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マイスクールLIFEデス  作者: 剣歯虎
1/3

1/RUNNING LIGHT

1/

暗い。

ただただ暗い。

だけど明るい。

限りなく明るい。

もしかしたら、どちらでもなくて、何もないのかもしれない。

何も見えないし、匂いも音もない。

そもそも俺の体がないみたいな…

だから何もわからたないのも当たり前…かな?

でもその中でただ一つ、肌に触れる何かの感触。空気みたいな、そこにあってもないような肌触り。

それだけが唯一、俺に教えてくれた。

落ちていることを。

俺は離れている。

でも、近づいてる。

離れちゃいけないものから離れて、近づきたくないものに近づいてる。

離れて行くに連れて、見えていない目に何かが映る。それは、小学校の入学式。真新しいランドセルを背負った俺がこっちを見ている。しばらくすると、今度は友達とサッカーをしている俺、先生に怒られている俺、卒業式の正装を着ている俺。そうして俺はどんどん増えていく。服装も年齢もバラバラだけど、皆して俺を見ている。

まるで、哀れむのように。

なんだよこれ。人の記憶をヅラヅラと並べやがって。

これじゃまるで走馬灯みたい…

『走馬灯』…みたい…?

あぁ、そういえばそうだったっけ。

走馬灯『みたい』じゃないや。

本物だ。

俺、死んだんだっけ。

だったら説明がつく。

明るいのも、暗いのも。

目が見えないのも、何も感じないのも。

じゃあ何に近づいて、何から離れてるんだ?

死んでるんだとしたら…

あ、あの世とこの世か。

どうりで近づきたくないわけだ。

あれ…?俺…なんで死んだんだ?

ていうか、俺って誰だっけ

…思い出せないや。

まぁいいか。どうせこの後は天に昇って裁かれて、どのみち転生するだけだろうしな…

ゆっくり待つとしよう。

走馬灯も、もう少しあるしな…

一生に一度のこの感覚を楽しんで…

あれ…? もう…一生は終わった…のか…。


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