陽光の寄り道
えーっと。色々言い訳はあるんですが、まず最初に。
すいませんでした!!!
更新停滞のお知らせを出させるとは……離れた読者を取り戻すためにもスピード上げて行くつもりです!
"つもり"です!
イケメンを適当にあしらった後、怪我した奴らを保険医と先生に任せて帰っている途中にあることに気付く。
「あれ?なんで…」
目に止まったのは一件の家。
もう絶対に明かりは点かないはずなのに、心無しか薄明かりが灯っている気がする。
まあ見間違いだろうと思い通り過ぎるが、一度意識してしまってから少し気になってしまい
「ちょっと早いけど行くか…」
「どこに?」
と、いきなり後ろから声を掛けられて思いっきり驚いた。
「気配を消して近づくな!!…まあなんだ、3日早いけど少し行こうかなーと」
少し言葉を濁しながら言うと、真耶は少し顔を俯かせた。
真耶もちゃんと覚えてたみたいだ。
まあ、忘れられるようなもんじゃないが。
「…そっか。じゃあ私も着いてっていい?」
「もちろん」
二つ返事で了承した俺は真耶と一緒にとある場所に向かう。
「あの赤い壁とヴァンパイア…でもきっとあれは…あの時のじゃ…逆にヴァンパイアがそんな事をする理由なんて…」
今日起こった事と昔の事、カマエルとミカエルから知った事。
全て繋がっているはずなのにどこかで欠けている。
何か別のモノが関わっているのか。
それとも全ては全く関係のないモノで、自分が意識し過ぎて関係性を勝手に作っているのか。
思考は進む。
あらゆる可能性を探る。
たとえそれが100人中100人が『ありえない』と言うものですら思考に絡めて、想像の枝を広げていく。
その先に実がなろうとならなかろうと関係ない。
ただ伸ばしていく。
『下手な鉄砲数撃ちゃ当たる』とはよく言ったもので、空輝のやっている手数の超速シミュレートも簡単に言えばその考え方だ。
あり得なかろうがなんだろうがとりあえずそれを考えて、その先を想像して、どういう行動をされても自分は常に冷静でいられるように、対策を取れるようにする。
自分の想像力だけを頼りにしためちゃくちゃなやり方。
将棋や囲碁、チェスの達人は基本的に全く逆の事をする。
経験、直感、計算などあらゆる方法を使ってどう動くかをその範囲内でシミュレートしてその範囲ならどんな方法だろうと封殺して反撃出来るようにする。
将棋で言えば、相手が将棋盤をひっ返したり、言葉で集中力を乱そうとしたりすることまで想像にいれてそんな時にはどうするか、まで全て考えるのが空輝のやり方。
相手がどうやって攻めるのか、そして自分がどうやってゲームを動かすのか。
将棋盤の中での全てを考えるのが達人のやり方だ。
そんなことをしている時、空輝の頭からペチン!といい音がなる。
「おうふ!…痛い…」
空輝は頭をさすりながら真耶の方を見ると、真耶がこちらを睨んでいた。
真耶の身長は丁度俺の肩に頭が来るくらいなので…まあ…何が言いたいかと言うと…必然的に上目遣い気味になるわけだ。
正直に言おう。最高に可愛いです、ありがとうございます。
「あー…ゴメン。で、どうした?」
思考を言葉には出さずに用件を聞く。
「どうしたじゃないわよ…本当に聞こえてなかったのね…」
「すいません、ちょっと今日のことを色々整理してました」
そう言うと、真耶は難しい顔をしながら
「まあ、今日はいろいろあったからね。ともかくあのヴァンパイアがこれからも空輝や学校を狙うなら…私たちは不死者の王を倒さなきゃならなくなる訳でしょ?」
と言う。
俺の目的は正確にはヴァンパイアではなく、ヴァンパイアが使っていた赤い壁の結界なのだがそこには触れない。
そうだな、と相槌をうって少し思考を再開する。
しかし真耶の言うとおり、俺はまだしも学校がこれからヴァンパイアに狙われるならそれは阻止したい。
ただ、恐らく本当の目的はもっと別の所にあるはず。
俺を狙うなら、学校を狙う必要はないし、学校を狙うならその狙いもおかしい。
圧倒的に自分より劣る者を殺す時に人質を取る奴はまずいないだろう。
ムダでしかない。
まず、学校に何かが隠されてる訳はないだろう。
たとえ学校に何かがあったとしても、俺たちの前に出てくる理由がない。
ついでに俺を殺そうとした?それが一番濃厚なのかもしれないが……結界?を張った上に奇襲というシチュエーションで、ほぼ確実に正体など見られない状態なのにも関わらず、黒い霧のようなもので姿を隠すほど用意周到な奴が考え無しに目の前に現れるとは考えにくい。
でも…
「あーもう!いったん考えるの止めだ」
正直あいつの前でそんな事を考えるとあいつがキレてきそうだ。
「ふふ、目の前でそんなこと考えてたら怒るわよー?あいつ」
少し笑いながら言った言葉は俺の思ったことと全く一緒で、今もあいつがいたなら…まあ、そんな事を考えるあたり8年近く経っても結局まだ割り切れてないのだろう。
そんな事を考えている間に細長い小道を抜け、その場所へとたどり着いた。
そしてそこにある一つの石に向かって声を掛ける。
「おう、久しぶりだな」
返事は返ってこない。
当たり前の話だ。相手は物言わぬ石なのだから。
だがそれでも、分かっていても考えてしまう幻想。
「3日も早くフライングしちゃったけどいいわよね?あんたも嫌じゃないでしょ?」
真耶はその時を知らない。
それを知っているのは俺だけだ。
いや、俺だけでいい。
真耶は知らなくていい。
あいつに見せる景色は、いつも綺麗なものにしたい。
それが例え捻じ曲げられた虚像だとしても構わない。
「今日お前の家の電気が点いてた気がしたんだが…まあ気のせいだろうな。そんな幻想が見えるあたり、まだまだ未練タラタラみたいだ」
少し笑ってから、あと3日で8年も経つのにまだまだ色褪せずに思い出せるなんて…全く子供の時のことながらよく覚えてることだ。
「俺もそうだが、お前はどうせ花なんて分かんないだろうからな。花は添えないぞ?」
花を持ってくることなんて滅多に無いので、この文句も板についてきたように思える。
「それじゃあまた来年ね」
「そうだな。また来年に」
3日後のことを済ませ、来年も来る事を約束した。
周りから見れば石に向かって話しかける不審者かもしれないが、そんなことはどうでもいい。
きっとこれはただの自己満足。
でも、それでもいい。
それでいい。
そのくらいで、丁度いい。
今回の話はなんというかあえてそのものを出さないように書いたんですが、あまりにも分かりにくかったり、『何やってんのこの二人』って思ったら、作者の技量が低いだな〜と心の中で察してくれれば助かりますw




