29話 暗黒再臨
「魔力固定」
僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、浸食するように手を覆った。右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った。
「お父さん、全力で来て。私も全力で行くから」
「ああ、そうする」
僕はそう言った。
ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。そして魔力の色は青く変わった。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力が僕を中心に集まる。僕の身体は少し浮かび、青い魔力は僕に向かって流れ込み、包み込み青い球体となった。青い球体は中が透けていて僕の姿が見えた。二匹の大きな青い鮫が青い球体の周りを泳いだ。僕の頭の上に青い天使の輪が現れた。
「暗黒第四解放:死と滅亡の運命・死を操る」
僕は唱えた。そして青い球体は割れた。僕の宙に浮いていた足は地面に着いた。
「最高だよ。お父さん」
ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。そして魔力の色は緑に変わった。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がライカを中心に集まる。ライカの身体は少し浮かび、緑の魔力はライカに向かって流れ込み、緑の球体となりライカを包み込んだ。緑の球体は中が透けていてライカの姿が見えた。 ライカの頭の上に緑の天使の輪が現れた。
「暗黒第四解放:死と滅亡の運命・アナザーオーバー」
ライカは唱えた。そして緑の球体は割れた。ライカの宙に浮いていた足は地面に着いた。
「失われし古代究極魔法:世界を焼き尽くす炎」
僕は黒く燃える黒い大剣を振った。そうすると黒い炎の斬撃がライカに目掛けて飛んできた。
「はは」
ライカは父さんと戦える喜びを噛み締めた。
ライカは黒い大剣に有りっ丈の力を込めた。ライカの周りに緑の稲妻が走った。ライカの剣の持ち手から刀身にかけて緑の閃光が走る。ライカの黒い大剣は緑のオーラが渦みたいに流れた。
「究極魔法:イル・ネア・ブラスト・アナザーオーバー」
ライカが剣を振り下ろすと緑の斬撃を放った。
黒い炎の斬撃と緑の斬撃が打つかり合った。そして地面は削り取られた。
「!」
無数の緑の斬撃が僕に向かって飛んできた。
「まだ、まだあ!!」
ライカはこちらに最高出力の斬撃を僕に向けて放った。僕もそれに合わせて黒い炎を出した。 黒い斬撃と緑の斬撃が打つかり合う。この場に人が居たら一溜まりもないだろう。
「お父さん!!」
ライカは僕の方に飛び込んで来た。
ギギギギギ。
僕とライカの剣が打つかり合い、火花を散らした。
「!」
僕は黒い大剣から黒い炎を出し、ライカに打つけた。ライカは黒い炎の攻撃を少し受け、僕から距離を取った。
「大丈夫か?ライカ」
僕は聞いた。
「お父さんって意外と容赦無いよね」
ライカは呟いた。
「手加減した方がいいか?」
「いや、いいよ。お父さん」
ライカはそう答えた。
「!」
僕は黒い蔓を身体を巻き付けられ動けなくなっていた。
「今だ!!」
ライカは僕に向けて緑の斬撃を飛ばし打つけようとした。
「ハードバリア」
僕は青いバリアを張り、黒い蔓をバラバラにした。そして緑の斬撃を防いだ。
「お父さん、そのバリアは狡い。ずっとそれを出されたら勝負にならないよ」
ライカは僕にそう言った。
「悪い、悪い」
僕は謝った。
「じゃあ、これを使うかな」
「究極魔法:森羅万象」
僕は手をライカに向けた。そうすると地面から樹木が現れた。そして樹木で作られた無数の木の龍がライカの方に飛翔した。
「ぐっ…」
ライカは黒い大剣で木の龍を防いだが、木龍の威力により遠くの方へ飛ばされた。
「暴れろ」
地面から樹木が出て樹木で無数の木の龍は作られ、無数の木の龍は地面を削り取りながらライカの方に飛翔した。
「おらあっ!」
ライカは常に黒い大剣から最大出力の緑のオーラを出し、ライカに向けて放った木の龍を斬り、こちらへ向かって来た。
「!」
僕はもう木の龍を出すのを止めた。ライカもそれに気づき立ち止まった。
「お父さん、どうしたの?」
ライカは僕が突然攻撃を止めたので聞いてきた。
「ライカ、お前は本当に強くなったな。俺は自分の子供に優劣をつけるつもりは無いがライカ、お前には戦いの才能がある。流石、俺の子だ」
「お父さん…」
ライカは父さんに認められ、嬉しかった。
僕は黒い大剣を地に突き刺し、黒い大剣を自分の魔力の一部として取り込んだ。そして頭の上にあった青い天使の輪も消した。
「ライカ、お前はよくここまで頑張った。お前にあの姿を見せるつもりは無かったが、ここまで僕を追い詰める事が出来た褒美だ。お前に俺の本当の力を見せよう」
「暗黒再臨」
僕がそう唱えると黒い暴風が僕の身体を包んだ。そして消え、僕の姿は変わった。今まで着ていた魔導服から黒い鎧へと変わり、黒竜の腕と足、そして黒竜の長い尻尾。暗黒竜眼の眼の色は青から赤に変わった。僕の今の姿は暗黒竜と呼べる位、禍々しい姿だった。
「魔力固定」
僕は魔力で黒い大剣を作り出した。
「!」
僕が高速でライカに近づいた。
「高速特化型か…」
青い力の姿とは違い、素早かった。
(やった)
ライカは緑の斬撃を僕に打つけた。しかし僕には効いていなかった。
「くっ…」
ライカは僕が振り下ろした剣を黒い大剣で受け止めた。刀と剣が打つかり合い、火花が散る。
「おらあ!!」
ライカは緑のオーラの力で押し返した。緑の斬撃が飛び散った。僕は距離を取った。
「ライカ、僕もバリア使うからお前もバリアを使え!じゃないと死ぬぞ」
僕はそうライカに伝えた。
「暗黒竜の黒い吐息」
僕は大きく息を吸い、そして黒い炎を吐き出した。
「ハードバリア」
ライカは緑のバリアを張り黒い炎を防いだ。
「暗黒竜の黒い暴風」
黒い暴風がライカを包み込む。ライカは必死に緑のバリアを張り、攻撃を防いだ。そして黒い暴風は収まった。
「終わりにするか?ライカ」
僕は息を切らし、今にも倒れそうなライカにそう言った。
「いや、まだ」
ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。そして魔力の色は赤く変わった。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がライカを中心に集まる。ライカの身体は少し浮かび、赤い魔力はライカに向かって流れ込み、赤い球体となりライカを包み込んだ。赤い球体は中が透けていてライカの姿が見えた。ライカの頭の上に赤い天使の輪が現れた。
「暗黒第四解放:死と滅亡の運命・アナザーオーバー」
ライカは唱えた。そして赤い球体は割れた。ライカの宙に浮いていた足は地面に着いた。
「お父さん、私まだ戦えるよ」
ライカは好戦的な眼をしていた。
「そうか。掛かって来い」
僕は剣を構えた。
「究極魔法:イル・ネア・ブラスト・アナザーオーバー」
ライカは叫び、赤い斬撃を僕に打つけようとした。
「暗黒結界」
僕は自分を中心に黒くて円形の結界を展開し、赤い斬撃を防いだ。
「いつまで防げるかな」
ライカは赤い斬撃を何度も僕の結界に打つけた。
「古代究極魔法:暗黒竜の黒炎」
僕は揺らめく黒い炎を剣に纏わせた。僕は暗黒結界を解除し、黒い炎をライカの赤い斬撃に打つけた。
「おらあっ!!」
僕は攻撃に転じた。剣に纏わせた黒い炎を振るった。
「ぐっ…」
黒い炎の斬撃をライカは黒い大剣に赤いオーラを出し相殺させる。
「まだまだあっ!!」
僕は黒い炎の斬撃をライカに向けて放った。黒い炎の斬撃が膨れ上がり、地面を削り取った。
「大味だな…」
僕は剣を見ながらそんな事を思っていると…。
「お父さん、余所見しない!!」
ライカはこちらに向かって来て剣を振り下ろしてきた。接近戦に持ち込むつもりであろう。
「ハードバースト・アナザー」
ライカはそう叫んだ。魔力を黒い大剣に流すことで黒い大剣の斬撃の威力を上げた。黒い大剣からは赤い魔力が漏れ漂った。
「!」
僕の剣は折れた。ライカは後ろに移動した。
「まさか、折れるとはな…。役立たず」
僕は折れた剣を捨てた。
「武器顕現。妖刀:牙」
僕は自分が持っている刀の中の一振の妖刀を出した。鞘は空間魔法で仕舞った。
「この妖刀を使う事になるとはな…」
「ライカ。俺を本気で殺しに来ないとお前、死ぬぞ」
僕は妖刀に黒い炎を纏わせ、斜め下から上に振った。分厚い、黒い炎の斬撃が飛んだ。
「やっぱりこの刀は良い。魔力を纏わせて放っても一切の無駄の無い、切れのある斬撃だ」
僕は飛ばした斬撃をライカは黒い大剣に赤いオーラを放出させ防いだ。先までの大味な斬撃とは違い、研ぎ澄まされた斬撃であった。ライカは身の危険を感じ取り、全力で防いだ。
「おらあっ!!」
僕は全盛期に使っていた刀を久しぶりに試したく、黒い炎を纏わせライカに何度も打つけた。
「ぐっ…」
ライカは赤いバリアを張り、斬撃を防いだ。何度も黒い炎の斬撃を打つけられ赤いバリアに罅が入った。
「ライカ。お前は刀の善し悪しはどうやって分かるか知ってるか?」
「……、くっ…」
僕はライカの方に飛び込み、刀を振り下ろした。ライカは黒い大剣で受けた。
「刀の善し悪しは人を沢山、斬る事で分かる物なんだ」
ライカは何度も振られる刀を剣で受けた。
「俺は過去にこの刀で人を何人も斬り殺してきた。お前の作った大剣とは重みが違うんだよ」
ライカは剣で振り下ろされた刀を受け止める。父親の眼を見ると黒い渦を巻いていた。優しかった父親の眼では無かった。
「妖刀はお前から吹き出す赤い鮮血を求めている!!」
僕はライカを殺そうとしていた。
「お父さん…」
妖刀の所為でここまでお父さんが好戦的になるなんて思わなかった。まるで自分を写す鏡を見ているかのようだった。レイジお兄ちゃんも私と戦った時、今のお父さんのような禍々しい姿に見えたのだろうか。
「お前にもう一つの俺の戦闘形態を見せてやろう」
「氷白再臨」
僕がそう唱えると白い大嵐が僕の身体を包んだ。そして消え、僕の姿は変わった。氷白竜の腕と足、そして氷白竜の長い尻尾。今まで使っていた暗黒竜眼は消え、氷白竜眼に変わり、眼の角膜の色は赤から白に変わった。僕の今の姿は氷白竜と呼べる位、美しい姿だった。
「氷白竜の氷霧」
ここら一帯に氷の霧が発生させた。こうする事で氷白竜の技の威力を通常の威力より上げる事が出来る。
「氷白竜の氷柱」
空気中の水分を無数の氷の柱に変えた。そしてライカに向かって放った。
「ハードバリア」
ライカは赤いバリアを張った。
「ぐっ…!!」
赤いバリアに無数の氷柱が打つかる。赤いバリアに罅が入る。
(距離を取っては不味い。接近戦に持ち込む!!)
ライカは氷柱を避けながらこちらに向かって走ってきた。避けきれない物は赤いバリアで防御した。
(よし!!)
ライカは優一に十分に近づき接近戦に持ち込もうと、黒い大剣を僕に振り下ろす。
「氷白結界」
僕は自分を中心に白くて円形の結界を展開し、斬撃を防いだ。
「ハードバースト・アナザー」
ライカはそう叫んだ。魔力を黒い大剣に流すことで黒い大剣の斬撃の威力を上げた。黒い大剣からは赤い魔力が漏れ漂った。
ガン!ガン!!ガン!!!
ライカは何度も白い結界に剣を打つけた。白い結界は罅が入り割れ、結界は無くなった。
「今だ!!」
ライカは斬撃を僕に浴びせようとし、剣を振り下ろした。
「氷白竜の咆哮」」
僕はライカの剣が僕に当たる直前、咆哮した。咆哮したときに生じる風圧でライカを吹き飛ばした。
「氷白竜の大嵐」
僕は間髪入れず攻撃をした。氷の強い大嵐を複数発生させ、ライカを挟み込もうとした。
「ハードバリア!!」
「!」
ライカは防御しようと赤いバリアを張ったが消えた。ライカは氷の大嵐に直撃した。ライカは大嵐に挟み込まれた。そして大嵐は消え、ライカは地に落ちた。
「くそっ…」
ライカは血だらけになり、地に伏せった。
「氷白竜の吐息」
僕は大きく息を吸い、そして白い吹雪を吐き出した。ライカの身体は吐き出した吹雪で凍え、
雪が積もった。
「古竜固有魔法:崩山激流」
僕は手を前に出すと僕の後ろに雪の大きな山が現れ、ライカに向けて雪崩が押し寄せ、ライカは雪を被った。ヨミはライカを完全に殺しに掛かっていた。
「死んだか…」
僕は一面が雪で覆われたこの光景を見てそう呟いた。
ゴソッ、ゴソッ。
積もった雪の中からライカは出てきた。
「はは、死んでなかったな」
僕は笑った
「これでお前の息の根を止める」
「氷白第四再臨」
僕がそう唱えると白い大嵐が僕の身体を包んだ。そして大嵐は消えた。先までの力とは別格の力となっているのは誰が見ても分かる位、僕の今の姿は圧倒的な存在感を放っていた。
「お前も本気で来い。まだ奥の手を隠しているだろ」
僕はライカがまだ力を隠している事を見抜いていた。
「分かった。私も本気を出す」
ここら一帯の地から黒い魔力が吹き出した。この世界の空気中、地中にある無数の膨大な魔力がライカを中心に集まる。ライカの身体は少し浮かび、黒い魔力はライカに向かって流れ込み、球体となりライカを包み込んだ。細くて小さな一匹の黒い龍が飛んで黒い球体を一周した。
「暗黒第四解放:死と滅亡の運命・オーバー」
ライカは唱えた。そして黒い球体は割れた。ライカの宙に浮いていた足は地面に着いた。
ライカの頭の上に黒い天使の輪が現れた
「ふん、その程度か…」
僕はそう呟いた。
「古竜固有魔法:絶対零度」
六角柱状の巨大な氷の結晶が出現した。無色透明な水晶みたいな氷の結晶にライカは閉じ込められた。
「………」
僕はライカが氷の結晶に閉じ込められているのを見ていた。妖刀の持つ妖力に操られていたが僕は正気を取り戻した。そして僕はこの光景を見て青ざめた。
「ライカ!ライカ!!俺は何てことを」
僕は巨大な氷の結晶を見て、刀を地に捨て氷を割ろうと、巨大な氷の結晶を叩いた。だが氷の結晶は割れなかった。
「覇道羅刹」
僕は元の魔導服の姿に戻り、巨大な氷の結晶を拳で砕いた。
「ライカ!ライカ!!」
僕はライカを揺さぶるがライカは目を開けなかった。ライカの身体は冷たくなっていた。
「暗黒第四解放」
僕の頭の上に黒い天使の輪が現れた。
「今、治してやるからな」
僕はライカの胸に手を当てて、力を注ぎ込んだ。
「ライカ、目を覚ませ!ライカ!!」
「何で治っているのに…」
ライカは傷は治っているのに目を覚まさなかった。
その頃、ライカは自分の心の奥深くに沈んでいた。
ライカは心の中で目を覚まし起きて立った。
周りを見渡すと辺りは一面、水で空は雲があり透き通った空模様だった。水が透き通っているから地面の形が見えた。
「起きたのね」
ライカの目の前に女の人が現れた。
「貴方は誰?」
ライカは聞いた。
「さあ、誰なんでしょう」
黒髪の女は少し笑った。
「貴方が求めている言葉で言えば、私は青い力の化身と言えばいいのかな」
女はそう言った。
「私に力をくれるの?」
ライカは聞いた。
「違うわ。貴方はヨミに殺された。だから私が貴方を生き返らせるわ」
女はそう言った。
「貴方は鍵の筈だ。私がもっと強く為るための…。だから力を寄越せ!!」
ライカは鋭い目つきで言った。
「ライカ、残念ながら私は貴方が強く為るための鍵では無いよ」
「私はただの青い力の絞り滓だよ」
女はそう言った。
「そんな…」
ライカは言葉を失った。これ以上自分は強くなれない事に絶望した。
「ライカ、貴方にはこれを見せないといけない。私の隣に来て」
ライカは女にそう言われ隣に来た。
「私の手を握って」
ライカは女にそう言われ、手を握った。そしたら見えていた景色が変わった。
「ここは…」
ライカと女は自分の家にいた。
「これは過去の記憶、貴方が生まれた時の記憶よ」
お父さんは赤ん坊の頃のライカをあやしていた。その隣にお母さんががいて、幸せそうな顔で見ていた。
「場面が切り替わるわ」
黒髪の女はそう言うと、場面が切り替わった。お父さんが自分の子供を集め何かを話そうとしていた。
「皆、ライカがお腹にいた時、ライカが膨大な魔力を持っていたためアリアが死にそうになっていたのは知ってるな。この事をライカが知ったら悲しむかもしれん。お前達、ライカを守るためにもこの事は絶対に話すな」
お父さんはそう言った。
「分かっているよ、父さん」
ルークはそう言った。
「ライカは僕達の可愛い妹だ、何があっても絶対守るよ」
レイジはそう言った。みんな頷いた。
「皆、ありがとう」
お父さんは泣いていた。皆も貰い泣きした。
「………」
ライカは自然と涙が溢れた。
「私は皆に守られていたんだ。それなのに私は…」
黒髪の女はライカを抱きしめ撫でた。
そして元の景色に戻った。
「ライカ!!」
ライカは後ろから声がし振り返った。そこにはお父さんがいた。
「お父さん!!」
ライカは僕の方へ走り抱きついていた。
「私、間違っていた。ごめんなさい」
ライカは謝った。
「良いんだよ、ライカ」
僕はライカの髪を撫でた。
「お父さん。お兄ちゃんに酷いことしちゃった、どうすれば良い?」
「お兄ちゃんにちゃんと謝ればきっと許してくれるさ」
僕はそう言った。
「僕はあの人に話さないといけない事があるんだ。ここで待っててくれ」
「うん」
ライカは頷いた。
僕は黒髪の女の元に走って行った。
「アリサ」
黒髪の女は僕の声に振り返った。
「ヨミくん…」
黒髪の女、アリサは僕の名を呟いた。
「レイジとライカを守ってくれてありがとう」
「いいよ」
僕はお礼を言うとアリサはそう言った。
「アリサ、僕は君と同じ時を過ごしたいから何度も君を生き返らせようとした」
「………」
アリサは黙って聞いていた。
「でも、もう君を生き返らせる事は止めた」
「うん」
「俺はこの最後の一回の人生を過ごして君の元へ行く。だからアリサ君は僕を三途の川で待っててくれ、必ず行くから…」
「うん」
「もし君が僕と一緒にいてくれるなら天国で一緒に暮らそう」
「うんっ」
アリサは僕の言葉を聞き泣いていた。
「もう時間だね…」
アリサは光となって消えていきそうになった。
「アリサ!!」
僕はアリサを抱きしめた。
「私、三途の川ですっと待っているから必ず来て」
「ああ」
僕は答えた。
「私に会いに来てくれてありがとう。そしてさよなら、ヨミ君。上で待ってるね」
アリサはそう言い残し光の粒となって消えた。
僕はライカと共に心の奥底から出て、意識を取り戻した。僕は刀を拾い仕舞った。ライカは身体の力が抜け、歩けないので僕が抱きかかえ自宅へ戻った。
ドンドンドン。
自宅の玄関の扉から音が鳴る。
「はーい」
エリナが玄関の扉を開けた。
「ただいま」
僕はライカを抱きかかえ、家の中に入った。
「お父さんとライカ姉が帰ってきた!!」
僕の可愛い娘がそう言うとみんな玄関へ来た。
「お父さん、ライカ。お帰り」
ルークがそう言うと、みんなは僕等にお帰りと言った。
「ライカも無事に戻ってきたし、今日はみんなでパーティーをするぞ!!」
僕がそう言うと、子供達みんな喜んだ。僕はライカをリビングにあるソファーに乗せた。
「大丈夫か、ライカ?」
レイジの第一声はそうだった。
「お兄ちゃんごめんね。お兄ちゃんは私を守ろうとしたのにあんな酷い事をして」
ライカは反省した。
「良いんだよ、ライカ」
レイジはそう言い、ライカの手を握った。そしてライカは立ち上がりレイジに抱きつき、泣いた。レイジはライカを撫でた。
ライカが持っている青い力はアリサの消失とともに完全に消えた。ライカの頼みでパーティーをみんなとした後、僕は黄色い力を改良し、それをレイジに与えた。ライカはもう家族を傷つける事はしないと心に強く刻んだ。




