7話 阿修羅
「はあ、もう朝か…」
僕はベットから上半身を起き上がらせて、目を擦った。
僕の隣にはエリナが枕を抱え、裸でうつ伏せで寝ていた。
「可愛いな…」
僕はエリナの髪を触り、エリナの耳も触った。
「んっ…、起きたの?」
エリナは掛け布団を持ち、上半身を起き上がらせた。
「朝食作るから待ってて」
エリナは側にある服を着て朝食を作りに部屋を出た。
「………」
僕は服を着て机の前に立った。机の上に置かれていたのは本だった。この本は深淵の書。カナエの持ち物で石化する前に地面に落としたらしい。石化したカナエを外に放置するのもあれなので、僕の家の空いている部屋に置いた。
(深淵の書…、自分はどこから生まれたか知ることの出来る魔導書)
僕は深淵の書の中身が気になり、本を開いた。
「があああっ」
僕は深淵の書の中の文字を読んだ。
頭に映像が入り込んでくる。
自分の過去の映像が…。
次の瞬間。
僕は地球を遠くで見ていた。
僕は光の球体の中にいた。
隣に目を遣るともう一人、女の子がいた。辺りを見回したが僕とその子以外誰もいなかった。
その女の子は僕と目が合うと微笑んだような、そんな気がした。
「うわああっ!」
僕は目を覚ますと、さっきの映像は無くなっていた。
(先のは何だったんだ?)
僕は深淵の書を燃やすことにした。
この本は誰も読んではいけない。そんな気がした。
僕は外でこの本を燃やし、家に戻った。
僕は朝食を取った。
黒十字騎士の定例会があるため、僕は家を出て向かった。
僕は城に辿り着いた。
「それでは定例会を始めます」
シャーロットはそう言い、定例会は始まった。
「まず始めにヨミ、エルドラドを始末してくれてありがとうございます。フェリクスは皆さんのご存じの通り、エルドラドに殺されてしまいました」
「フェリクスは黒十字騎士の中でも正義感の強い人物で人々から慕われていました。とても惜しい人物を無くしました」
「ああ、そうだな」
シャーロットはそう言ったので僕はそう答えた。皆、頷いた。
「今日は珍しく黒十字騎士、フェリクスは死んだが十名全員揃っているじゃないか」
アリステア・エヴァンズはそう言った。
「それもそうだな。珍しい」
テオドール・ルーズヴェルトはそう言った。
「ここに全員集まったのは不吉な兆しがあったからです。貴方達はそれを察知したから来たんでしょ」
エレノア・ガルシアはそう言った。
「そうなのか。私は何となく来ただけだから分からなかった」
アリステアはそう言った。
「俺もわからなかった」
テオドールはアリステアと同じくそう答えた。
「ううん」
シャーロットは咳払いをした。
「話は変わりますが、フェリクスが死にましたので後継者をどうするか決めたいと思います」
シャーロットはそう言った
「誰か候補はあるのか?」
ガブリエル・エルサレムはそう言った。
「「………」」
黒十字騎士と王、全員が黙った。
「無いようだな」
ガブリエルはそう呟いた。
「バンッ」
部屋の扉が開いた。
「私を黒十字騎士の一人にしてください」
アルス・ウィリアムズは強い意志でそう言った。
この男は王女と婚約している騎士だ。
「ああん」
「ここはお前が入ってきて良い場所じゃないんだよ」
ガブリエルは不機嫌な面持ちでそう言った。
「話を聞いた所、他に候補者は無いと見受けられます。僕を黒十字騎士の一人にして下さい」
アルスは諦めず懇願した。
「良いんじゃないか?」
僕はそう言った。
僕がそう言うと、静まり返った。
「俺は反対だ。王女の婚約者だからといって優遇するわけにはいかない」
テオドールは反対した。
「俺も反対だ」
ドレイクはそう言った。
「まあ、お二人さん。ヨミが良いって言ってるから良いじゃねーか」
(面白い事になりそうだ)
ヴィクトリア・レイノルズは僕の意見に賛同した。
「ではアルス・ウィリアムズを黒十字騎士の一員に加えます」
シャーロットはそう言った。
「最後に。最近、魔王軍は勢力をつけ、王都を脅かしています」
シャーロットは事実を伝えた。
「魔王は私が殺したはず…」
ソフィアは驚いた様子だった。
「魔王はどうやらまだ生きていたようです」
「厄介だな」
シャーロットの言葉を聞いてテオドールはそう言った。
「魔王は俺が殺す」
僕はそう言い放った。
「そ、そうですか…」
シャーロットはそう言った。
「私も手伝おうか?」
カミラ・オーウエンズは僕にそう言った。
「いや、大丈夫だ」
僕はそう言った。
定例会は終わった。
その後、ヴィクトリアはアルスに何かを耳打ちした。僕はそれを見て嫌な予感がした。
定例会から一週間が経った。
「巫山戯るなあああああああ!!」
アルスはそう叫んだ。
「お前がリアと寝ていたのは見たんだよ」
「………」
ドレイクは黙った。リアはアルスと婚約している王女の名前だ。
「リアは色んな男と寝ているんだよ。お前が種なしで子が成せないからなあ」
「殺してやる」
ドレイクの言葉でアルスは激昂した。アルスは他の兵士二人に腕を掴まれ押さえこまれていた。
「いやあー、気持ち良かったなあ。俺の巨体でベッドでギシギシしてお前の女すごい喘いでいたよ」
「殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる、殺してやる」
「やれるもんならなあー!!」
「離せ!」
アルスは兵士の拘束を振りほどいて、携えていた剣でドレイクに向けて振り下ろした。
「がはっ!」
ドレイクは左手でアルスの体を殴り飛ばした。
「お前の女、大人しい顔してものすごいエロいんだぜ」
「リアのイクところ見たことあるか? 無いよなあ。おまえの逸物じゃ、満足させられないよなああああああ!」
「うわああああああああああああああ!!」
アルスはドレイクに向かって走った。
「がははははは」
ドレイクはまたアルスを殴り飛ばそうとした。
「ぐわああああああああああ!」
アルスはドレイクの拳を避け、流れに沿って手から腕へと腕を切りつけた。
「ぐっ」
ドレイクは腕から首にいく剣の刃を間一髪、後ろに移動することで避けれた。
「糞があああああああああああ!!」
ドレイクは吠えた。
「その辺にしたらどうだ?」
僕は騒ぎを聞きつけてここに辿り着いた。
「ヨミ、お前もこいつに何か言ってやれ。黒十字騎士同士の決闘は違反行為だ」
ドレイクは言った。
「ドレイク、無闇に挑発したお前が悪い」
「巫山戯るな。お前も王女と関係持ったことがある癖に」
ドレイクは僕にそう言った。僕を巻き込む気だ。
「嘘ですよね、レッドフィールド卿」
アルスは信じられない様子だった。
「悪いなアルス。本当の事だ。お前が種無しだから関係を持った。王からの命令でな。他にも大勢王女は関係を持ってるから、俺だけじゃない」
僕はそう言った。
「あっ、あ、あ、あ、ああああああああああ」
アルスは壊れた。
「壊れちまった。がははははは!!」
ドレイクは喜んでいた。
「左手のお返しだ。死ね」
ドレイクは涙を流し壊れたアルスを殴り殺した。
見物人の中に僕の知り合いがいた。
「ヴィクトリア」
僕は名前を呼んだ。
「何だよ」
「お前だろ。アルスを焚きつけたのは」
僕は責めようとした。
「だから何? 私が悪いっていうのか?」
「人をおもちゃ扱いするな」
僕はそう言い諭した。
「お前も王女を玩具扱いしたくせに?」
ヴィクトリアは笑いながらそう言った。
「もう、いい」
僕はそう言い、その場を去った。
八部衆のアジドから離れた場所に迦楼羅は天を呼び出した。
「こんなところに呼び出して何の用だ?」
天は八部衆の一人、迦楼羅にそう言った
「天、貴方は邪魔なんですよ」
「どういう意味だ?」
天は聞いた。
「貴方は私達の頭として私達に属性の力を与え、名を授けた」
「貴方には感謝してますよ。しかし、もう貴方の下で働くのは厭りなんですよ」
迦楼羅はそう言った。
「貴方と阿修羅だけは最強の属性の力を手にしていない。ただ、阿修羅は属性の力が無くとも私達より数倍強い」
「だけど貴方は弱い」
「八部衆の頭の座を狙うなら今、この時なんですよ」
迦楼羅は興奮気味にそう言った。
「黒炎」
迦楼羅は黒い炎を出した。黒い炎は天に目掛けて来た。
「………っ」
天はそれを避けた。
「死ねっ」
天は剣を抜き迦楼羅に振り下ろした。
「っはははは、私には効きませんよ」
「私は黒い炎と一体となった」
「死ねええええええええええ天んんん」
迦楼羅は最大火力の黒い炎を天に浴びせようとした。
「何ィッ…」
天は迦楼羅の首を手で絞められていた。
「お前は私より強い? お前達に力を与えたのはこの私だ」
迦楼羅は実体となり天に首を絞められていた
「お前には特別に教えてやろう」
「この目の力は眼力と呼ばれる物だ。眼力で相手を無体である物を実体とすることができる」
「つまりお前は無敵では無い」
天はそう言った。
「くそお、クソがあああああああああああああ」
迦楼羅は天に首を絞められそのまま死んだ。
数日後…。僕は王都で買い物に来ていた。もう辺りは暗くなり僕は家に帰ろうとしていた。
僕は家に帰ろうとしたがもの凄い殺気を感じ、そいつを始末してから帰ろうとした。
僕は森の道を通り、木に囲まれた開けた場所に僕はそいつを誘い出した。
「さっきから殺気を僕に放っているのはお前か?」
僕は立ち止まってから振り返りそう言った。
二ィッ…。
不敵な笑みでそいつは出てきた。
「俺は阿修羅。八部衆の一人。お前と力比べがしたくてここに来た」
八部衆の一人、阿修羅は僕にそう言った。
「死ね」
僕は風魔法でブレードを三発放った。
(風魔法か…)
阿修羅は僕の攻撃を察知した。
「風魔法は効かなくなーる。風魔法は効かなくなーる」
阿修羅はそう言い、僕が放った風のブレードに手を向けた。
風魔法のブレードは当たったが、ブレードは砕け散った。
傷一つも付かなかった。
「俺はな、自分に暗示を掛けて自分の力を制御しているんだ」
阿修羅は両手を広げそう言った。
「何故、それを俺に言う?」
僕は聞いた。
「だって、フェアじゃないだろ」
阿修羅は言った。
「魔力固定」
僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、浸食するように手を覆った。右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った。
「………」
僕は剣を阿修羅に振り下ろした。
「二十パーセントの力が使えるようになる」
阿修羅は僕の剣を受け止めた。
「五十パーセントの力が使えるようになる」
阿修羅は僕の腹に拳を当てた。僕は遠くまで吹っ飛んだ。
「ぐっ…」
僕は黒い大剣を杖代わりにして起き上がった。
「肋骨の骨を砕いたのに起き上がるのか」
阿修羅は不思議がっていた。
「くそっ…」
魔力で防壁を作り攻撃を防ごうとしたが魔力を破壊し、僕の骨を砕きやがった。僕の回復の力が無ければ死んでいた。僕の回復の力は魔法の力とは違う。僕の元々の体質で傷の治りが早い。
「じゃあ、取って置きを見せてやろう」
「黒い氷柱」
阿修羅は手をこちらに向けた。
阿修羅の前に無数の氷柱が出現した。
「死ねえええええ」
阿修羅は僕に黒い氷柱を飛ばしてきた。
「ハードバリア」
僕は魔力でバリアを作り出した。
「そんな物、僕には効かない」
僕は氷柱をバリアで防ぎ、阿修羅に向かって黒い大剣を振り下ろした。
「それはこっちの台詞だ」
阿修羅は両腕を交差し僕の斬撃を防いだ。
僕はそのまま腕を切り落とそうとしたが力で押され黒い大剣は弾き飛ばされ手から離れた。
「もっと俺を楽しませろよ、ヨミ」
阿修羅からもの凄いパンチが幾度も繰り出される。それを僕は受け後ろに後ずさる。
「引き寄せる」
僕の手に黒い磁力が流れ、遠くに突き刺さっていた黒い大剣が反応しこちらに引き寄せられた。
「危ねっ」
阿修羅は僕が能力で引き寄せた剣を避けた。僕は黒い大剣を手にした。
「八十パーセントの力が使えるようになる」
「ヨミ、死ねえええええええええええ」
「黒い氷柱」
僕の四方八方に黒い氷柱が出現した。
「アブソリュート・バリア」
僕は魔力でバリアを作り出した。
(何だ、これは…)
僕は黒い氷柱が来る直前、僕は未来を見た。
これはデジャブという物なのか…。
僕がハードバリアを使ってバリアを張ったが黒い氷柱が突き刺さり、魔力の防壁を破り、僕に突き刺さり僕は死ぬ。そのデジャブを見た。
(どうする、どうすればいい)
僕は刹那の一瞬、そう思った。
「あはははははああああああ」
「ヨミ君。簡単に死んじゃいまちた」
「俺が最強だあああああああああ」
阿修羅は興奮気味にはしゃいだ。
「………何で…お前…」
阿修羅は僕を見て信じられない様子だった。
僕は傷一つも付いていなかった。
「死と再生」
僕は風と一体となった。僕は黒い氷柱が突き刺さるときこの力を使えるようになった。
黒い魔力のオーラが漂う。黒い氷柱は僕の体を通り抜けた。
「馬鹿な…」
阿修羅は僕を仕留め損ねたため驚いた。
「くっくっく、俺の全力でお前を殺してやる」
「全力を出したら俺でもどうなるのか分からねえ」
阿修羅はどうやら力の全てを出すようだ。
「百パーセントの力が使えるようになああああああある」
阿修羅の体から大量の魔力が放出された。
「死ねええええええ、ヨミィィィィィィィィィィィィ」
阿修羅はそう叫んだ。阿修羅は両手を前に出し魔力を放出した。
「お前が死ね」
阿修羅が暴走し大量の魔力が僕に向かってきた。大量の魔力は地面を削り取った。
僕は黒い大剣を持ち、阿修羅の攻撃をすり抜け阿修羅に剣を振り下ろした。
「があああっ」
阿修羅は僕の剣の斬撃を浴びた。
「最後に言い残す言葉はないか?」
僕の斬撃で死にそうな阿修羅に聞いた。
「俺の全力でもお前には敵わなかった…。お前に会えて良かった」
阿修羅は木にもたれ掛かり血を吐きながらそう言った。
「そうか…。苦しまないよう一振りで殺してやる」
「ああ、頼む」
阿修羅はそう言った。
「………」
僕は剣を振り下ろそうとしたが止めた。
阿修羅は涙を流していた。僕は阿修羅を殺してはいけないと思った。
「どういうつもりだ?」
僕の行動に阿修羅は聞いてきた。
「気が変わった。お前は心を入れ替えて第二の人生を生きろ」
僕はそう言い残しその場を去った。
阿修羅は生き延びた。後日、阿修羅は行方不明となり八部衆を抜けた。
僕は家に帰った。
「ただいま」
僕がそう言うとアリアが来た。アリアが帰って来ているとは珍しいと思った。
「私が居てガッカリしたか?」
アリアはそんな言葉を使わないのに珍しくそう言った。
「そんな事は無いよ」
僕はアリアの頬を手で触りそう言った。
僕は食事をアリアと取り取り、寝る身支度をし終えた。
僕はアリアの部屋に入った。
「なあ、アリア。僕がエリナやシエラを可愛がってもお前は気にしないのか?」
「何で私がそんな事を気にしなければならないんだ?」
「アリア、お前は可愛くねーな」
アリアは一瞬、悲しい表情を見せた。
「………」
アリアは涙を流した。
「嘘だよ、アリア。アリアは今日も可愛いなあ、さすが俺の嫁」
突然の事で僕は慌て、取り繕った。
「ごめんな、アリア」
「………」
僕とアリアはベッドで寝た。僕は泣いているアリアを抱きしめ頭を撫でて宥めた。
朝になった。
僕は腕をアリアに抱きしめられ、目が覚めた。
僕は起きず、そのままでいた。
アリアは目が覚め、起きたのか腕が解けた。アリアは僕の方を見てどこにも行かず、また僕の隣に寝転んだ。
「………」
アリアは僕の顔を見ているから視線を感じる。
「起きてるか?」
「………」
アリアは僕にそう言った。僕は寝たふりをし、無反応で返した。
「………」
アリアは僕の頬にキスしてきた。
「………」
アリアはまたキスすると何回も僕にキスしてきた。
(やばい…、起きてアリアの反応が見たい)
「………」
僕は無反応で通した。ようやくアリアのキスは終わったようだ。
アリアは起き上がり部屋から出て行った。
あれからまた数日が経った。
僕はフェンリル女学院高等学校で教鞭を執ることになったのでアリア達に伝えた。教師になったといっても非常勤講師なのでそんなに授業をすることは無さそうだ。
「ヨミ、起きて!」
エリナが僕の部屋に入り、そう言ったが僕はその部屋にいなかった。
(トイレに行ったのかな)
エリナはそう思い、僕のベッドの側まで歩いて来た。
「また、服脱ぎっぱなし」
僕の私服の白いワイシャツがベッドの側に置かれていた。
「もう、仕方ないんだから」
エリナは洗濯かごに入れるため持って行こうとした。
エリナは何を思ったのか僕のワイシャツの匂いを嗅いだ。
(ヨミの匂い…。良い匂いがする…)
エリナは僕のワイシャツの匂いを嗅ぎながらベッドに横たわった。エリナはヨミのワイシャツを鼻に押し当て匂いを嗅いで欲情した。
「あーすっきり、すっきり」
僕はトイレから自分の部屋に戻った。
僕は自分の部屋の扉を開けた。
「何してるんだ?エリナ…」
僕のベッドで横たわっているエリナにそう言った。
僕は自分のワイシャツをエリナが嗅いでいる所を目撃した。
「………」
エリナは固まった。
「ああ、悪い」
僕は見てはいけない光景を見てしまったようだ。僕は部屋を出て行った。
朝食を一緒に取り始めたが、エリナは先の事が無かったように振る舞っていたので僕もそれに合わせた。
今日の朝食は日本食だ。温泉旅行したときにルナは「日本の料理」という雑誌を買ったのでルナがその本を見て朝食を作った。
僕はご飯とおかずを十分に頬張ったので味噌汁を飲んだ。
「うげえ、なんだこれ」
僕は驚き、言葉を発した。
「どうしたんですか?」
ルナは不思議そうに聞いてきた。
「この味噌汁、大根が入っているじゃないか」
僕はルナにそう言った。
「僕はジャガイモ、ネギ、タマネギ、豆腐だけが入っている味噌汁じゃないとダメなんだよ」
僕はルナにそう訴えた。
「そうですか。我儘言ってないで食べて下さい」
ルナはきっぱりとそう言った。
「味噌汁美味しいですよね?」
ルナは食事をしている皆に聞いた。
「「おいしいよ」」
皆が一斉にそう答えた。
「俺、大根苦手なんだよおおおお」
僕は泣き言を言っても誰も助けてはくれなかった。
僕の日常はこうしてまだ続くのだった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。「面白い」「続きが気になる」と思ったら、感想やブックマーク、広告の下にある☆☆☆☆☆を押して応援していただけると嬉しいです!読者様の声が聞きたいので感想を沢山書いてくれるととても嬉しいです。全ての感想に必ず返信いたします。皆様の評価が励みになりますので、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>