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ガラクタ箱の雫  作者: アオノクロ
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上手的観察

 昔々、というほどでもない昔の頃。水の中には小さな生き物たちがいた。小さな生き物は生き残るため体を大きく、遅い生き物は速く、個別の技能を身につけていく。その様子を空から見ていた私は下の世界に興味が湧いた。

 しばらく見ているとボン、というかドンという聞こえない音と共に生き物は数を増やし、陸上に住み着いた。

「水の中から地の上に移ったか」

 地上にももちろん生き物はいた。だが別に争ったりも変わったりもしない。それどころか動くこともしない。早々に見限った。

 しかし、水の中から出てきた生き物が関わることで変化が起きた。棘をはやし、他者を殺す水を蓄え、自分の命の元を運ばせるために負けやすく。微々たる変化だったがそれでも見ている分には飽きなかった。

 しばらく見ていると気づいた。変化には二種類あると。主に身を守り数を増やす事に長けたもの。自分以外を害し命を奪う事に長けたもの。

 そしてその変化は代を重ねることに尖っていくと。

「特徴が受け継がれ、強化されてるのか」

 しばらくの間、地上は生き物の中では大きな種が繁栄している。体を伸ばし、固くなり、牙と爪を尖らせるなどという外見から分かる変化。単純で分かりやすい自分の特徴を生かし生き残ろうとする様子は面白かった。

 それなりの時間眺めていたのだがふと思う。

「このままだと新しい変化が無くなるか?」

 それではつまらない、見ていておもしろくない。

 しかしどうすれば良いのかと考えた。これまでの生き物の様子、いつ変わったのかどうすれば変化するのか。

「あぁ、命の危機が訪ればいいのか」

 気付いたらあっけないものだ。目的があり方法も分かったのなら次の手段は簡単だった。

 たまに近くに飛んでくる石を地面に落としてみる。それなりに小さめの石を選んだが生き物の前にまず地面に変化が起きた。

 一部では肌寒くなり、一部では暑くなり生き物が変化する前に数が減っていく。

 どうもやりすぎたかと思ったが。まだ全て居なくなってはいなかった。

 どうやら身の回りにある物を加工して生きていくみたいだがやはり同種族で争っている。

「あぁ、やっぱり命を奪い守る変化は受け次がれるのか」

 その生き物たちを見て少しがっかりした。

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