第6話 傭兵都市サークス
忙しくてあまり更新できません・・・・・
翌日、ライトはシェニミアが目を覚ます前に近くの川で魚を獲って来た、それを焼きながらシェニミア
が起きるのを待っていた。さらに今後の予定も考えていた。
「このまま行けば夕暮れ前に着くはずだし・・・」
そんな事を言うとシェニミアが目を覚ました。
「ん~おはようございましゅ・・・」
なんともかわいらしい寝起きの挨拶をされ笑いながらライトが言った。
「ちょっと寝ぼけてるぞ、近くに川があるから顔洗ってこい」
はい・・・と首をカクカクしながら頷き、立って歩いて行った。しばらくしてシェニミアは目を完璧に開けてライトに言った。
「朝の食事くらい私に言ってくれればやるのに!!」
「そんな気にするな、俺はシェニミアをこき使う気はないぞ」
そんなやり取りをしながらライトは焼けた魚をシェニミアに渡した。
「ありがとうございます、それでもせめてそれくらいの事はやらしてください!」
魚を受け取り、口に運びながら拗ねたように話す。
「わかったじゃあ昼はシェニミアに任せるとしよう」
「任せてください!」
元気よく言うシェニミアを見ながらライトは言った。
「それと今日中にサークスに着くはずだからな、それであんまり時間もないし、今から魔法の修行に入るぞ、最初は魔力の原理から入るからな」
「ほんとですか!さっそくお願いします師匠!」
シェニミアの発言にライトは目を丸くしていた。
「師匠?」
疑問を浮かべたライトの顔を見てシェニミアは笑顔で答えた。
「魔法を教えてもらうんですから、呼び方は師匠の方がいいでしょう」
なんとなく照れるライトだがその表情をなるべく見せないようにライトはさっそく説明に入った。
朝食中から始まった魔法の説明は長いものだった、シェニミアはそれを熱心に聞きていた。
結論から言うと魔法は頭の中でイメージしたものを魔力を使い形にするものだ。炎をイメージして魔力を送ればそれが炎として現れる、重要なのはよりリアルにイメージすることでそのために言葉にしたりしたのだ。だが一番難しいのは魔力のコントロールでそれが難しい事で魔法使い人口は少ないのだ。
ライトがまずシェニミアにやらせた事は道端の石を浮かせる事だった、物を浮かすにはその物体に合った魔力をコントロールしなければ正確に浮かぶ事ができないのだ。
最初、シェニミアは浮かばせる事はできるが、石に魔力を使い過ぎて空の果てまで飛ばしてしまった。
その次は魔力が少なすぎて浮かびもしなかった。だがシェニミアはめげる言ことなく何度も挑戦した、休憩の時に魔法の練習をしていたがその少ない休憩の時間に100回以上石を浮かす練習をしていた。そしてなんとか一定の場所で留まらせることができるようになった。
「見てください!師匠!できるようになりましたよ!!」
シェニミアはとてもうれしそうにライトに言った。
「シェニミアは飲み込みが早いなぁ、感心感心じゃあ次はそれを自由に動かす事が出来れば完璧だな。」
ライトはシェニミアに笑いながら継げた。
その後は歩きながら魔法の練習をしていた、その内に段々空が赤くなった。
「おっ!見えたぞあれがサークスだ!」
少し高い丘に出てライトは前方を指差した。そこには円形上に囲まれた壁の中に暗くなり始めたにも関わらず決して消えない光の塊のようなものが何万個と光っていた。その光景はとても鮮やかなものだった。
「わぁあ!!綺麗ですね~!」
シェニミアは初めて見た綺麗な光景に感激の声を上げていた。
「むこうに着いたら俺が取っている宿に行くからな荷物を置いてなんか食べに行くか」
ライトはサークスを見ながらシェニミアに今後の事を伝えた。そして付け加えるように言った。
「ああ、そうだシェニミアの傭兵登録が済んでいるはずだから後でカード取りに行くからな。」
「ええ!?傭兵!?」
シェニミアは驚きの大きな声を上げた。その反応を楽しむようにライトシェニミアに言った。
「俺の付き人なんだから傭兵の方がなにかと便利なんだよ」
「そ、それにしても傭兵って・・・」
シェニミアは何か怖いものを恐れているかのように恐る恐る言った。
「傭兵って言っても盗賊なんてものじゃないし、結構気楽なやつが多いから楽しいぞ」
そう言ってライトはサークスへ向かうための道を歩きだした。その後を急いで着いて行こうと一生懸命走るシェニミアが着いて行った。
サークスは周りを高い塀で囲まれている、入口は東西南北に4か所ありライトとシェニミアは東の門から入った。
門番にライトがカードのような物を見せて通行許可をもらい中へ入る。
シェニミアは生まれてから一度も見たことがない光景がそこにはあった。そこには大きな道があり
その端には所狭しと武器屋や防具屋が店を広げていた。もう夜になるというのに一向にそれが終わる気配はない。ライトがその道を歩き始めたのでシェニミアは追いつくように急いで走って行った。
「そうだった、宿に行く前に服買わないとな。たしかそこにいい所が・・・」
思い出したようにライトが言った。歩いて行くとそこにはやはり活気にある店がそこにあった。
「ミランダー!、この娘に服を見繕ってやってくれ」
ライトが話しかけたのは、店の椅子に座っていた女性だ。
「あら!ライ坊じゃないか!久しぶりに見たねぇ、元気だったかい?」
「ああ、元気だったよ、それよりちょっと急いでくれないか、さっさと飯にしたいし」
ライトは少し急かすように服屋の女性に向かって言った。
「はいよ、こっちの娘に服だねちょっと待ってな、あんたこっちに来な」
ミランダはシェニミアに笑顔で手招きして奥へ来るように言った。シェニミアはゆっくりとそこへ入って行った。
「ふぅん、白だね、ちょっとその真っ黒なのはこっちに渡しな、そんでこの服を着てみな」
ミランダはライトのマントを渡すように言ったが、シェニミアはそれを渡したくなかった、だがライトを待たすわけにもいかず仕方なくマントを渡した。
「あらま、あんた奴隷だったか。・・・ライ坊なにかやらかしたね、そんであんたがほっとけなくて連れて来たわけだ・・・」
「・・・・・・」
シェニミアは黙ってしまった。それを見てミランダは元気のある優しい声でシェニミアに言った。
「なに、ここには元奴隷のやつだっていっぱい居るよ、それにライ坊が助けたんだこれからは笑って生きてきな、ライ坊もそうなんだから・・・」
最後の方はどこか深い意味が籠っていた。シェニミアはその言葉を聞くといつの間にか目から涙が出てきていた。
「ありが、とう、ございます・・・」
涙を流したシェニミアに対してミランダは手のひらをシェニミアの頭の上に乗せ摩るように頭を撫で、優しい声で囁いた。
「ほら、泣いちゃいけない笑いな、ここではそれが唯一無二の鉄則だよ。」
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