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ウォーカー  作者: 麒麟
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第9話 ゼジラス傭兵登録機関

次の日、ライトはシェニミアより早く起きていた。ライトの居る宿舎は朝食を頼むことができそれを2人分頼んだ。シェニミアはいまだにスースー、と寝息を立てて寝ている。ライトはそれを見るためにシェニミアの顔を覗き込んだ。その時シェニミアの目がパッチリと開いた。お互いに目を合わした状態で止まってしまいそのまま数秒が過ぎる。やがてライトが声を出した。

「えっと、おはよう・・・。」

さすがにライトもどうしたらいいかわからなくなってしまい、とりあえずこの空間を脱出するため朝の挨拶をすることにした。それを聞いたシェニミアもハッと、した様子でおはようございます・・・、と返した。

 数秒後、ここぞとばかりにドアが叩かれたどうやら朝食が来たらしい。それは見事にいままでの空間をぶち壊してくれた。ライトがそれを取りに行く。取って帰ってくると上に料理が盛られた皿を2枚持ってきたそれをベッドにいるシェニミアに渡し、ライトはソファーへ座る。ちなみに今回の朝食はパンだ。

「今日は本部まで行かなきゃいけないから朝飯食ったら行くからな。」

「あ、はいわかりました。」

シェニミアはパンを口に運ぶ時に言われたため、不意を突かれた。


2人とも朝食を食べ終え、少し休憩した後宿舎を出た。

 ライトはいつも通り真っ黒な服装で、シェニミアは昨日買った白い服を着ていた。

「先にシェニミアのカードを取りに行くからな、その後にくそじじの所に行くから。」

「その、くそ、じじいとは・・・?」

シェニミアは疑問に思った事を率直にライトに尋ねた。

「クラスト・ミドレバロ、№1にして俺の師だ。」

ライトは心底嬉しくない顔で言った。

「№1・・・?№1!?師匠の師匠はそんなにお強い方だったのですか!?」

最初は何だか実感が湧かなそうな様子だったシェニミアはもう一度考えてみてようやく、話を理解した。

「ほぼ無理矢理弟子にされたんだけどな・・・」

ライトは遠い目をしながら言った、シェニミアは首を傾げながらライトの顔を見た。だが、そんな間に前には大きな建物が見えて来てシェニミアはそちらに目がいった。

「見えて来たな、あそこが傭兵の登録やその他のことをする場所、ゼジラス傭兵登録機関だ。通称本部って呼ばれる事が多いがな。」

ライトの言葉を聞き改めてその建物を見るシェニミアはその大きさに圧倒された、その建物はもはや城と言っても良い大きさがあった。

「ほら止まってないでさっさと行くぞ。」

立ち止まっていたシェニミアを呼んだ。その後はライトが本部の話を始めた。

「創設者は、くそ・・・クラスト・ミドレバロ、創設の目的は前話した通りだが、他に聞きたい事あるか?」

「あの、では師匠やガズさんの他の『国を裁く者』(ジャッジマスター)はどんな方なんですか?」

ガズの名前を呼ぶ時は声が若干小さくなった。

「ん~まずは第2位のジーザンス・モーンってのには気を付けろよ、ほっとくと何しだすかわからない変人だから、あとは第5位のファウンド・マインドは別の意味で気を付けろよ、あいつは女のくせに女を襲ってくるから。後は特に大丈夫だな、あ~それと正確には今『国を裁く者』(ジャッジマスター)は9人しかいないからな、もう1人は今行方不明だからどこに居るかわからんから。まあ基本変人だらけだな」

話を聞いたシェニミアの顔はなんだか複雑な顔をしていた。

(変人集団・・・・・)

ライトは話終えた後、数秒考えた顔をしてシェニミアに一つの質問をした。

「なあ、シェニミアにはしたの名前はないのか?」

それを聞かれシェニミアの肩はビクンッと揺れた、その後には肩が小刻みに震えだした。

「わたしは、親に売られてしまいましたから、もうシェニミア以外の名前はありません・・・」

「そうか・・・俺もなライトって名前の前には他の名前があったんだ、でもその名前は捨てた、今の名前はライトその他にはないし、欲しいとも思わない」

はっきりと言った、断言するように、その言葉はシェニミアはなぜか元気付けられた。

 ライトは言った後そっとシェニミアの顔を見たその顔は笑っていた。

 そんな事をしている内にゼジラス傭兵登録機関の前まで来た。近くに来て見ると物凄い大きさに目が眩んでしまうような感覚さえある。

 中へと進むライトとシェニミア、中に入る時は門があり両方には兵士らしき人が建っていた。中にはまず円形状のテーブルがあり中には10人程の受付の人が座っていた。

 その一つへ近づくライト、それに着いていくシェニミア。

「カードを取りに来たんだが、名前はシェニミアだ」

はい、と言った後受付の人は少々お待ちください、と言いどこかへ行った。30秒後受付の人が戻ってくるとカードの他になぜか白い布に包まれた棒状の何かも抱えられていた。

「こちらが傭兵登録の証のカードでございます、そしてこちらはクラスト・ミドレバロ様より預かった物です。どうぞお受け取りください」

それにはライトも面喰ってしまった、たしかにライトはシェニミアを連れてくることを一応報告していた。だがまさかこんな物まで用意しとくとはさすがに思ってもいなかった。

 カードと贈り物を受け取ったシェニミアは首を傾げていた。

「開けてみろよ」

ライトはこのままじゃなにも始まらないといった感じ、シェニミアに告げる。

 包みを開けるシェニミア、開けてみるとそこには長さ1m程の真っ白な杖があった、その真ん中には文字が書かれていた。だがそれはシェニミアには読めない文字だった。ライトに見せてもわからない文字だった。

「これは本人に聞いた方が早そうだな、じゃあさっそく行くか」






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