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ロストデイズ  作者: ミツキ(時の旅人)
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opening worlds

素人の書く物語ですが読んでいただけるとありがたいです。

『ロストデイズ1』      


 本来なら聖しこの日、多くの人は多幸感に覆い尽くされて「笑顔」で居ただろう。


 しんしんと降る雪は賑やかな街でなく失意に苛まれた暗い街を白く染めていた。


 全世界の人類がこんなの悪い冗談だ、こんなハッピーな日に一体誰がこんなこと言うんだ?


「おい誰か教えてくれよ」と...言いたかった。


 しかし、現状はあまりにも残酷にただただ恐怖を与え続けた。


 ふと、誰かの鳴き声がした。それは小さな女の子で「死んじゃうの......?」とか細い声で言っていた。

 その声は人でごった返す交差点にこだましていく。


 ビルに在る大きなテレビでこの世界の偉い人が「あと...三ヶ月でこの世界はなくなります...何かが地球にぶつかるのです......まず我々人類は助からないでしょう...」という意味の外国語を喋ってる。


 私は頭がぐわんぐわん揺れ動いているように感じている。

 

 私だって死にたくないよ...でも......どうすんのさ。なんもできないよ。そう、なんにも.........。


 自らの無力さに涙が溢れた。


 涙が足元に降り積もった雪を溶かした。



『グッバイアデイ』


 じめじめとした息を吸うにも苦しい6月の日。


 俺、「暁 黎明」は梅雨の足跡である水溜まりの在る緩い坂道を赤いマウンテンバイクで下っていた。


 自分で付け加えた籠には黒猫を載せていた。


 「あちぃ...くそっなんでだよ......まだ6月だろ...」マウンテンバイクを道路の脇に止め家から持ってきたスポーツ飲料を飲みながらつぶやいた。


 「おまえも暑いだろ...?」......言ってから少し後悔した、猫に話しかけてるとか完全に変人だろ...俺。

しないのはわかってるけど返事されても困るからなぁ...。


 再びマウンテンバイクのペダルに足を置き、坂を下り始めた。


 しっかし、天気が良すぎるってのもなんだかなぁって思える。熱中症にでもなったらどうするんだよ...。


 万年帰宅部の俺にはつらすぎる。


 でもまぁ、だからこそ風を切る喜びってのもあるのかもしれない。


 猫は進行方向を向いてこっちを一回も振り返らなかった。


 暫くマウンテンバイクを走らせてようやく目的地にたどり着いた懐かしの公園がそこには在った。


 昔はよく遊んだっけ...「アカネ」「ショウヤ」「ナガレ」......あと...誰だっけ、思い出せないや。


 いやっそんなことは忘れろ今はこのことだけに。


 さっき前もって準備しておいたダンボールを茂みから出し、組み立てる。


 すぐに箱が出来上がった。マンガみたいかもしれないが俺は今日この黒猫を置いていく。


 何回もこれまでに果たせずにいた。


 寂しげな鳴き声を聞くとダメだった。


 でも、今日ならきっとできる。いや、やらなきゃだめだ。


 「じゃあな」......多分これでいいんだ...きっと。


 黒猫を箱の中に置き...俺はマウンテンバイクのもとへ走り出した。


 寂しげな声を聞かないように耳を塞いで。


 これは定めだと自分に言い聞かせなくては壊れてしまいそうだ。


 ごめんな、悪いのは、腐ってんのは、多分この世界だよな...。


 「雨だ」不意に降り出した雨に気を取られついつい手を耳から離してしまった。


 やばい!反射的に耳を塞ごうとしたとき俺は気付いた。


 黒猫がいない...。逃げたのか......いや、かえって好都合だあいつもあいつで自分の明日を見つけたんだ。


 ふと、笑いがこみ上げてきた。


 今にも牙を生やして俺を喰おうとする雲よ、俺はどんな表情をしている?


 笑ってる?泣いているのかな?前が見えないや。


 俺は明日どころか自分すら見つけられていないのか...。


 こんな自分も世界も消えてしまえばいいんだ......。


 俺は暗い足取りで、暗い坂道を、暗い顔をして、暗い空の下、赤いマウンテンバイクを押して帰った。



『ロストデイズ2」


 家に帰ってからも少女の声が頭にこだましていた。


 普段は話題の尽きない家族も今日は黙々と夕食に箸をつけていた。


 いつも深夜に帰ってくる父も会社に一度家に帰れと言われたとかなんとかで食卓についていた。


 時計の音がうるさく感じる。自分の余命をカウントダウンされているようで嫌だった。


 他の家族もそう思ってるのか時々時計を一瞥しては元に戻る、というのを繰り返してた。


 食事も終わり気が付いたら22時になっていた。普段ならまだ寝ないが今日は早く寝たかった。


 あわよくば全部夢だったという夢オチを狙っているが...多分ないだろう。


 明日も今日と同じようで違う日が来る、出来るだけいつも通りに過ごそう。


 私が「もう寝るね」と言ったとき父が私にこう言った。


 「残りの日もずっと家族全員仲良くいような」

 

 .................................「うん...最期まで......」


 私はようやく気付けた、まだ日は残ってるんだ...元気に、明るく、毎日を生きてみよう。


 「おやすみなさい」

 「ああ、おやすみ」

 

 笑顔で今日を終わろう、明日も笑顔でいられるように。


 12月25日のクリスマス...例年どうりなら子供達が待ち望む日...でも今日は違うのは目に見えている。


 目が覚めた私、「五月 アカネ」は残りの3ヶ月、何があっても笑顔を絶やさないようにしよう。


 この日長いようで短い3ヶ月の出会いと別れが始まろうとしていた。



『アナザータイムワールド」


 「とうとうお別れだね」


 「いやだ、そんなのようやく会えたんだぜ!」


 「時間は待ってはくれないもの...残念だけど...」


 「だめだ!いっちゃだめだ!戻れなくなる!みんな...みんな一緒に消えるんだ!」


 「わがままなところは変わってないね...私だってみんなとずっといたいよ......でも、みんながいない世界はいやなの!お願い...わかって」


 「わかんないよ!消えっちゃったらみんなを見れないんだよ...。あの頃に戻ろうぜ...みんなで笑いあって、悪戯して、また公園で遊ぼうぜ!!」


 「......そろそろお別れね...。」


 「..................じゃぁ.........約束してくれ.........また.....一緒に...話そう!!!」


 「うん...不思議だね...金輪際のお別れじゃないのに涙が......とまんないよ!......。」


 「俺もだ.........」


 「フフッ......レイメイはいつまでたってもレイメイだね.....................じゃあね!ありがと!」


 「あ、............あああああぁぁぁぁあああああ!!!!!!!なんで、なんで、なんで、なんで俺はあいつのこと忘れてあああああああああああ!!!こんなに!!こんなに!!こんなに!!.....................」



続く




 


 


 


 




 



 


 

どうも、「ミツキ(時の旅人)」です!

初めて書いた作品です!

好評でも不評でも続きは出したいと思います。(自己満足なので)笑

でも、読んでくれた人には感謝したいです!

次作も読んでいただけると幸いです。

それでは『じゃあな』!


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