第19話 襲撃
馬を素早く方向転換させ爆発音のした所まで急ぐ。
森の中を翔け少しして開けた場所に出てその爆発音の正体をライト達は目の当りにした。それは、魔物が村を襲っている光景だった。
「ちッ!!」
短く舌打ちをして馬を降りるライト、そして素早く呪文を唱え馬とシェニミアを覆うようにシールドを張る。
「これから魔物共をこっちに引き付ける、シェニミア達はそのシールドから出るなよ!!」
言うだけ言い、さらに魔法を使う。今度は手のひらを空へ掲げ火の塊を空へ放つ。
ものすごい爆発音をさせ魔物達はその方向を一斉に見る、そしてそこに人間が居るのを見るやほとんどの魔物がライト目がけて走って来た。
「ガァァアッ!!」
威嚇するように奇声を上げ手に持つ棍棒をライト目がけて投げる、魔物達はそれにならうように一斉に持っている武器を投げた。
ライトは剣を地面に刺し、手を前に出し魔法を唱えた。
「グラビティ・シールド!!」
唱えた瞬間投擲された武器は何かの力で空中に止まった。そしてライトが手を降ろした瞬間それまで空中に居た武器は地面へと落ちた。
「バカにはバカなりの闘い方があるだろ?それを見せてみろ!!」
挑発、それは知能が低いとされる魔物種がもっとも敏感に認識できるものだ、つまりその場に居た魔物は全員ライトを標的として攻撃してくる。
一斉にライト目がけて突進をしてくる魔物、それをライトは地面に刺した剣を構え迎え撃つ。
最初に来たのはゴブリンだ、それを剣で刺しそのまま刺したゴブリンを投げ飛ばし、前方にいる他の魔物をなぎ倒していく。その衝撃は凄まじくなぎ倒された魔物のほとんどは強い衝撃により即死した。
その光景を見ていたシェニミアは口に手を当てて見ていた、ミロスは依然としてシェニミアの肩に乗り退屈そうにあくびをしていた。
(こんなことで驚くでない、魔物が村を襲うのはどこの時代でもあることだ。それにお主の師匠があそこで戦っているだろう、安心して待っておれ。どーせあやつのことだ、ぴんぴんして戻ってくるさ)
「・・・・・・でも、あんなに魔物がいるのに・・・・・・・」
ミロスはそれを聞きシェニミアに聞こえないくらい小さなため息をした。
(お主、あやつを舐めてはいないか?たかだかあの程度の魔物に殺される程お主の師匠はやわではない・・・)
それを聞き改めてライトの方を見るシェニミア、その目に映ったのは最後の一体を倒し終え剣を地面に刺し小さくため息をしたライトだった。そしてシェニミアの方を見て笑いながら手を振った。
(ほらみろぴんぴんしているだろ、あやつに心配するだけ時間の無駄だ、それにあいつとてみすみすお主を一人にしたりなんかするわけがない、そうだろ?)
そう聞かれシェニミアは納得した。
「なんか話してたのか?」
そう言いながらライトが近づいてくる。シールドを外して馬を手綱を持つ。
「なんでもありません」
シェニミアは元気よくそう答えた。
どうやらライト達がすぐに村に着いたためそこまで酷い被害はなかった、爆発音の正体は村の門に爆弾を投げた音だったらしい。
ライトは村長と話をしているあいだ、シェニミアはけがをした村人に簡単な回復魔法をかけて回っていた。
「これで大丈夫だよ。他に痛い所ある?」
最後の5、6歳の子供に回復魔法をかけ終え、質問する。
「ううん、もう大丈夫、ありがとうお姉ちゃん!」
元気よく挨拶を言うと子供はこれまた元気よく走って行った。
「シェニミアー、今日はこのままここで休んで明日から神殿に向かうぞ」
ライトが村長の話を聞き終えシェニミアに話掛けた。シェニミアはようやく現在の時間を認識した、どうやらもう少しで日が沈みそうな時間だった。
シェニミアはその日は村の家の中で寝させてもらった、ライトはというと先ほどの村長との話の事を考えていた。
『本来なら魔物は昼間に行動はしないはず、なのにいきなり魔物が襲ってきたこれにはなにか理由があるはずじゃ、聞けばこれから救済神の神殿に向かうというではないか、ではもしその道中魔物の一団を見つけるようであれば、どんな方法でも良い知らせてはくれぬか?場合によってはこの村を捨て他に移り住むという選択をしなくてはならないかもしれん・・・』
(魔人の出現が魔物に何らかの影響を及ぼしているのか・・・?それとも単なる偶然か・・・?)
なにを思い立ったかライトは歩きだし森の中へ入って行った。そして指を鳴らし魔法陣を創りだし以前と同じようににクラストへ連絡を入れる。
「ようくそじじい、よくも本を返し忘れたなんてほざいてくれたな、次会った時はぜってぇぶん殴るから覚悟しとけ!!」
『もう夜中なんだから少しは静かにしたらどうだくそガキ?』
いつも通りの悪態をつくライトとクラスト、それを終えるとライトは本題に入った。
「魔物が昼間に村へ襲撃してきた、これは魔人の出現と関係があるのか?」
『・・・・・・魔物の種類は?』
「ゴブリンからオーク、おそらくアンデットも居ただろう」
それから少し考えるような仕草をしたクラスト。
『実はそのような事態が大陸各地で起き始めている、お前が居る所を合わせて全部で8ッ箇所、その内の3つは壊滅した、各国へはすでに緊急事態を告げてある、このままいけばおそらく魔人側との全面戦争になりかねないだろう・・・』
「ってことは・・・」
『第四次魔界大戦が起こる・・・』
話が少し大きくなり過ぎてしまいました・・・
これからが大変そうです・・・




