【ばからしき】レトリック地獄…
登場人物の心の動きがメインの話の時、幕田はよく「レトリック地獄」に陥る……。
『透明な火花』の第8部なんかはまさにそんな状態だった。
登場人物の心情なんて、文章で書けば一瞬で終わる。
僕は君が好き、とか、彼は彼女が嫌い、とか。端的に説明しようと思えば出来るけど、それじゃ小説じゃなくて小論文になっちゃう。酢醤油のないところてんくらい味気ないし、読んでる人もその感情に共感を持てない。だから色々な手を使って雰囲気を盛り上げようとする。
比喩表現とか、誇張表現とか,倒置法とか……
大事な場面であればあるほど、その辺の表現に力がこもる。
そしてその結果、遠回し過ぎて何が言いたいんだかわからなくなる。
作者はわかるんだよ。
作者だから。
でも、読者に伝わっての小説じゃん?
訳わからなかったら、だめじゃん?
なんかこう、舞台上での大きな動きがあればまだいいんすよ。ものすごいバトルが繰り広げられてるとか、バレンタインにチョコ作って渡してフラれるとか、そういうなストーリー上の変化があると、心理描写と物語説明のバランスが良くなって地に足がついた感じになるの。
でも『透明な火花』第8部って、登場人物の心理は目まぐるしく動くくせに、やってる事って「宮内さんを迎えにいって、途中海に寄り道してから帰ったよ」ってだけの内容じゃん。
もう、心の動きばっか表現する感じになるじゃん。
もうレトリックだらけの地獄の幕開けですよ。
この話に限らないけどさ、色々な感情の変化を詰め込んだ話って、どこまで伝わってるのだろうね。
むしろある程度は端的に伝えちゃったほうが、作品として完成度が上がるのかな?
こんな時、幕田はどうするかというと……
とりあえず放置する。
放置して、頭がスッキリした頃に読み直してみると、ダメなところが結構見えてきたりするのです。
いや、ちゃんと完成させたら投稿しろって思いますよね。
すみません、その通りです。
楽しい(大変だった)子守連休も今日でおしまい!
毎日何かしら更新してましたが、いつものペースに戻ると思います。