36話 暗黒双拳
僕は闇に連れられ、ここに辿り着いた。
「ワタル…。ワタル!!」
僕は血を流しているワタルを見つけ、側に駆け寄り抱きかかえた。ワタルは目を覚まさなかった。
「!」
僕を連れてきた闇が泣いていた。僕はその方を見るとボロボロになって死んでいる闇が倒れていた。この状況から察するに闇はここの生徒達にサンドバッグにされ、それを見たワタルが切れてここに居る生徒を全員殺したのだろう。僕は怒りが込み上げて来た。今にも切れそうだ。
「ワタル。今、治してやるからな」
僕は怒りを無理矢理静めワタルの傷を治そうと深い青の運命の輪を頭の上に顕現させた。
そしてワタルの胸に手を当てた。そしてワタルの傷を癒やした。
「父さん…」
ワタルは目を覚ました。
「闇を守れなくてごめん。僕がもっと早くここに来れば…」
「ワタル、喋るな。まだ傷を治しきれていない」
「父さん、傷は治さなくて良い。もう僕は人生に疲れた。だから休ませてくれ」
ワタルは僕の手を握った。僕はワタルの言う通り、傷を治すのを止めた。
「父さん…」
「何だ?」
僕は聞いた。
「僕達は間違いを犯した。メアが闇と同化した事でメアを危険視し、メアを大人数で袋叩きにして封印した。メアを封印する時、メアは涙を流していたんだ。戦っている時はそんな素振りを見せず、戦いを楽しんでいた。だけどメアは本当は悲しんでいたんだ」
「メアは僕達の妹なんだ。本当は守ってやらないといけないのに僕は…」
「ごめん、父さん。僕らが間違っていた」
ワタルは涙を流していた。
「良いんだよ、ワタル。お前は最後に自分の間違いに気付いた。もうそれだけで十分だよ」
「ありがとう、父さん」
僕の言葉をワタルは聞き、ワタルは目を閉じ、眠りについた。
「ワタル?ワタル!」
僕が擦ってもワタルは目を開ける事は無かった。
「お父さん…」
レイラは僕を見て呟いた。
「俺はお前達がメアを袋叩きにした事は知っている」
「「………」」
神威達は黙った。
「メアは腹違いとはいえ血を分けたお前達の大切な妹なんだぞ。それなのにお前達はメアを寄って集って虐めて。お前ら人として恥ずかしくないのかよ!!」
「「………」」
僕は神威達に向けて叫んだ。神威達は黙っていた。
「お前達、僕と戦うつもりだろ。別の場所で戦うぞ」
僕はそう言い、自分の足下と神威達の足下に魔方陣を展開させた。そして僕らはこの国の外の荒野に移動した。
「お前らメアにしたように全員で掛かってきて良いぞ」
「「………」」
「早くしろよ」」
「「………」」
僕がそう言っても誰も何も言わず動かなかった。
「お前達は下がっていろ」
神威は仲間にそう言い、仲間は後ろに下がった。
「暗黒再臨」
神威は唱え、水が神威を包み込み球体となった。そして水の球体は弾け、神威は鎧を身につけた青い竜人の姿となった。
「………」
僕は空間魔法で聖剣:フィエルボワを出し剣を鞘から抜いて構えた。
「俺が今身につけているのはルビウスの首飾りだ。魔法で作った剣じゃなくて普通の剣を使うのは間違ってはいないが…」
「くくっ。まさかその姿で戦うんじゃないよな。冗談キツいよ、父さん」
神威は僕の姿を見て笑った。
「そんな小手先の力で俺に勝てると思っているのか?」
神威は僕の頭の上に浮かぶ青い天使の輪を見て笑った。
「試してみれば分かる」
僕は剣を構えた。
今の僕では顕現の力を使っても神威には勝てないだろう。だから僕は時間を稼ぐ事にした。
空に黒い雲が現れ、空を覆った。黒い雲は青い雷が流れ、雷の音が鳴り響いていた。
「青い雷よ、纏え」
青い雷は僕が前に突き出した聖剣に落ちてきた。青い電流が聖剣に走る。聖剣に青い雷が纏った 。
「晴れろ」
僕がそう言うと雷雲が無くなり、空は晴れた。
「削れ!」
僕は青い雷を纏った聖剣を振り回すと、纏っていた青い雷が地面を削り取り神威の方へ向かって行った。
「くっ…」
神威は自分の剣で攻撃を防いだ。
「まだまだあ!」
僕は剣を振り回し、青い雷が地面を削り取り、神威に打つけた。神威は雷の攻撃を剣で防ぐ事で力を分散させ、青い雷が地面に当たり地面はひび割れ、ガタガタになった。
「水の斬撃」
神威は構えて呟いた。神威の剣は水で薄く覆われた。そして水の斬撃を飛ばしてきた。
「ふっ…」
僕は水の斬撃を避けた。
「これはどうかな?」
神威は幾つもの水の斬撃を飛ばしてきた。
「!」
水の斬撃を青い雷を打つけた。だが威力は互角でお互いに打つかり合い、消えた。
(なら、接近戦に持ち込む!)
僕は神威に向かって走り出した。
(来るか)
神威は自分の周りに水を展開した。
「!」
神威は無数の水の斬撃を飛ばした。僕はそれを全部避け、神威に十分に近づいた。僕は青い雷を地面に打つけ、神威の上に跳んだ。
「!」
神威の周りの水が神威の上に跳んだ僕に向かって飛んできた。飛んできた水を僕は青い雷を地面に打つける事でトリッキーな動きをし水を避けた。青い雷が水に打つかり合い、弾けた。
「キツいな」
僕は神威から距離を取った。僕の運命の輪の力では神威に遠く及ばない。
「引力」
「!」
神威は呟くと僕の持っていた剣が神威に向かって物凄い力で引き寄せられた。僕は仕方なく聖剣から手を離した。僕の聖剣は神威に奪われた。
「面白い物を見せてやるよ」
「!」
神威はそう言い、僕から奪った聖剣を自分の持っている剣を打つけ僕の聖剣を破壊した。
「………」
僕の大切な聖剣が折られ、僕は何も言わずその場に佇んでいた。
(殺すなら今だ)
僕の娘であり神威の仲間の女がそう言い、女は物凄いスピードで僕を中心に周りを赤い雷の如く走った。女の姿は認識できず、閃光が迸るのが見えた。
「ノラ、止めろ!様子が可笑しい!!」
神威は叫ぶがノラは止まらなかった。そしてノラは赤い雷の如く、僕に目掛けて飛び込んできた。
「ぐっっ!!」
僕は飛び込んできたノラの身体を手で貫いた。
「何で…。見えていないはず…」
ノラは血を吐き出した。
「過信がすぎたな、ノラ」
僕の眼の角膜の色は赤に変わり、瞳孔は黒く鋭く尖っていた。そして僕の左の目の下の頬に、三本の鮫の鰓孔のような傷が現れた。
「ううっ…」
僕はノラの身体から腕を引き抜き、ノラは地面に倒れた。
「「ノラ!!」」
神威の仲間達は叫び、僕の方へと向かってきた。僕は次々に自分の子供を殺した。だがこれは僕が自分の子供に見せた未来だ。現実では無い。僕の竜眼で子供に最悪な未来を見せた。
「「おええっ…」」
僕は聖剣を折られた後、神威達に未来を見せた。神威以外の仲間は地に膝を突けた。もう戦う気力は無いだろう。
「お前以外はもう戦えない。どうする?逃げても良いんだぞ」
僕は神威にそう告げた。
「逃げる?ふざけるな」
神威は構えた。
「なら、戦うとしよう」
この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がヨミを中心に集まる。ヨミの身体は少し浮かび、魔力はヨミに向かって流れ包み込み、深い黒色の渦の球体となった。そして球体は割れ地面に破片が落ちた。僕の宙に浮いていた足は地面に着いた。
「暗黒再臨」
僕の姿は変わり、黒い鎧を身に纏い、四大死宝を身に付けた姿となった。そして黒竜の腕と足、そして黒竜の尻尾がある姿となった。
「お前に私の最強の技を見せよう」
「!」
僕が神威にそう告げると神威の内心は焦った。
「火崇火術:火景火羅万象・玉」
僕は手の平を合わせ唱えた。僕の両隣に深い赤色の二頭の大きな竜の頭が現れた。
「これが火術の中でも最高峰に君臨する最強の大技だ。どうだ美しいだろ」
「………」
僕は圧倒的な力を神威に見せた。
「私の技を篤と味わうが良い」
「龍よ、暴れろ」
神威に向けて二頭の深い赤色の龍の頭を放った。龍の頭は地面を削り取りながら神威に向かって行った。
「水祟水術:水景深海大竜牙!!」
神威は手の平を合わせ叫んだ。地面から水が溢れ、神威の両側に水で出来た二頭の龍の頭を作り出し、僕の深い赤色の二頭の龍の頭に打つけた。
二つの力は打つかり合った。火と水が打つかった事で水蒸気が発生した。
「はあああああああああああああああああ」
神威は押され気味となり両手を前に出し、有りっ丈の力を注ぎ込んだ。
辺りは霞がかり何も見えなくなった。
辺りを見えなくしていた霞は消えた。神威は無傷であった。
「ん?何だ?」
「おかしいな。術が発動してない」
僕は驚いた。
「火刃」
「!」
「がああっ…」
僕はそう呟く神威の身体に無数の深い赤色の火の刃が内側から出現し、貫通した。火の刃は燃えていた。
「ああ、発動した」
「玉に組み込んでいた筈なのにおかしいな」
僕は昔、玉に火刃の技を組み込んでいた。玉を使うと火刃の技が後から出るようにしていた。それなのに出なかった。
「火刃」
「………」
僕は唱えても何も起きなかった。
「偶々、出なかったのか。組み合わせした技の繋がりが薄くなったからか」
「まあ、いい」
僕はそう言い、苦しむ神威を見ていた。
「水神結界!!」
神威は叫び、水の結界を纏い、深い赤色の刃を水で消した。
「冷水の渦」
「!」
神威は刀印を左手で結ぶと地面から水が溢れ出し、僕を中心に水が纏わり、水の球体となった。僕は何とか水の渦から抜け出そうと藻掻いた。
「そうはさせない」
僕の身体は浮かび上がり、どんどん水の渦は大きくなっていった。
「水縛り」
僕は完全に水の球体に閉じ込められた。水の球体は渦のように流れているのでとても泳いで脱出するのは困難であった。
「黒竜の大嵐」
自分を包み込む黒く冷たい大嵐を作りだし、水を弾いた。僕は水の渦から抜け出せる事が出来た。
「黒竜の氷柱」
僕は間髪入れず唱えた。先、弾いた水をを無数の氷の柱に変えた。そして神威に向かって放った。
「くっ………」
神威は水のバリアでは氷柱は防げないと思い、降り注ぐ無数の氷柱を避けた。
「どうだ?良い運動になるだろ」
「ハッハッハッハッハ」
僕は神威を嘲笑った。
僕は氷柱を打ち終え、地に降りた。
また地面から水が溢れ出した。溢れた水は先よりも多かった。
「水景水神激流」
神威は手を組み、唱えると神威の後ろから深く青い大波がこちらに向けて押し寄せて来た。
「黒竜の吐息」
僕は地面に手をつき獣のような姿勢で構え、大きく息を吸いそして口から広範囲の黒い炎を吐き出した。
深い青色の大波と黒い炎が打つかりあった。力は互角であった。
「「………」」
神威と僕は互いに見つめ合っていた。
「俺は自分の術に拘っていた。父さん、アンタに勝つにはこの術を使うしかないな」
「大禍津日神」
神威は両手の平を合わせ唱えた。神威は大きく真っ黒な四つ足の化け物の姿となった。
「ほう、この術か。どうやら僕を本気で殺しに来ているようだな」
僕は化け物となった神威を見て言葉を発した。
「!」
化け物となった神威は口を大きく開け、真っ黒な魔力の粒子を集め、砲撃を放とうとしていた。
「仕方ない、この技をお前に見せてやろう」
僕がゆっくりと両手で印を結ぼうとすると僕と化け物の周りの地から深い赤色の炎が禍々しく天高く燃え上がっていた。
「火祀火術:火景火羅万象・火刃」
僕は手の平を合わせ唱えた。大きく黒い化け物となった神威の周りに無数の大きく深い赤色の火の刃が出現し、化け物の身体に火の刃が一斉に刺さった。 無数の火の刃は禍々しく深い赤色で燃えていた。
「ゴアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
化け物は身体を無数の火の刃で貫かれた痛みで悲鳴を上げていた。化け物が集めていた魔力の塊は飛び散り、消え失せた。化け物は立つ力が無くなり、地面に伏せた。
「!」
「暗黒結界」
無数の深い赤色の火刃が突き刺さった化け物は風船のように膨らんだ。僕は身の危険を感じ取りバリアを張った。そして風船のうように膨らんだ化け物の身体は破裂し、水が辺り一帯に迸った。
「どうやら化け物の状態だと攻撃はあまり効かないらしいな」
ピンピンしている神威を見てそう言った。
「もう一発食らわせてやるよ」
「火祀火術:火景火羅万象・火…」
僕は手の平を合わせ最後まで唱えようとした。
「不能」
神威は僕が唱え終わる前に自分の技を出した。そうすると僕の技はガラスのように割れた。
火刃は今はもう使えなくなったのを感じ取った。
「なら」
「火祟火術:火景火羅万象・玉」
僕は手の平を合わせ唱えた。僕の両隣に深い赤色の二頭の大きな竜の頭が現れた。
(どういう事だ。神威は俺の今出している技も一時的に使えなくすれば良いのにそうする素振りも見せない)
「まあ、いい。死ね」
僕は神威に向けて深い赤色の龍の頭を放った。二つの龍の頭は地面を削り取りながら神威に向かって行った。
「水景結界」
神威は自分を中心に大きな深い青色の水の球体を作り出した。二頭の深い赤色の龍の頭と打つかり合った。攻撃は通ったようだ。神威は何とか攻撃を少し受けたがまだ戦えるようだ。
「流石だよ、父さん。俺はどうやら父さんには勝てないらしい」
「だから!!」
神威は不気味な笑みを見せた。神威は引力で人を引き寄せた。
「!」
神威が引き寄せたのは僕の嫁のカミラだった。どうやら僕の後ろ側の少し離れた場所で僕と神威が戦っているのを見ていたらしい。
「ヨミ…」
カミラは神威に首を絞められ苦しそうだった。
「神威、止めてくれ。僕の負けだ」
僕は何とか神威がカミラを殺させないようにそう言った。
「弱くなったね、父さん。ガッカリだ」
「やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
僕は叫んだ。神威はカミラの身体に剣で貫いた。
「カミラ!!」
神威はカミラを僕の方に放り投げた。僕はカミラを受け止めた。
「おい。しっかりしろ、カミラ」
僕は剣で刺され血が流れ出している傷口を手で塞ぎながらカミラの名を呼んだ。
「死の耳飾り:ヌト。能力顕現:全回復」
僕は四大死宝の一つの力を使った。
「何で…」
僕がどんな傷でも治す能力を使ってもカミラの傷口は治らず、未だに血が流れていた。
「私、どうやらここで死ぬらしいな」
「カミラ、喋るな。俺が何とかするから」
僕の焦る様子を見たカミラは何だか嬉しかった。
「ヨミ、私の話を聞いて…。ヨミには沢山の嫁がいるから、いつも私は自分を只の御負けだと思っていた」
「だから…。今、この最後の瞬間だけは私の事だけを想って」
カミラは涙を流し泣いていた。
「違げえよ。俺はカミラを御負けだ何て思った事はねえよ」
「そっか…。私、その言葉が聞けて嬉しいな。ありがとう」
カミラはそう言うと目を閉じた。
「カミラ!カミラ!!」
僕はカミラの身体を揺さぶるがカミラが目覚める事は無かった。
「死なせない!!」
「俺の再臨の力の全てを譲渡する!!」
僕は叫び、自分の力をカミラに譲渡した。それでもカミラは起きなかった。
「それなら!!」
「俺の青い力の全てをカミラに譲渡する!!」
僕は叫んだ。
(お願いだ、アリサ。カミラを助けてくれ)
僕はアリサの青い力に願った。
奇跡は起きた。カミラの傷は治り、カミラの息は吹き返した。
「良かった…」
僕はカミラを優しく地面に置いた。僕は立ち上がろうとしたが意識を失い、地に倒れた。
「自分の力を譲渡したからそうなる」
「さようなら、父さん」
神威はそう言い、剣を握りしめ僕の側に来て僕に止めを刺そうとした。
「!」
神威は自分の父親に止めを刺そうとした時、ローズレッドの長髪の女に妨害された。
「お前は誰だ!!」
神威は聞く。
「私はアリア。ヨミの妻だ」
アリアは剣を構えた。アリアは古びた鎧を身に纏っていた。
「貴様、よくも私の夫をここまで追い込んだな」
アリアはヨミの目から流れていた涙を見て、頭に来ていた。アリアは構えていた剣を鞘にしまった。
「!」
アリアの眼の角膜の色は赤に変わり、瞳孔は黒く鋭く尖った。そしてアリアの左の頬に、鮫の鰓孔のような物が現れた。
「暗黒再臨」
アリアは唱えた。無数の黒い魔力がアリアの方に集まり、アリアの身体は少し浮くと黒い魔力は身体を包み込み、黒い渦の球体となった。そして球体は割れ地面に破片が落ちた。アリアの宙に浮いていた足は地面に着いた。アリアの目の光は失われ冷たい目となった。
「暗黒双拳」
アリアは拳に深く黒いオーラを纏わせた。
「ぐっ……」
アリアは神威に向かっていき神威の剣に拳を打つけた。
「くっ…」
アリアは何度も拳を打つけた。神威は攻撃を剣で防ぐので精一杯だった。
「!」
神威は水を生み出し操作した。アリアは水を避け、距離を取った。
(剣一振りと二つの拳…。私が圧倒的に不利のようだな。剣を仕舞うとしよう)
神威は自分の剣を鞘にしまった。
「どうやら本気を出さないといけないらしい」
神威は先までの雰囲気とは変わった。どうやら本気を出すようだ。空気中にある無数の膨大な魔力が水に変換され神威を中心に集まる。神威の身体は少し浮かび、水は神威に向かって流れ包み込み渦の球体となった。そして球体は弾けた。神威の宙に浮いていた足は地面に着いた。
「暗黒咆哮・第二形態」
神威の姿は変わり、正六角形の形の胸の鎧の部分に鮫の鰓孔に似た、縦の太い三本線の刻印が浮かび上がった。両眼の角膜の色は青に変わり、瞳孔は黒く鋭く尖った。目の光りは失われ冷たい目となった。そして両眼の下に黒い刻印が浮かび上がった。その刻印は目の下一センチ空けて、眉毛と平行な直線で鼻の近くから耳の耳介付近に向かって伸びている。そして直線の真ん中から耳垂に向かってて一直線に黒い刻印が伸びている。まるで耳に向かってYの文字の上の部分が横に倒れているかのような刻印だった。
口の中の下顎の両方の第一大臼歯は発達し、硬い物を簡単に貫くかのような上に突き上げた黒い大顎となった。黒い大顎は僕の目の辺りに向かって突き上げた形となり大顎は角張った形をしていた。
竜の尻尾は無くなり、手は指先から手首まで禍々しい深い黒色の化け物の手になり、指先の爪はどんな物でも斬り裂く鋭利な爪になった。足は化け物みたいな禍々しい深い黒色の三本鉤爪のみで足の爪の部分に二本、踵に一本の鉤爪だった。人の頭を鷲掴みし、粉砕する事の出来るような大きな爪であった。神威の足の三本鉤爪の先から黒いオーラが煙のように流れ揺らめいていた。神威はその場に佇んでいた。
アリアと神威は互いに向かっていった。
「俺とアンタ。どっちが上か決めようぜええええええ」
神威は拳に水を纏わせ叫んだ。神威とアリアの拳が打つかり合い。竜人同士の殴り合いが始まった。
「死ね死ね死ね死ね死ねえええええええええええええええ!!」
神威はアリアの身体に拳を打つけながら叫んだ。
「クソガキ!!」
アリアは拳を何度も神威の身体に打つけた。
「おんなあああああああああああああああああああ」
神威も拳を何度もアリアに打つけた。
神威とアリアは殴り合いは続き…。そして決着は付いた。




