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ウォーカー  作者: 麒麟
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第11話 支度

極東とは周りを完全に海に覆われた島国の事だ、島国のため古来より独自の文化を創り上げている、何百年前の戦争には参加せず、戦後の支援等をして各国の信用を得ている。だが古来より頻繁に地鳴りが起こっており現地の神話では神の怒りや、災いの根源と言われている。

 宿舎に着き受付から資料を受け取り目を通したライトはうんざりしていた。サークスは巨大大陸モーラスのほぼ中心に位置している、極東の島国はサークスから早くて1ヶ月の場所にある、大陸端の港まで20日程掛かり海を渡るのに10日も掛かるのだ。

「うだ~めんどくさい。」

ソファーに寝転がり愚痴を零すライト、一方シェニミアはなんだかワクワクしているようだった。

「なんで嬉しそうなんだ?」

信じられないといった感じで質問を投げかけるライト。

「え、だって島国ですよ、私あまり広く世界を見た事はありませんし、だからとっても楽しみなんです。」

満面の笑みだった、なんとなくクラストの思惑が見えて来た気がしたライトは、何となくイラついた。

「しょうがない、とくに用意する物はないし適当に門までになんか買ってくか。」

そう言ってライトはさっそく準備に取り掛かった。準備と言っても特になにもなく簡単な身支度だけを済まして宿舎を出る。


「シェニミアにもマントを買わないとな、昨日の所でいいか。」

ライトは黒の服の上にさらに黒のマントを羽織っており、どこから見ても真っ黒な服装だった。

 昨日行ったミランダの店に着き、さっそく注文をするライト。

「なんだいライ坊、昨日帰ってきたと思ったらもう行っちまうのかい、せっかちだねぇ。」

「ハハハッ!ちょっと出張でな極東まで行かなきゃいけないんだ。」

「極東にねぇ、ライ坊だけじゃなくこの娘も居るんだからあんまり無理させんじゃないよ。」

どうやらミランダはシェニミアを心配しているらしく、何度も忠告してきた。

 シェニミアのマントを受け取り、ミランダの店を後にするライト。帰ってきたらまた顔を見せな、と言われてしまい、まるで母親を見ているようだった。

 シェニミアはミランダの店で買ってもらったマントを羽織った、色はライトとは対照的な白のマントで、シェニミアは何だか面白くて自然に笑ってしまった。

「後は武器屋によってくからな。」

次に行き先を言い武器屋へと向かうライトとシェニミア。


武器屋に着いたライトは一人で店主と話しており、シェニミアは武器を見学していた。武器はいろいろあり剣もあるし杖も、中には見たことがない奇抜な形をしている物もあった、だがそこで一つだけ違和感のある物があった。それは七色に輝く鮮やかな石だった。それを遂手に取るシェニミア、驚くべきことにその石は暖かく、呼吸をするかのように鼓動していた。ライトが店主と話終えシェニミアの元へと行き、シェニミアの持っている物を見て物珍しい物を見たような声を上げた。

「ほう、これは封印石じゃないか。」

「封印石?」

疑問の声を上げるシェニミア。

「封印石ってのは、大昔に封印されたか、精霊によって石の中で力を蓄えさせ時が来たときに解き放たれる、2種類あってこれは大昔に封印された口だな。」

へぇ~、と声を上げるシェニミア説明を聞いてる時も一回も目線を逸らさずにその石を見つめるシェニミア。それを見たライトはある提案をした。

「折角だ、これも買っていこう。おーい!おっちゃん、これいくらだ?」

シェニミアが何か言う前に店主へと聞くライト。店主はどうやらこの石の事はあまりよく知らないらしく、大した値段でもなく買う事が出来た。

「サークスを出たらさっそく解放してやるといい、解放には大量の魔力が必要だが、シェニミアなら問題ないだろ。」

ライトはそう言って、店主に注文した物を取りにいった。ライトが注文したのは10本程の剣だった。どうやら長旅になる事を覚悟して、壊れた時のために剣を買い溜めするという荒業に出たらしい。その剣をどうやったかわからないが魔法で空間に穴を開けそこにポイっと放り投げた。

 シェニミアは何が起きてるかまったく理解できず、ぽかーん、としていた。

「ああ、驚かせたか、これは空間魔法っていって空間に自分専用の倉庫のような物が出来るんだ。ちっさくして持ってく手もあるんだけど面倒だからそのまま倉庫に入れた。そのうちシェニミアにも教えてやるよ。」

まったく何を言ってるのか理解できなかったシェニミアだが、そのうち教えてくれるということでさほど追及しなかった。

 それより封印石に目が行ってしまうそうで、封印石をじっと見つめていた。


「さてと後は特にないしそろそろ行くか。」

用は全て終わり、さっそく門へと進むライトとシェニミア。

「そういえばシェニミアのランクはどのくらいなんだ、たしか俺が推薦したからある程度良い所に入るはずなんだけど。」

「えっと、私のランクは~?47390?」

それを聞いたライトは驚きの声を上げた。

「47390!?あのくそじじいまさか手回しやがったな、俺の時はきっちり最下位から登録したくせに・・・」

などと愚痴を呟くライト、シェニミアはいまいち実感がないのか首を傾げていた。

「あの、そんなにすごいんですか?」

「ん?ああそうだな、傭兵の総人口は約1000000人でその中の47390位ってのは結構すごい方だぞ。」

「1000000!?そんなに傭兵っていたんですか!?」

シェニミアは桁の数に驚いていた。

「あ~でも全員がサークスに居るとはかぎらないからな、傭兵なんかそこらにどこでも居るし。」

あわわわ、とあまりの数に怯えてしまったシェニミアであった。


 

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