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T.T.O.T.T  作者: むこーむこ
2nd development:No man is free from egotism or a taint of syphilis
17/41

17 15 minutes-十五分-



「えっと……君の武器は?」

「そんなのいらない」

「……凄い自信だね」

「あなたこそ、この一か月で少しは強くなったのかしら」


 牧島の質問に頼は指を折って計算をした。


「……レベル九。七十五戦七敗」

「それ、どんな嘘?」

「嘘じゃないよ。本当だ」

「でも、それじゃ計算が合わない」

『居残り』頼の替わりに比留間教官が答える。『私が許可したんだ。元からいる早く奴らに追いつきたいと言うのでな。流石のお前も驚いたか』

「ええ、驚いたわ」牧島が頼を見る。「それだけ訓練をしてレベル九だなんて。結局あなたもあそこにいる人たちと同じなのね」

「……それは僕なりの理由があって」

「言っておくけれど」牧島が頼の短刀を指さす。「殺す気で来ないと私があなたを殺すから」

『おい牧島。それは駄目だ』

「……じゃあ半殺し」

『ったく、向井頼。お前、牧島に何をした。胸でも触ったのか?』

「いや、そんなことして……」その時、頼は廊下で転んだ時のことを思い出した。

「……おい、お前まさか本当に」

「ち、違います! あれは不可抗力というか……はあ、もういいです」


 頼は弁解めいたことを言った後、丸腰で構える。


「……どういうつもり?」


 武器を持たずに戦おうとする頼の行動に、牧島は怒りを覚えた。


「最初に言っておくけれど僕は君には勝てないよ」

「……言い訳のつもり?」

「いや……だからって負けるつもりもない。だから武器は要らない。でもその替わり、条件を付けさせてくれないか?」


 足を前に出し、牧島に一歩近付く。


「制限時間は十五分。その間、僕は君の攻撃をかわし続ける。もし一撃でも攻撃を受けたら僕の負けでいい」

『ハハッ、なるほど。そういう訳か』


 比留間の笑い声に、牧島は敏感に反応した。

 向井頼の提示したルール。

 その意図を、比留間は知っているようだった。


「牧島さん、それでいいかな?」

「どうでもいいわ。好きにすれば?」

「うん、じゃあ好きにする」


 頼は目を閉じた。


「教官、お願いします」

 

 

 

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