魔女と召使
残念だったな!失踪はしないんだ!
遅れたとかいうレベルに収まらない範囲で遅れました。誠に申し訳ありません。
とうとう上に半年更新着てない文が出てきた訳ですが……半年ってww
半年……。
何はともあれ見てください。
半年分には到底足りませんが、そこは大目にみてくださいw
赤く長いカーペット。
煌びやかなシャンデリア。
そして最も存在感を主張するどこぞの王様が座るような椅子。
まるで絵本やアニメからそのまま切り取ったような非現実的な場所。
そしてその椅子に座るのはイメージとは全くかけ離れた、ブカブカのパジャマを着た青髪の少女。
その手にはまたイメージをブチ壊すようにペロペロキャンディが握られていて、それを口いっぱいに頬張っていた。
「へぇ、ふぉあへふふんはあ?」
「ごめん、テイク2いい?」
近くに居た金髪の男が思わず聞き返す。
それを聞いた少女はペロペロキャンディを口から出して、ハア、と一息吐くと言い直した。
「空輝くんまだぁ?」
聞き返されたからか、少し不機嫌になりながら答える。
「うん……と、それがね、あっ!俺たちのせいじゃないからね?過激派の奴らが勝手に空輝くんに接触したみたいでね?」
「え?」
少女は口を開けて呆然とした様子だ。
「そのせいで『魔術師=悪』みたいな印象が空輝くんにあるみたいなんだ。いや、過激派の奴らに襲われたらそう思うのも仕方ないと思うんだけどさ?まあ、それで今空輝くんに近づこうとするとちょっと穏健派の俺達はまともに交渉するのが難しい訳だ」
その説明を聞いた少女は、こめかみをピクリと動かすとクツクツと嗤い声を上げる。
男は他人事のように、「あーこれはまずいかなぁ」と小さく呟くと耳栓をする。
その瞬間。
「あのアホ共は何してくれてんのさぁぁぁぁぁ!!!」
世界が揺れた。
衝撃波でも出てるんじゃないかというような振動が建物を包む。
実際コンクリート造りのこの建物の扉からは、ミシミシと嫌な音が鳴っている。
いや、本当に壊れるんじゃないだろうか。
「ふふふ、本当になんなんだろうねアイツら。そろそろ穏健派筆頭が過激派に突撃するよ?『どうも、ヨネ○ケでーす』って言ってアイツらのアジトの真上に50トン近くあるシャモジ作って落としてやろうかな」
いろいろと物騒なことを言い出したので、冗談だとは思うが、念のため釘を刺す。
……今の彼女の精神状態なら本当にやる可能性がある。
しかもやろうと思えばそんなことはこの椅子に座ったまま手を振るえばそれが出来る。だからこそ性質が悪い。
そういう女なのだ、彼女は。
「分かってるけどさぁ!でも流石にそろそろ堪忍袋の尾が切れるよ!?その後堪忍袋自体がスパーキンするよ!?」
腰までありそうな青髪の頭頂部をガシガシと掻きながらフシューという効果音がつきそうなくらいに息を荒げて言う。
「まあ気持ちは分かるけど、それじゃ過激派とやってること変わんなくなっちゃうからね。あと堪忍袋本体がスパーキンするのは流石に俺の精神衛生上マズイからやめてくれよ?」
金髪の男は成人男性にしては少し狭めの肩を更に縮こまらせながら言った。
すると青髪の少女は丈の余ったパジャマの袖をブンブンと振り回しながら過激派に向かってへの愚痴やら暴言を吐き始めた。
途中からは『アホ』とか『バカ』などのただの小中学生レベルの罵倒になっていたが、そこは触れないようにしよう。
それを遮って重厚なドアの向こうから黒服の男が『お時間です』と告げた。
その声に呆れが混じっていたのは気のせいではないはずだ。
「死ねぇぇ!!ってあれ?もう時間だっけか?あーっと……パジャマじゃダメかな?」
苦笑いしながら金髪の男が告げた
「無理に決まってるでしょ?馬鹿じゃないの?」
「デスヨネー」
きっとこのやりとりは日常茶飯事なのだろう。
彼女ほどの立場の人間がこんなことをしているなど一部の人間にとっては呆然自失するレベルだが、彼女にとっては関係無いのだろう……っと、失礼。
彼女と金髪の男について何も説明をしていなかった。
「早く着替えて、もう時間が無いからね」
「待って待って!あと5分!5分だけでいいから!」
彼女らの名前を知る人間は山ほど居るだろう。
だが彼女らのこういった一面まで知っている人間はほとんどいない。
「じゃあ5分前、ごー、よーん、さーん、にー、いーち……」
「それ5秒ぉぉぉ!!!あと295秒足りないぃぃぃ!!」
というか知ろうとすることを彼女達が全力で拒否するんじゃないだろうか。
特に少女は『威厳がぁ……失われて行く……』と全力で嘆きそうだ。
「わがままだなぁ…じゃあ10分ねー……いーち、ゼr「いつのまに9分59秒経ってたの!?なにをしたの!?」
まあ、こんなのでも伝説なんて呼ばれてしまう理由がある訳で。
それは魔術師、いや魔法使いとして初めてある天使を降臨させ、とある魔導書を執筆した人間であるということ。
そして降臨させたのは彼女、降臨したのは彼だ。
まあ、正確に言うと彼女の夫に勝手に取り憑いてきたと言った方が正しいか。
今こんなバカみたいなバカなノリで話している彼は『銀河系宇宙の悪鬼』だとかそんな風に呼ばれる存在だ。彼女は彼を『自身の聖守護天使である』とし彼もそれを認めている。
ここまで言ってしまえば誰なのか分かった人も多いというかほぼ名前を言ったに等しいかもしれない。
ホルスの一面とされ、『沈黙の神』と言われるホール=パール=クラアトの召使。
その名をエイワス、そして彼を降臨させた世界で一番有名であろう魔術師の名を、アレイスター=クロウリーといった。
「ほい!5分掛からずに着替えたよー、ってことで行こうか」
「はいはい、じゃあ行こう」
どこか緩い感じのあるこのコンビもいざという時はシリアスになるのだ。
多分。
「ただいまー……ってあれ?父さんいないのか?」
現在時刻は7時、テーブルの上には父さんの書き置きがあった。
曰く、『今日は出張で帰ってこれない、帰ってくるのは多分明日の昼頃になるからご飯は真耶ちゃんにでも作ってもらえ P.S 本当に真耶ちゃんに作って貰ったなら俺の分も作ってくれと頼んどいてくれ』
だそうだ。
本格的に我が家の食卓が真耶に掌握され始めたな。
朝は正直起きれる自信がないから真耶にモーニングコールしてもらおうかな、冗談半分でメール送っとくか。鍵渡してあるし大丈夫だろ。
そして父さんが出張だったのは予想外ではあるが、ある意味好都合かもしれない。
あの人は俺とコミュニケーション取ろうとしてるのは十二分に伝わるんだが……プライバシーってものを知らないからなぁ。
こういうゆっくり自分の時間を取りたい時は好都合……かな?
まあとりあえず今日はゆっくり推理しよう、晩飯は適当に野菜炒めかなんかと味噌汁とご飯があれば十分だから食べながら考えよう。
「さて、とりあえず状況整理からかな」
知識的に分からない部分が出たら玖葉にメールでもして聞けば答えてくれるだろう。
とそんなことを考えていた時。
ピンポーン
とインターフォンが鳴った。
やろうとしていた事を中断されて少しイラっときながら画面を見る。
「なんてタイミングだよ、おい」
思わずそう呟いてしまった。
なぜならその画面に映っていたのは真耶と玖葉だったから。
少し急いで鍵を開けてやる。
というか真耶は鍵を持ってるはずなんだが。
そうすると玖葉は開口一番にこんな事を言ってきた。
「空輝、早速で悪いが今日の事で話がある」
まあ、そうだと思ったよ。
俺も聞きたい事があるしな。
……本当に父さんが出張で居ないのは好都合だったな。
いかがでしたでしょうか?
なんか意味分かんない人も多いと思います。
だって俺もアレイスターとエイワスの部分の情報うろ覚えですもんw
前にどっかで見たなー程度でしか分かってないんで間違ってたら指摘お願いします。
それでは次の更新まで。




