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ロストデイズ  作者: ミツキ(時の旅人)
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dream my life

「ロストデイズ」の2話目です。

読んでいただけると嬉しいです!

『オープニング』


 どうやら夢を見ていたようだった。


 なにも思い出せない...でも楽しかった。


 わたしには楽しい思い出なんてあったかな?


 思い出せないや。


 いつからこうなってしまったのだろう。


 どこで歯車が狂ってしまったのだろう。


 もう元に戻れないのはわかってる、でも切に願ってしまうわたしがいる。


 あぁ、もし神さまがいるのなら今のわたしに答えを出してくれませんか?



『黒猫と夜』


 寂れた街だ。


 この世の終わりが突然に告げられた日からそろそろ2ヶ月が経とうとしていた。


 寂しいのは大分慣れてはきた、けれどあの人だけは忘れられなかった。


 僕を捨てたあの人を。


 別に恨んではない。


 むしろあの状況下では上出来と呼べるだろう。


 あれから僕はこの「フォレスト ニア シティ」に身を寄せていた。


 最初は慣れずに苦しんだ夜の街灯やネオンも今では心地いいとさえ思えてくる。


 初めの頃はまだ沢山の人々がいたがあの日以来一気に治安が悪くなり今ではろくでなしの住むろくでなしの街と化していた。

 

 たまに通りかかる車のライトにすら神々しさを感じてしまう僕はいかれたネコだろうか?


 落書きだらけのこの塀もかつては綺麗な煉瓦造りだった。


 夢すらも持てない僕はいつ死んだっていいって覚悟がある。


 そのため死にたくないとほざく人間共を見ていると不快に感じてしまう。


 明日すら見れないこの僕は今日も街を歩く。


 ショーウィンドウに映る自分の姿を見るとすさまじい嫌悪感があふれ出た。


 僕は自分のことが嫌いなのだろうか?


 そんなある日、目の前から歩いてくる女を見た。


 治安が悪いがため人間の女を見るのは久しかった。


 するとその女が僕を見てこういった。


 「レイメイの猫?違うかなぁ?違うか、黒猫なんて珍しくもないし」


 レイメイ?


 それは懐かしい僕の元飼い主の名前だった。


 それも非常に久しかった。


 どうやら今日は懐かしいものによく出会うな...。


 いやっ!そんなことはどーだっていい、この人は誰だ?僕を知っている?ならレイメイの知り合いだ。


 レイメイは案外に友人が少なかった、なのでよく遊びに来る友人の顔ぶれはほぼ固定だったから名前は必然的に覚えてしまった。


 うーんと確か女は「アカネ」って人とあと...「ヨム」とか言ったけな。


 でも「ヨム」って人は前に行方不明になったとかでレイメイがずっと泣いてたっけな?


 だから必然的に目の前の女は「アカネ」ということになる。


 でも、なんでこんな所にしかも女一人で。


 すると女は僕に向かってこういった。


 「レイメイの家ってどこだっけ?いや、君が知ってるわけないか...。」


 家?この近くに家なんてなかった筈だ。いや、そもそも僕がそこまで遠い場所に移動してなかっただけか........?

 

 「ごめんね」女はそういってさっき来た方向とは逆方向に歩き出した。


 ごめんねか...。嫌な記憶が蘇ってくる。しかも鮮明に...。


 この束縛から僕は一生逃げられないのだな、でも一ヶ月後にはみんな死んでしまうというから非常に勝手がいいまるで僕を中心に世界が回っているようだ。


 なんてそんなSF脳僕にはなかったんだが......。


 いつの間にか月が真上に登っていた。


 もうこんな時間かと気付き、街灯とネオンの街を歩く。


 ふと目の前に黒い車が現れた、いや居たんだ、居たんだが気付かなかったのだ。


 僕はなす術なく空中に吹っ飛ばされた。


 衝撃と痛みが全身を駆け回る。


 息が吸えない、目が見えない、音が聞こえない、体が動かない。


 ふと楽になった気がした。いや、正確に言うとまだ苦しいが感じないという状態なのだろう。


 あぁ、なんでこんな時にあの男......レイメイを思い出すのだろう...。


 でも大切だった僕の飼い主走馬灯で見ても文句は言えない。


 思い出しっちゃったなぁ、忘れたくない記憶。でも、死んじゃったら忘れちゃうんだろうな...綺麗サッパリ真っ白に、全てリセットされるんだろうな.........。


 声がする、声が聞こえる、耳はもう聞こえないのに、「じゃあな」って......................。


 そこで途切れた.........何もかもが。



『ロストデイズ0』


 さいあくっ!まじで最悪!なんでクリスマスイヴに補修を受けなきゃならないのよ!!


 いや、理由は明確なんだけどね〜成績不振。。。最悪の四字熟語だ。


 早く家に帰りたい!!!お風呂に入りたい!!!耐えろ!耐え忍ぶんだ!!女のなかの女アカネ!!


 タッチパネル型の携帯電話を取り出す。


 高校生になって親にようやく買ってもらえたのだ!(ファンファーレの音)


 ロック画面に表示された時間は19時50分...!!!えっ...嘘でしょ......。


 想像を絶する時間に戸惑いあやうく最寄駅で降り忘れるところだった。


 「まじか〜」思わず声に出してしまった。


 幸い特に注目を集めることはなかった。


 どうせならゆっくり歩いて帰ろうと思い、普段より少し遅いペースで歩き出した。


 人でごった返す交差点に差し掛かった。


 そんな時に多くの人がビルに映るテレビのニュースを凝視していた。


 そろそろ赤になるよ〜。


 まぁ私もその一人なんだけどさぁ...うん!


 そのテレビには思わずえっ!と声を上げてしまうような話しがされていた。


 「この世界が......おわる......!?」思わず口に出してしまった。


 他の人も次々につぶやいてる。


 何かの冗談でしょ。


 そう思いたかった。


 最悪のクリスマスイヴだ。



『デッドマイウェイ』


 俺はあの日以来嘘に嘘を重ね自分を覆い隠して日々を送っていた。


 そもそもの原因すら思い出せないほど俺は腐敗してしまった。


 自分を殻で覆い隠してなにがしたかったんだろう。


 自分はダメな奴だとつくずく感じさせられる。


 だからこんな世界失くなればいいと思っていた。


 でも本当にそうなるなんて。


 昨日のニュースはとても衝撃的だった。


 殻が弾け飛びそうになった、しかしエリートの俺はその程度じゃ揺るがない。


 あと三ヶ月もある、気楽にいこうや。


 なんて思い違いをして、ネットに偉そうな文章をぶちまけるのだ。


 怖くないなんて言ったら嘘になる、でももともと願った未来。


 むしろ幸運だったのでは...なんて考えて自分をごまかした。


 あの頃の子供たちは良かったな...。


 「レイメイ」


 誰かの呼ぶ声が聞こえる。


 気のせいかな、ここ最近ずっとそうだ何かが目覚めたみたいに。


 あの黒猫どうなったんだろうな?


 今はもう知るすべもない。



『エンディング』


 長い長い夢を見ていたようだった。


 懐かしい感じがしていた。


 もしかしたらあれがわたしなのかもしれない。


 わたしはいつになったら自由になれるんだろう。


 フワフワフワフワ飛んでいける。


 そんな日がいつか来ることを日々願って生きている。


 重力なんか振り切って。


 どこか遠い世界に旅をするんだ。


 その時は「レイメイ」を誘おう。


 二人で一緒に見たこともないような世界を見に行こう。


 だから、待っててね。


 「レイメイ」


 あれ?レイメイって誰?


 わからない。


 思い出せない。


 でも、懐かしい感じ。


 バカだなぁ...わたし。フフッ...。

どうも、ミツキ(時の旅人)です!

2話目を早々ながら投稿させていただきます!

どのみち自分の願望の具現化なんで甘い部分もあると思いますが精一杯書かせていただきました。

まだ続くのでこれからのも読んでいただけると幸いです!

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