第41話 真実
大分長らく更新せず申し訳ありませんでした・・・
やっと暇ができたので急いで仕上げて投降させていただきます。
今度の更新もいつになるかはわかりません、ですが必ず更新するので気長に待ってもらえたら幸いです。
ライトが洞窟を出てくるとシェニミアは笑顔で迎えた、その笑顔は実に明るいものでそれを見ただけでライトは安心してしまった。
「師匠、なかなかできませんよなにかコツでもあるんですか?」
手に瓶を持っているシェニミアはライトの完成させてある瓶を見ながら聞いた。
「シェニミアは魔力のコントロールはできてるが、魔力の性質がめずらしいタイプみたいだな」
シェニミアの周りにある無残に飛び散った瓶を見て満足そうに言う。
「魔力の性質?」
首を曲げてまでわからない表現をするシェニミア。
「魔力が持っている力みたいなもんだ、この瓶は魔力を一定以上受け付けないって言っただろ?魔力の微調整はできてるみたいだが、どうもシェニミアの魔力は多すぎるのと同時に膨張までするみたいだな、それが邪魔して瓶に丁度良く魔力があるのにさらに増えて瓶が割れているんだろう、ちなみに俺の魔力の性質は分解だ例えば剣に魔力を纏わせれば切れ味が上がるとかな、性質を利用すればより効果の高い魔法が使えるぞ」
なるほど、と言い再び瓶に魔力を込めるシェニミア、すると瓶には少しずつ液体のようなものが溜まっていった、満タンになる前に魔力をいれるのを止めるシェニミア、だが瓶は粉々に割れた。
「まぁ時間はあるからな少しずつやってけばいいさ」
そう言うとライトは歩き出してしまった、シェニミアは慌ててライトの後を追う。
「わっ待ってくださいよ師匠ー!」
「もう予定よりかなり遅れてるな・・・」
村に長居したくなかったライトは村からでて、高台のような所に行きそこで野宿することにした。
「予定だったらどんな感じなんですか?」
火を囲んで座っているライトとシェニミア、ミロスはというとシェニミアの膝の上で眠っていた。
「港ぐらいには付いてるはずだった」
少し遠い目をしているライト、この村に来るまでに魔人との遭遇から始まって神殿にまで行くまでに村一つを助け神殿に着いて、この先ほどの村に着いたのだ。
「まっ予定通り進んでもつまんないからな、こんくらいが丁度良いかもしれないな」
そいうとライトは寝転がり空を見る、空には星がきれいに見えていた。
「そういえば師匠儀式魔法陣っていうのはなんですか?さっき閉じ込められていた場所に変な模様があって、それについて教えてほしいです!」
「そう言われても実物見なきゃわからねえぞ」
それを言うとシェニミアは以前ライトから渡された本を取り出してライトに渡す。
「一応絵は描いてあるんですが、これじゃだめですか?」
ライトは本を受け取り開いて読み始める。
「・・・・・・・シェニミア、これ以上なにが知りたいんだ?」
半分どころか完璧に呆れた顔でシェニミアを見る。
「ですから儀式魔法陣について聞きたいんです」
真っ直ぐな目をして純粋な探究心を隠す事なくライトを見るシェニミア。
「と言ってもなぁ、完璧な情報のまとめ方、模様の共通点からの魔法的意味、さらに強度と魔力の流れ方までこれ以上教えることはないんだが・・・むしろ俺はこれをどうやって壊したのかが聞きたいよ・・・」
それを聞いたシェニミアははっ、と我に返ったようにして本を受け取りなにやら文字を書きだした。
それをライトは満足気に見ているとシェニミアは本をライトに渡した、それを受け取り文字を読み始めるライト。
そこには、魔力から創りだしたものから、回路、魔力量、属性、詠唱まで完璧に書き綴られていたライトはそれを読み終え、シェニミアを呆れ顔で見る。
「この魔法これからはあんま使うなよ・・・下手したら時空に穴でも開きかねん」
それほどの魔力量さらにさきほどわかったシェニミアの魔力の特性、それが合わさればここら一体を二度と人が住めなくなるような場所に変えることができるだろう。
「わかりました」
シェニミアは再度本を渡され少し考えた後に少し重い口を開いた。
「師匠、あの、少し言いづらいのですが、さきほど師匠と別れてから少しした後、丁度師匠がいる辺りから物凄い殺気が2つぶつかっていました、あれは・・・」
ギュッと服を掴んで軽く小刻みに震えているシェニミアは目の前にある火を見ながら言った。
「片方は俺だ、もう1つは同じ『国を裁く者』の一人ファウンドだ・・・」
何気ない様子でライトは答えた、だがシェニミアの顔は浮かないままだった。
「いえ、そういうわけではなく、師匠の殺気はどこかに弱さがあった気がします・・・明らかに戦闘で疲れきっていました・・・」
それを聞いたライトは顔に緊張が走ったが、すぐに元の何を考えているかわからない顔に戻った、そして空を見上げ口を開いた。
「・・・確かに俺は今回の戦闘でかなりの傷を負っていた、魔人と3連戦をするには無理があったな・・・・・・・いい機会かもしれないなお前にこの前手に入れた剣メメントモリについて話しておくか・・・」
そういうとライトはメメントモリを取り出した。
「この剣は元々呪われている、神殿で俺がやったことそれは今まで溜まっていた呪いを消し去ったことだけ、俺が持ち主になった今でもこの剣は呪いを受け続けている、さらに俺の過去から、痛み、苦痛、経験までなんでも知っている、そして今でも俺の経験したこと全てを吸収している、悪いことでも良い事でも全てな、一心同体と言ってもいい」
そこで一旦言葉を切りメメントモリを見つめるライト、だがすぐにまた口を開いた。
「今回の戦闘で2戦目のとクロディウス戦った時、俺はメメントモリに相手をさせていたメメントモリには触れた者を自動的に時空空間に飛ばすことができる、それは魔人にも気づかれない程のものだ、だがメメントモリは負けたそしてメメントモリンの傷は俺に流れ込んだ、俺が突然倒れたことがあっただろあれは傷そのものはなかったが、傷の痛みは完璧に受けていた体力もなにからなにまでも・・・」
その後もライトの説明は続いていった、シェニミアはそれを静かに聞き入っていた。
「・・・、こんなもんだ、俺の未熟さと無力が招いた結果だな、だから俺は強くなりたいなにがなんでも・・・」
ライトが説明を終えるとシェニミアは口を開いた。
「私が閉じ込められた場所に居る時外側の結界が崩れるのを感じました、その時師匠が置かれている状況を全て把握することができました・・・私はその時恐怖を感じました、師匠が死んでしまう、そんなことを考えるだけで全身が震えてしまいます・・・私は弱いんです魔法が使えたとしても師匠が居なければなにがなんだかわからなくなってしまう・・・・・・・これだけは言っておきます、私を、私を一人にしないでください・・・」
シェニミアの瞳からは小さな雫が落ちた、夜空にはそれに続くように星が流れていた。
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