【痴態】昔書いてた恥ずかしい小説のあらすじ晒す!②
はちゃめちゃラブコメを書いていた幕田だったが、徐々にシリアスな小説を書きたい欲求に駆られていた。
高校二年の修学旅行の時、クラスの余り物グループに入れられた幕田は、そこまで仲がいいわけでもない『いつもクラスの隅で本を読んでいる人』から異能力バトル系ラノベを借りる。修学旅行の夜長を、幕田は広縁でラノベを読んで過ごすことになる。
『シリアスでサスペンスな異能力ものを書け!』
幕田の中に巣食う厨二がそう叫んでいた。
修学旅行から帰った幕田は、早速構想を練り始めた。謎の組織とか、大人同士のやり取りとか、あんまり難しい話にすると書ける気がしなかったので、登場人物は自分と同じ高校生にする事にした。
そして、あの怪作が誕生する。
file.2『ネオ・バイブル』
あーもう、マジで厨ニである。
主人公の男子高校生(名前を忘れたので少年とする)は、飛行機墜落事故に遭うものの、たった1人奇跡的に生き残る。その時なんやかんやあって口にした、飛行機の積荷にあった林檎ーーそれは神の声を聴けるようになる『預言者』を生み出すものだった!
唐突に脳内で神と会話できるようになった少年は、本来その林檎を食べるはずだった少女と邂逅する。少女は神の奇跡を生み出す『異能の力』を持っていた!
要するに、神の声を聞き、奇跡の力で人々を救う一人の『預言者』が、『神と交信できる少年』と『奇跡の力を持つ神の子の少女』に分かれてしまったのだ。
やがて、その神に仇をなす組織が、神の子である少女の殺害を企て……二人は争いの渦に巻き込まれていく!!!!
うわあああああ!
神! 預言者! 奇跡! 組織! ボーイミーツガール!!
もう、ラフレシアより香ばしい。
シュールストレミングより芳しい。
そんな、吐き気を催す小説です。
これはですね、ちょうどその頃『電撃文庫』の新人賞がありましてですね、親のワープロ(古い)でこいつを書き上げた幕田は、思い切って応募してみたわけですよ。
そして、見事一次も通らず。
そんな甘い世界じゃないです。
もう登場人物の名前すら思い出せないですが、さぞ支離滅裂な小説だったんだろうなーと思います。
しかし、なろうを見てると、当時の幕田と同じくらいの年代の方もたくさんいますが、皆さんかなりしっかりしたストーリーでちゃんとした文章を書かれますよね……。
いやほんと、すごいです。
この業界の未来は明るいですね。
とまぁ、こんな感じの怪作なのだが……。出来の良し悪しに関わらず、一般公募の応募規約に則って一つの作品を書き上げるというのは、とてもいい経験になった。
そして高校三年生になった幕田は、ちょっとラノベから離れて、純文学とかミステリーとかを読むようになる。
でも、どこかで『マンガ的な小説を書きたい』と思っていた。小学生の頃はマンガを描きまくっていたが、絵がまるっきり上達しなかったので諦めていた。でも大好きな漫画の世界を小説で表現したいと、心の底ではいつも思っていた。
そしてその妄想は、あの『伝説のスタイリッシュバトルアクション小説(の設定だけ)』となって、幕田の中で産声をあげる!!