4話 魔女の森
数時間後、僕は食事の時間に話しを切り出した。
「親睦を深めるため、明日はキャンプをしようと思う」
僕はそう皆に言った。
「キャンプ?」
「ああ、そうだ。王都の近くの森に魔女の森があるだろ。そこでキャンプをしようと思う」
「各自、明日のキャンプに向けて準備しよう。明日は十二時に出発な」
「以上」
僕はそう言い、話を終えた。
気まずい空気が漂っていたので僕は自分の部屋に戻った。
翌日になった。僕たちは魔女の森に辿り着いた。ちょうど十五時になったのでみんなで遅めの昼食を取る事にした。
レジャーシートを広げ、僕たちはバスケットに入ったサンドイッチを食べ始めた。
「これ、旨いな」
僕はそう言い、野菜のサンドイッチ、タマゴサンド、ツナサンドと色々な種類のサンドイッチを食べた。
「美味しいわ」
シエラもサンドイッチを頬張っていた。
「旨い」
アリアもこのサンドイッチを気に入ったようだ。
「この後、どうするの?」
エリナはもぐもぐしながら僕に聞いてきた。
「この後は、魔女の森にあると言われている魔女の家を探しに行きます。」
僕がそう言うとシエラは驚いていた。
「魔女の家に行くんですか。危険ではないんですか?」
シエラはそう言った。
「大丈夫。人の居ない廃墟だから」
「本当?」
エリナは半信半疑だった。
僕たちは食事を終え、寝泊まりするためのテントを設営し魔女の家を探していた。
「本当にあったわね…」
エリナはそう言った。森の中に古色蒼然な家が聳え立っていた。
「じゃあ、中に入るぞ」
僕はそう言い、家の扉を開けた。中は薄暗く、古い家にしては家の中は埃っぽくは無かった。
「この家、誰か住んでるぞ」
僕はそう言い、僕たちは一階から探索した。しかし扉を開けても何も無かった。僕たちは続いて二階に上がった。順々に部屋の扉を開けるが誰もいなかった。
最後の扉に辿り着いた。
「開けるぞ」
僕がそう言うと、緊張が走った。
「うわあ!!」
僕が扉を開けると容姿が幼く黒い魔導服を着た長い黒髪の少女が床に座っていて僕の方を見ると驚いた。部屋には本棚があり、床には本が沢山バラバラに置かれていた。
「誰だ?お前」
「こっちの台詞です。勝手に人の家に入らないでください」
黒髪の少女はそう言った。
「何、この子。可愛い」
エリナはそう言い、黒髪の少女を抱き上げた。
「わあっ、何するんですか!」
黒髪の少女はそう言った。
「お前、ここで一人で暮らしているのか?」
「ええ、ここで暮らしてますよ」
僕がそう言うと、黒髪の少女は答えた。
「この家の近くでキャンプするんだけどお前も一緒にご飯食べないか」
「良いんですか?」
「ああ」
僕たちはテントを張った場所へ戻り、夕食の準備を始めた。今日はシチューを作るため、大きい鍋を持ってきていたので下準備をすませると鍋に入れ煮込んでいた。
辺りは真っ暗になり、焚き火の火だけが灯っていた。
「名前は何て言うんだ?」
僕は黒髪の少女に聞いた。
「私に名前はありません」
黒髪の少女はそう答えた。
「何て呼べばいいんだ」
「お好きに呼んでください」
「じゃあ、ルナって呼ぶよ」
「ルナってどういう意味ですか?」
「月っていう意味だよ」
僕は月を指さしそう言った。
「へえ、良い名前ですね。気に入りました」
そうこうしている内にシチューができたのでみんなのお椀に入れた。
「………」
ルナはお椀に入れたシチューを食べた。
「温かい物は久しぶりに食べました」
「とても…、おいしいです…」
ルナはそう言い、涙を流しながら食べていた。ルナの話によるといつも買い物は人形を操って買いに行かせているからいつも食べ物は冷めた物しか食べれないらしい。
「そうか…。御代わり沢山あるから食べな」
僕はルナにそう言った。
僕たちは沢山作ったシチューを食べ終わった。
「ルナ、俺たちと一緒に来ないか」
僕は焚き火の火に木の枝を入れながらそう言った。
「良いんですか?」
ルナはそう言った。
「一人じゃ寂しいだろ。ルナは何年あそこに住んでいた?」
「多分、二十四年以上住んでいますよ」
「お前、その外見」
二十四歳より上には見えない外見をしていたから僕は驚いた。
「エルフの血が入っているから若いんだと思います」
ルナはそう答えた。
「触っていいか?」
僕はルナにそう言った。
「良いですよ」
ルナがそう答えたので僕はルナの耳を触った。
「んっ…」
僕がルナに触れるとルナは恥ずかしそうに俯いていた。
「普通の耳だな」
僕はそう言った。
僕たちは食事を取り終えたので寝ることにした。テントを張っていたのでそこで寝ることにした。僕たちは眠った。
翌日になった…。僕たちはテントを片付けた。
ルナは僕たちと一緒に暮らすことになった。ルナはよっぽど一人で暮らすのは寂しかったのか家を出るのに戸惑いは無かった。ルナの荷作りを手伝い。僕たちは家に向かった。
僕らは家に辿り着き、シエラが昼食を作るそうなので各自、昼食が出来るのを待っていた。シエラはご飯の支度をしていた。
「…………」
シエラは黙々と野菜を切っていた。
「ひっ、何するんですか!」
僕はシエラの尻をスリスリと手で撫でた。
「誰もいないんだし、良いじゃないか」
僕はそう言うとシエラの尻に顔を押し当て鼻息を吹かせていた。
「幸せだ」
「幸せで良かったね」
シエラはそう答え、僕の頭を撫でた。
僕はシエラの元から立ち去った。
数日後…。
僕たちは食事を取り終え、食後の紅茶を飲んでいた。
「話があるんだが…」
「何?」
僕が皆にそう言うとエリナは聞いてきた。
「ここにいる女子四人には学校に行ってもらう」
「四人?」
ルナはそう言った。
「水月、お前は抜きで」
「嫌だ、嫌だ、儂も行きたい、儂も行きたい」
僕がそう言うと地主神の女、水月は駄々を捏ねた。
「じゃあ、分かった。お前も行っていいよ。ただし息子の面倒を見てくれよ」
僕はそう言った。
「当たり前じゃ」
水月は嬉しそうにそう言った。
「入学手続きは済ませたし制服と教科書が直に届くから待っててくれ」
僕はそう皆に伝えた。皆が自由にお金を使えるように銀行での僕の口座からのお金の下ろし方を教えておいた。
「話は以上だ」
僕はそう言い席を外した。
夜になったので僕はエリナの部屋に行った。
「入っていいか?」
僕は扉をノックして扉を開けた。
「………」
エリナは涙を流していた。
「どうしたんだ?」
僕は聞いた。
「学校に行けるのが嬉しくて」
エリナはそう答えた。
「良かったな」
エリナの頭を撫でた。
「そういえば婚約指輪どうする」
「んー、買ってくれるなら欲しいけど」
エリナはそう言い、モジモジしていた。
「じゃあ、明日、一緒に買いに行くか」
僕はエリナの部屋を出て自分の部屋に戻った。そのまま自分のベットで寝てしまった。
次の日の朝になった。
僕は今日、エリナと一緒に婚約指輪を買うため身支度をしていた。
準備が出来たので王都の宝石店に向かった。エリナと手を繋ぎ歩いていると宝石店にあっという間に辿り着いた。
「いらっしゃいませ」
僕たちが店に入ると男の店員が僕たちにそう言った。僕とエリナはダイヤモンドの指輪が並んでいたショーケースを見ていた。
「お客様、何かお気に召すものはございますか?」
店員にそう聞かれた。
「婚約指輪を探しているのですが、何か良いものはありますか?」
僕はそう聞いた。
「これはどうでしょう?」
「一カラットのダイヤモンドで有名ブランドの婚約指輪です」
店員はそう提案した。
「これいいな。エリナはどう?」
僕はダイヤモンドの婚約指輪を見てそう言った。
「高そうだけど大丈夫なの?」
エリナは心配そうにそう言った。
「大丈夫だよ。着けてみなよ」
僕がそう言うとエリナは指輪を着けた。
「似合っているじゃん。これにしよう」
僕はそう言い、指輪を買おうとした。
「値段は?」
「五百万グレースです」
僕が聞くと店員はそう答えた。
買えない訳ではないが高い。エリナは不安そうに僕を見つめてきた。
「よし、これを買おう」
僕は男気を出してこの指輪を買った。
僕とエリナは婚約指輪と結婚指輪を買い、家に戻った。後日、シエラとも婚約指輪と結婚指輪を買いに行った。
婚約指輪を買ってから1週間が経った。
二日前に学校に通うための制服、教科書が届いた。今日、学校に登校するのでみんな準備をして家をでたので僕は一人で留守番していた。エリナ達がこれから通う学校は女子校で古くからある伝統のある学校だそうだ。学校には学生寮があるので一応借りていた。家に帰ってもいいし、学校の寮に泊まってもいいと話し合った。学校は特殊な学校のようで年齢が不問で色々な人がが通っているらしく息子を学校に連れて行っても良いそうだ。ルナは容姿が幼いので魔法で十六歳ぐらいの容姿に変えた。アリアは年齢は二十歳だがエリナ達と同じ学年で入ることになった。僕は寂しく家で一人で過ごしていた。
極悪人が収容される監獄に一人の男がやってきた。その男の名は迦楼羅。八部衆の一人。
「お前は誰だ?」
真っ暗闇の大きな部屋に誰かが入ってきた。
「貴方をここから脱獄させるために来ました」
「この俺をか?」
「ええ、そうです」
大男は鎖に繋がれており脱走できなくしてあった。
「目的はなんだ」
「あなたには王都で暴れてもらいたいのです」
男はそう言った。
「分かった。暴れてやる」
「交渉成立ですね」
男はそう言い、魔法で鎖を壊した。
今日は、黒十字騎士の定例会のため、僕は家を出て向かった。
「よく集まってくれたな」
僕らは席につき、王は僕らにそう言った。黒十字騎士は全部で十一人だが今回は六人集まった。
「今回は全然集まってないじゃねーか」
ドレイク・シャンドラーはそう言った。
「そうね」
ソフィア・ヴァンダーウオールはそう言った。
「おい、ソフィア久しぶりだな。早く俺の女になれよ」
「ならないわ」
ドレイクにそう言われソフィアは拒否した。
「下品な話は止めてください。ドレイク」
眼鏡を掛けた女シャーロット・ランドルフはそう言った。
「冷てーじゃねーか。シャーロット」
ドレイクはそう言った。
「今日は脱獄したエルドラドについて話し合うために貴方達を呼びました」
気を取り直して眼鏡の女シヤーロットは話を始めた。
「エルドラドってあのエルドラドか?」
ドレイクはそう言った。
「ええ。あの賢者殺しのエルドラドです」
シャーロットは答えた。
「誰かが其奴を見つけて殺すってことだろ」
褐色肌をした黒髪の女性、カミラ・オーウェンズはそう言った。
「その通りです。カミラ、貴方がやってくれますか?」
「いや、私は無理だよ。私、弱いもん」
カミラはそう言った。
「じゃあ…。ヨミ、貴方はどうです?」
シャーロットは僕に聞いてきた。
「分かった。僕が引き受けよう」
僕はそう言った。
「話が早くて助かります」
シャーロットはほっとしている様子だった。
「私も引き受けよう」
フェリクス・ラストそう言った。
「ではフェリクス、貴方にもお願いするわ」
シャーロットはそう言った。
「話は以上です。解散」
シャーロットにそう言われ僕たちは解散した。
辺りは暗くなり夜になった。エリナ達は学校から帰って来たので一緒に食事を取った。
「エリナ学校はどうだった」
僕はエリナの部屋でエリナにそう言った。
「楽しかったよ」
エリナはそう言った。
「そうか。それは良かった」
僕はそう言った。
「僕はもう寝るよ。おやすみ」
僕がエリナの部屋から出ようとしたら服の裾を掴まれた。
「どうした?エリナ」
「私にはしなくて良いの?」
エリナはそう僕に聞いた。
「何を?」
「シエラとかにしているでしょ、変な事。私にはしないの?」
エリナは僕の瞳をじっと見つめてきた。
「ああ、して欲しいのか?」
僕はそう言うとエリナの頭を撫でてエリナのベッドまでエリナの腕を引っ張ってベッドに座らせた。
「可愛いよ。エリナ…」
僕はそう言い、エリナを押し倒した。僕はエリナの首元に顔を埋め匂いを嗅ぎ、キスして首にキスマークを付けた。
「んっ…」
僕はエリナの胸を揉み、エリナの首元から顔に向かって舌で舐めた。
「エリナ、もしかしてシエラに嫉妬しているな」
「そんなことない」
エリナは泣きそうな顔をしてそう言った。
「可愛いなエリナは。いっぱい可愛がってやるからな」
僕はエリナの頭を撫で、エリナの唇にキスした。
「ふんが、ふがふが」
僕はエリナの胸に顔を押し当て匂いを嗅いでいた。
「シエラみたいにおっぱいが大きくなくてごめんね」
エリナは悲しそうに言った。
「エリナ、僕はおっぱいが小さい方が好きなんだ」
「本当?」
「本当だよ」
「へ…、変態…」
エリナはそう言うが喜んでいる目をしていた。
僕は満足するまエリナの胸に顔を押し当て匂いを嗅いでいた。
「じゃあ、寝るか」
僕は終わるとそう言い、エリナのベッドで寝た。
「起きて」
エリナは僕の顔をぺちぺち叩いた。
「何だ? エッチもしたいのか?」
「違う」
「じゃあ、寝かせてくれ」
僕はそう言いエリナの身体を抱きしめて、僕の顔をエリナの胸に埋めた。
僕はそのまま深い眠りに就いた。
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