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天翼の支配者【リメイク版】  作者: 火山 千
第一部

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31/40

31話 俺の娘が泣いているだろうが!!

「お父さん…」

 アリスは側にいたが僕の名を呼ぶと倒れた。


「アリス!!」

「大丈夫か!アリス!」

 僕はアリスに駆け寄り、アリスの身体を持ち、揺らしたがアリスは目を開けなかった。

 アリスは意識はまた深い心の奥底へ沈んで行った。


 アリスはまた辺りは一面が水の場所に来た。


「クロ!!」

 アリスはクロを見つけると呼んだ。クロは振り返り、アリスはクロの方に走ってきて抱きついた。


「アリス、よく頑張ったね」

 クロはアリスの頭を撫でた。


「うん。私、頑張ったよ」

 アリスはそう言い、クロに頭を撫でられた。


「アリス、聞いて欲しい事があるんだ」

「どうしたの?」

 アリスは顔を上げ聞いた。


「僕はもうすぐ消える。だからもう君はここに来ても意味はない」

 クロはアリスに告げた。


「どういう事なの?」

 アリスは聞いた。


「君の心臓を治した時、僕の力の全てを使ってしまった。だから僕は長い眠りにつかなければならない。もう君に会えない」

 クロは悲しそうに言った。


「会えないって。ただ眠るだけでしょ?一年、二年」

「いいや。数百年、眠りにつかなければならない。だから君に会えるのはこれで最後だ」

 クロは答えた。


「嫌だ…」

 アリスは呟いた。


「何で折角会えたのにお別れしないといけないの!!」

「アリス…」

 涙を流すアリスにクロは困った。


「ずっと私の側にいてよ!!」

 アリスは本心を言った。


「アリス、君は僕の娘のような存在だ。君に泣かれると僕は困るんだ。だから泣かないでくれ」

 クロはアリスを慰めた。


「アリス、聞いてくれ。僕が数百年の眠りについてもう君と会えなくなっても僕は君を見守る事が出来る」


「どうやって?」


「君が今持っている力だよ。黒い運命の輪の力を君が持っている限り、僕は眠りについても君の存在を感じ取れる」


「例え話せなくても僕は君を一生、見守るよ。そして君は自分の子供にこの力を継承するんだ。君の子孫は僕が見守っていく」


「ヨミに黒い運命の輪の力はアリス、君を選んだと言うんだ。ヨミも分かってくれるはずだ。分かったね」


「うん」

 アリスは頷いた。


「もう時間だ…。僕は消える…」

 クロはそうアリスに告げた。


「アリス、君に会えて良かった」

 クロは最後の言葉を言い、消えて行こうとしていた。


「私もクロに会えて良かった。クロ…私を一生……」

「分かっているよ…、アリス」

 泣きじゃくって言葉を紡ぐのが難しいアリスにクロはアリスの言いたい事を理解した。クロは消えて行った。アリスは消えたクロを見て膝を落として泣いた。


 そしてアリスの意識は戻った。ヨミはアリスの意識が戻り、ほっとした。アリスは家に帰らせ、僕はルークを探しに行った。



「ルーク!!」

 リリアは敵と戦いボロボロになっているルークを見て叫んだ。リリアはもう一人の敵に捕まり、首に刃物を向けられていた。ルークはリリアを人質に取られているため、本気で敵と戦う訳にはいかなかった。ルークは魔眼の力で未来が見える。本気で戦うと敵はリリアの首を掻き切り、奴はリリアを殺す。だから僕は父さんや皆がここに来るまでの時間稼ぎをしていた。


「本気で戦って、ルーク!!」

 リリアは叫んだ。


「おい女、余計な事言うな」

 敵の男はリリアにそう言った。


「兄貴、そいつ甚振(いたぶ)ってないでさっさと止め刺して下さいよ。でないとあの父親が来ますぜ」

 リリアの首に刃物を当てている男がもう一人のルークを甚振っている男に言った。


「分かっている。今良いところなんだ、もっと甚振って楽しみたい」

 男はボロボロで地に伏せているルークに何度も蹴りを入れた。


「お前、もう死にそうだな。まあ、いい。お前が死んだら俺がお前の女をたっぷり可愛がってやるから安心しろ」


「俺の濃厚な孕ませ汁をお前の女の中に()っ掛けて、沢山孕ませてやるからな」


「あははははははは」

 男はそう言い、ルークは絶望した。


 俺は魔眼で数ある中の一つの未来を見た。リリアの腹の中には俺の子供が居る。生まれてくる子供は女の子で生まれると僕とリリアがお世話して可愛がって。そして俺とリリアの娘は大きくなって僕とリリアと娘で何気ない日常を送る。


「がああっ」

 僕は男に蹴られ血を吐いた。

 誰かの泣いている声が聞こえる。リリアなのか、いや違う。


「俺の娘が泣いているだろうが!!」

 ルークは血を吐きながら叫んだ。


「何だ、これは」 

 ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。そして魔力の色は赤く変わった。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がルークを中心に集まる。ルークの身体は少し浮かび、赤い魔力はルークに向かって流れ込み、赤い球体となりルークを包み込んだ。赤い球体は中が透けていてルークの姿が見えた。ルークの頭の上に赤い天使の輪が現れた。そして赤い球体は割れた。


「暗黒第四解放:死と滅亡の運命(ラグナロク)・アナザーオーバー」

 ルークの宙に浮いていた足は地面に着いた。


「何だその姿は!!」

 敵の男はルークの異様な姿を見てそう言った。


「こっちには人質がいるんだぞ。大人しくしろ」

 敵の男はそう言うと、リリアの首に刃物を当てている男は僕に人質がいると見せつけてきた。


「………」

 ルークはリリアとリリアを人質に取っている男に手を向けるとリリアを中心に赤いバリアを少しずつ展開した。リリアに刃物を当てていた男は弾き出され、血を噴き出し、遠くへ飛んで行った。


「うらあああああああああああ」

 もう一人のルークと戦っていた男は剣をリリアに刺そうと、リリアの方へ走った。


「!」

 リリアに向かって行った男の前に土の壁が現れ、真っ直ぐ向かって行った男の足を一瞬止めた。


 ブンッ。

 ルークは凄いスピードで男に近づき男の首を左手で掴んだ。


「ひええええっ…」

 敵の男はルークの姿を見て戦意を消失した。


「家族を守る…」

「うわあああああああああああ」

 ルークは右手で黒い大剣を作りだし男の左腕に黒い大剣を刺した。男は左腕を刺された痛みで絶叫した。


「俺が家族…を…守るんだ」

「止めろ、止めてくれ、俺が悪かった。うわあああああああああ」

 ルークは敵の男の首を離すと、右手で相手の右腕を押さえ、左手で黒い大剣を作り出し、敵の右腕を大剣で刺した。


「家族を…」

 ルークは右手で黒い大剣をまた作り出した。そして止めを刺そうとしたその時…。


「もういいよ、ルーク君」

 リリアはルークを後ろから抱きしめた。ルークの動きは止まった。

 そしてルークは元の姿に戻った。


「もう終わったようだな」

 ヨミはルークとリリアが泣きながら抱きしめ合っている所に来た。


「遅くなってすまない、ルーク。帰ろう」

 僕はそう言い、敵二人を兵に引き渡しみんなで家に帰った。



 それから三日後。アリアは病で倒れ、床に伏せっていた。僕はアリアに色々な力を与えるがアリアの病気は治らず、アリアは少しずつ衰弱していった。僕の全ての力を以してもアリアの病気は治らなかった。ディアナにも見て貰ったが手の施しようが無かった。僕は唯一、当てがあったので家を出ようとした。勿論、僕とアリアの子供達は反対していたが僕は子供達の声を無視し、家を出た。


 僕はとある森にいた。


「黒魔術儀式祭壇、顕現」

「古代究極黒魔術:死者復活」

 僕は儀式祭壇を作り出し、ある人を死の国から呼び戻した。


「………」

 白髪の美しい女性が目の前に現れた。


「久しいな、ジャンヌ…」

「ルドラ、久しぶり」

 僕は昔、妻だった女性を蘇らせた。ジャンヌは僕の昔の名前を呼んだ。僕はジャンヌと言葉を交わし、僕が昔、ジャンヌに譲渡した力を返してくれるように頼んだ。ジャンヌは力と返す代わりに1週間、僕と一緒に王都で暮らす事を提示した。僕はジャンヌと暮らす事になった。僕は森の方にある空き家を空き家のオーナーに借りた。


「ルドラ、今日、何食べたい?」

 ジャンヌは僕にそう聞いた。


「そうだな。シチューとか食べたいな」

 僕がそう言うとジャンヌはニコニコしながら僕と腕を組みながら王都の街を歩いた。僕は王都を歩いている時に内心、ヒヤヒヤしていた。何故ならアリアが病気で床に伏せっているのに僕は普通に昔の妻と暮らしているからだ。自分の家族に見られたら何と思うのだろうか。力を返して貰うためだとしても僕は後ろめたかった。


「ルドラ、何で眼鏡を掛けているの?」

 ジャンヌは聞いた。


「ああ、これはだな…。最近、目が悪くなったから掛けているんだ」

「そうなんだ」

 本当は家族に僕の今の姿を見られたくないから眼鏡を掛けたなんて事はジャンヌには言えなかった。ジャンヌも馬鹿じゃ無い、僕には家族がいて見られたら不味いから眼鏡を掛けているんだと分かっているようだった。ジャンヌは僕の分かりやすい嘘に何も言わなかった。


 僕とジャンヌは食材を買い、借りている家に戻った。僕はジャンヌの料理を食べ、その後、僕は部屋のベッドに座りジャンヌは僕の隣に座り、ジャンヌは僕の肩に寄りかかった。部屋は暗かったが窓から差し込む月の光が部屋を照らした。


「ルドラ。私が昔、貴方に上げた聖剣、今でも使ってる?」

「ああ、今でも使っているよ。ジャンヌ、君は僕に聖剣を上げる前に剣に力と思いを込めてくれたね。聖剣を使うたび、君を感じた」

 僕はジャンヌの美しい白髪を撫でた。


「これからも僕を守ってくれ。愛してるよ、ジャンヌ」

「私も貴方を愛してるわ」

 ジャンヌと僕はキスした。その後、僕はジャンヌと身体を重ねた。


 僕はそれから数日。ジャンヌと一緒に日々をを過ごした。僕は眼鏡を掛けて変装しているからか家族にバレないと思った。僕はジャンヌと一週間の短い期間を共に過ごし終えた。ジャンヌは僕に力を返してくれた。ジャンヌはもっと僕と過ごしたいと本音を言ったが僕は出来ないと言い、それを聞いて泣くジャンヌを慰めた。ジャンヌと別れの日、僕はジャンヌに別れの言葉を伝え、ジャンヌは天国へ戻って行った。



 昼ごろ僕は家に戻った。僕は自分の家の扉を開け、中に入りアリアのいる部屋に行った。


「!」

 僕の妻達と僕の子供も部屋にいた。僕が部屋に入ると皆僕を見て驚いた。


「死んでいるのか」

 アリアの子供達がアリアの側で泣いていた。アリスは死んだ。


「お父さん、今まで何処行っていたの!!」

 アテナは僕に気づいて叫んだ。アテナは僕に近づき慰めて貰おうとしたがレオが止めた。


「アテナ大丈夫だ。父さんは母さんを助ける力を手に入れたんだ。時の石で時間を戻せば母さんは助かる」

 僕はそう言い、アリアの死体に近づいた。


 ドカッ。

 僕は急にレオに殴られた。


「痛いじゃないか、レオ」

 僕は尻餅ついた。


「おい、屑野郎…」

 レオは僕の胸ぐらを掴んで僕を立ち上がらせた。


「皆知ってるんだよ…」

「え、何が?」

 レオがそう言うと僕は聞き返した。


「母さんが大変な時、お前が他の女と楽しく過ごしていた事だよ!」

 レオは今まで見たこと無い位、怒っていた。僕はみんなを見るとみんな哀れむ目で僕を見た。


「それはだな、僕は昔の妻と一週間暮らすという条件でアリアを助けれる力を返して貰っただけだよ」

「理由なんてどうでもいい!」

 僕が弁解するとレオにそう言われた。


「母さんが死ぬ前に言った言葉が何か分かるか?」

「………」

 僕は黙った。


「母さんが死ぬ前にかすれた目で涙を流しながら『ヨミに会いたい』って言ったんだ。母さんは父さんを一目で良いから会いたいって言ったんだ」


「それなのにあんたは帰って来なかった。あんたは母さんの心を殺したんだよ!!」

 レオは涙を流しながら僕に訴えた。レオの言葉を聞いた時、僕の頬に涙が流れた。


「母さんは父さんが居ない間ずっと寂しがっていた。だから僕達がずっと側に居て慰めた。その間、父さんは他の女と楽しく暮らしていた。………そんなの(あんま)りだよ」

 レオは僕の胸ぐらから手を離し、床にへたり込んだ。


「レオ…」

「何だよ」

「母さんに言ったのか?俺が母さんが大変な時に他の女と暮らしていたって」

 僕は恐る恐るレオに聞いた。


「言える訳ねーだろうが」

 レオはそう答えた。


「そうか…」

 僕は少し安堵した。



 アリアが死ぬ前日…。


「レオ…」

 アリアはレオの名を呼んだ。


「何だい?母さん」

 レオは優しい声で聞いた。


「レオに伝えたい事がある」

「何?」

 レオは聞いた。


「私はお前達を残してもう直ぐ死ぬ。だから私はレイカさんに頼んだ…」

「何を頼んだんだ?」

 レオは聞いた。


「レイカさんに私が死んだらレイカさんがお前達の母親代わりになってくれるように頼んだ」

「何言っているんだよ」

 レオはアリアの手を握った。


「レイカさんならお前達を任せられる。レオ、お前は昔からお婆ちゃんにくっ付いていたから私が居なくても何も変わらないから大丈夫だ」


「大丈夫じゃない!!母さん、もう直ぐ父さんが帰ってきて母さんの病気を治すから、大丈夫だから母さんが死んだ後の話なんてしないでくれ」

 レオは涙を流していた。


「レオ、お前は小さい頃から悩み事を一人で抱えていた。お前は私では無くお婆ちゃんに相談した。お婆ちゃんはお前を人の道から外れないように慰めた。お前は立派に育った」


「私はお前が苦しんでいた事に気づいていながらも何もしてやれなかった。私は母親失格だ」

 アリアはそう言った。


「違う、母さんは母親失格じゃないよ。母さんは不器用だけど俺たちに沢山の愛情を注いでくれた。母さんは立派に育ててくれた」

 レオは思いを母に伝えた。


「立派に?違う。お前を育てたのはレイカさんだ」


「違う。違うよ、母さん」


「お前はいつもお婆ちゃんに悩みを相談していた。お前は私には何も相談しなかった」


「何が言いたいんだよ、母さん」

 レオは聞いた。


「私がレオの母親と言うなら何で私には悩みを相談しなかった?」

 アリアは聞いた。


「言える訳ないだろ、僕は魔術の才能が無くて弟や妹に示しがつかなくて悩んでいるなんて」

 レオは答えた。


「でもお婆ちゃんには相談した」

 アリアはぼやいた。


「母さんに心配を掛けたくないからだろ」

 レオは答えた。


「私はレオに少しでも相談して欲しかった。私は悲しかった。いつもお前はレイカさんに相談して、懐いているのを見ると心がモヤモヤした。私はお前が小さい頃から面倒を見て私の全てを注いだのに……お前は……」

 アリアは泣いていた。レオはアリアが泣いているのを見てどうすればいいのか分からなかった。母さんは気高い人だと昔から思っていただが違った。


「俺が悪かったよ。母さん」

 レオは謝った。


「これからは何でも母さんに相談するから…、だから泣かないでくれ」

 レオがそう言うとアリアは落ち着いた。

 レオはそれから少しの間、アリアの側にいた。次の日、母さんは病状が悪化し、息を引き取った。


 僕が家に戻って少しばかりの時間が経ち、レオも落ち着いた。


「お母さんは助かる?」

 アテナは僕に聞いた。


「ああ、助かるよ」

 僕はそう言った。


「お母さんを助けて」

「ああ」

 アテナにそう言われ、僕は時の石を出し握りしめて強く念じ、時間を巻き戻した。僕はアリアが死ぬ数時間前に戻った。僕はジャンヌに事情を説明し、ジャンヌを予定より三時間前に天国へ戻した。


 僕は急いで自宅へ戻った。そしてアリアの部屋に入り、アリアにジャンヌから返して貰った力を少しずつ注ぎ込んだ。力の半分を注ぐとアリアの病は治った。アリアは、徐々に霞んだ目も良くなり、生気を取り戻した。そして僕に気づくとアリアは泣きながら僕を抱きしめた。そしてアリアの子供達も僕とアリアを抱きしめた。その後、アリアは病み上がりだが元気になったのでみんなでパーティーをした。パーティーは盛り上がった。

 ここまで読んで下さりありがとうございます。「面白い」「続きが気になる」と思ったら、感想やブックマーク、広告の下にある☆☆☆☆☆を押して応援していただけると嬉しいです!読者様の声が聞きたいので感想を沢山書いてくれるととても嬉しいです。全ての感想に必ず返信いたします。皆様の評価が励みになりますので、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>

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