイプだね」と言った。そして、彼女も自分の好きなタイプについて話し始めた。
「私の好きなタイプは、優しくて、一生懸命な人かな」
そして、チラリと横を向いた後。
「あと、夢を持っていて、それに向かって努力している人が好き」と、同じように付け足した。