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アマテラス  作者: red star
16/21

狐の見た風景

いつになったら戦闘出来るんだろうw


今回は玖葉が中心なので陽光では無く狐にしてます。決してネタが切れた訳じゃない。

分かっていた。

識っていた。

だから、注意を払っていた。

でもどこかで楽観していた。

『白昼堂々と襲う筈がない』なんて。


識っていた。

あいつらにとっては七術七法セプテットの秘匿なんてものはどうにでもなるということ。

それが今の結果で、この姿。


そうしないといけなかったとはいえ、この姿になるのは未だに躊躇いがある。

幼い頃から恐怖と拒絶をされ続け、争いの火種にも、外道のターゲットにもなった。

憎悪と嫌悪の視線を向けられ、罵詈雑言の嵐を浴びせられた。


そんな姿にならなければいけない程の脅威に気づかなかったのは間抜けの一言でしかない。

言い訳は免罪符にはならないし、それ以前に弁明の余地がない。

だから赦してもらおうとも思わない。

でもーーー



ーーー空輝あいつに避けられるのは堪えるかもな









そこに居たのは狐玉玖葉という1人の男。

しかし、それは『人間』ではない。

仮に彼を『人間』だと定義するならば、何故彼には紅く鋭い爪があり、陽炎のように揺らめく同じ色の尾があるのか。

それを見た時の空輝の顔は驚いたような、目の前の光景に眼を疑っているような、そんな顔。


ーーーそしてお前も…嫌悪と恐怖の混じった目で…


玖葉はそんなことを考えて、周りを警戒しながら少し微笑んでみる…が、さっきまで考えていた事がそのまま顔に出たのか、苦笑いのような少し困ったようなそんな笑いになってしまった。


ーーー笑顔には慣れた筈なんだけどなぁ


なんて、少しセンチメンタルになっている自分にまた苦笑い。

ああ、俺は馬鹿か?

こんな事も慣れていただろ?

そんな風に心の中で少しカッコつけてみる。


「なんだ、玖葉もハーフだったのか!」


そんな声が聞こえる。

声の主である空輝の眼を見るとそこには納得したような眼をしていた。


「は?」


思わず口から漏れた言葉は情けない一文字。

すると空輝は少し笑って


「それならーーー仲間だな」


そんな的外れな事を言う。

人間は自分とその周囲と違うものを恐れ、拒み、知的な興味を持つ。

しかし、知的な興味を持つには自分がそれにプラスのイメージを持たない限りあり得ない。

だから自然に自分に向けられるのは恐怖か拒絶か。

しかし空輝は『仲間』だと、そう言った。

そんな言葉は予想の範疇に無かった。

例え同じハーフでもかみあやかしという決定的なまでの差がある。

神がもう居ないことは知っているだろうから消去法で神とのハーフでは無いことが分かる筈だ。


「なによ、それじゃ私は仲間じゃないっていうの?」


ニヤニヤと意地の悪い小悪魔的な笑みを浮かべた霜月さんがそう問いかける。

ああ、そんな事を言ったらあの超絶鈍感リア充野郎は殺し文句を吐いてくるに決まってるだろう。


「い、いやそういう事じゃなくてだな?お前も仲間なんだけど…そういうのじゃなくて…もっとなんというか…そう!俺の大切な人(・・・・・・)なんだ!」


ああ……予想通り霜月さんは口をパクパクと開いたり閉じたりしたあとに顔を俯けて喜色に染まる笑みを隠そうとしている。

口元を見ると、テルのバカ!と繰り返し呟いてることが分かる。

その姿を見て首を傾げている空輝はもう爆発決定だ。

もうこいつら結婚していいんじゃないかな?

そうやって呑気な事を考えてた自分に気づいて


ーーーなんだ、どうこう難しい事を考えてた俺が馬鹿みたいじゃないか


そんな事を思う。

これからも今までと同じように、拒絶も恐怖も否定もされるだろう。

でもこいつらには認められた。

だから今はそんなユルくて楽天的な考えでいいんじゃないかって。


しかしそんな絶望おりの中の幸福をソレは赦さない。


「ククク、兎を狩ろうとしたら獅子までついてきたか…幸か不幸かは分からないところだな」


声のする方へと目を向けてもその先には誰も居ない。


「私はここに居るぞ?……と言っても私以外には分からんだろうがな」


おちょくるように、こちらを挑発するようにわざとらしく言う。

きっと見えない所で口元を三日月に吊り上げて嗤っているんだろう。

そんな姿が目に浮かんで今さっきまで抑えていたその力を爆発させる!

朱い壁が震える、黒い霧が見える、そしてその霧のもっと先に……!


「ちっ、厄介な事を!」


そんな声が聞こえたあとに霧が無くなる。

そして静寂。空輝は戦略を立て、真耶は空輝と背中を合わせて周囲を警戒している。

そして俺は自分の力をフルに活用してようとする。

しかしそれは出来なくなる。


「少し相性が悪いな、すまないがさっさと狩って退散させてもらおう」


そんな声が聞こえると、霜月さんが少し体勢を崩し、俺は襲ってくる倦怠けんたい感に顔をしかめる。

そして周りの生徒はまるで糸が切れた人形のように一斉に倒れる。

朱い壁は消えていつもの風景。

しかし、いつも通りになるにはまだまだ時間が掛かりそうだ。


「笑えねぇ…!」


そんな疑問と悔しさを滲ませた空輝の声が音の消えた学校に浮いて聞こえた。


更新ペースが…約2ヶ月に一回…もう読者が離れちゃうよぉ!


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