オミクロン第6波始末
◎救急出動
「また医者の救急か」
「多いスね最近」
「また自分に本物打ったかな」
「変ですね自己接種て」
「うん。医者同士のフェイクで済ます筈なのにな」
「妙な噂が立ってます」
「ヒッポクラテスの呪いだろ誓いを破ったって」
「医聖がたたりますかね」
「バタバタと医者が倒れてるからね。祟ってるかもな」
◎検査キット払底
「課長、占い協会の人が」
「占い?なんでうちに」
「PCR払底でお役に立ちたいとか」
「え。確かに抗原検査もあと2週間分」
「入荷目途も立ってません」
「話だけ聞こうか」
「で、PCRは実体を対象としておらぬ。我らは実体の性を看破する。遥かに科学だ」
「なるほど道理だ。検査お願いしようか」
「ちょちょ課長!」
◎陰陽師も参戦
「課長、陰陽師の人が」
「陰陽師?なんでうちに」
「PCR払底で役に立ちたいと」
「検査、もう占い協会にお願いしちゃったけど」
「フル回転のてんてこ舞いで手は足りてません」
「うーん。話を聞こうか」
「我ら陰陽道で天下に並ぶ者なし。瞬時に陰陽見分けるべし!」
「ふーん専門家ね。お願いしようかな」
「課長~」
◎検査所にて
「はい次の方」
「お願いします」
「あ。PCRもうないや。わ。抗原キットも」
「あのう」
「大丈夫。代替法がある。どれがいい?」
《水晶、透視、算命、手相、タロット、陰陽師》
「え。このリスト、何ですか」
「選べるんだ。コロナ陽性陰性即座に判明」
「え~変なの」
「おかしいのは国民の頭だ」
◎病院はもういらない
「店長なにか」
「駅前病院が売りに出てるんだ」
「あそこオミクロンで大繁盛ですよ」
「立地良いし買いたいけどウラが心配で」
「潜入してみます」
「手術室やICUも遊び場に。うちと同じ健康ランドなってます」
「病院に戻れなくなっただけか。居抜きで使える?」
「イケます。患者満杯ですけど」
「患者も客として引き取ろう」




