27話 火崇火術:暗黒彗星
皆と紅葉狩りをした日から十ヶ月の時が経った。特に強い敵は現れなく、平和な時を過ごした。話すことがあるとすれば僕の子供達が次々と結婚した。
レオはフェリクスの長女と龍の少女ラミア、イシスの娘であるハクアと結婚した。ハクアは俺とイシスの血は繋がっていないためレオと結婚できた。アリスはルイス君と結婚した。
意外だったルークだ。あのリリアと結婚をした。ある夜、リリアはルークを夜這いし骨抜きにしたらしい。これがバレてエリナは少し怒っていたがルークはもう子供ではないので結婚を許した。ルークもリリアの事は気になっていたからリリアが夜這いをするように仕向けたらしい。ルークも俺に似たのか計算高い奴だ。
クロスはフェリクスの次女と結婚した。リナは幼馴染みと結婚し、アメリアも結婚した。テオはフェリクスの三女と結婚した。
レイジはカナエと結婚した。僕はレイジとカナエが結婚する事を反対していたがルナは二人の結婚を許した。僕は何故、反対していたかと言うとカナエは昔、僕を本気で殺そうとしたからこの女は信用できなかった。僕はカナエと戦って本性を見てしまったからレイジと結婚するのも何か企んでいるような気がしてならなかった。
それにカナエは僕と腹違いの妹だ。僕の息子と結婚させる訳にはいかなかった。それを伝えるとカナエは涙を流し泣いていた。僕はそれを見て何だか申し訳なかった。その光景を見ていたゼノは師匠なら何とか出来るかもしれないと皆に伝えた。
そして全員で魔女ディアナの家に押しかける訳にはいかないので僕とルナ、ゼノ、レイジ、カナエの五人で魔女の家に行った。魔女ディアナは事情を聞くと解決できる他愛もない事だと言った。但しカナエの大技:黒渦と交換だと言った。カナエは迷うこと無く受け入れた。それを僕は見てカナエは本当にレイジと結婚したいのだと思った。
魔女ディアナは薬を作るためにゼノと奥の部屋に入った。そして薬は出来た。ディアナはカナエに薬の入ったガラスの瓶を渡した。そしてディアナは言った。これを飲むとお前は死にそして別の人間になると…。この薬は飲んだ者の身体の作りを変えて別の人間になる物だと魔女ディアナは言った。
レイジは反対したがカナエはその薬を飲んだ。そうするとカナエは苦しみだし、聞いたことのないような声で悶え苦しんだ。そして時間は過ぎ、カナエは地面倒れていたが起き上がった。
その後、僕とカナエは血液検査をし、互いに血が繋がって無い事が分かった。カナエは喜び、レイジに抱きついて泣きながら喜んだ。レイジも泣いていた。
こんな感じで僕の子供達はどんどん結婚し、妊娠報告が次々と来た。まだ一人も生まれてはいないがその内、生まれ僕がおじいちゃんと呼ばれる日も近いだろう。あと、そうだ。これを伝えるのを忘れていた。エリナとイシスの事だ。詳しく説明するのは面倒臭いから割愛するが、エリナの中にある人格、エリナとイシスの二つの人格を一つに統合する事に成功した。イシスかエリナかどっちの名で呼べばいいか分からなかったから聞くと、いつも通りエリナと呼んでと言われた。僕の名もラプラスでは無く、ヨミと呼ぶと言った。
これで抱えていた問題は無くなった…、と言いたいがあと一つ問題があった。アリスの事だ。僕とオレガノと戦った後、僕の黒い力はアリスの中へ戻った。だから僕は黒い力を使えない。それはまだ良いんだが、黒い力が具現化し、小さな黒い竜となりアリスの傍にずっといる。この現象を僕は知っている。この黒い竜が具現化する意味は黒い力の持ち主の命の危機に直面しているというサインだ。この黒い竜は持ち主が受ける攻撃を全て引き受ける特性がある。結論から言うとアリスは誰かに命を狙われている。
アリスは幸い妊娠していなかったので敵が現れたとしても少しは戦える。僕はルイス君の命を案じてこの件が解決するまでルイス君と会うなとアリスに伝えた。アリスは渋々、承諾した。アリスは一人で街に出歩いているとき、命の危機を感じる事が度々あったそうだ。僕はアリスに余り一人で出歩くなと伝えた。ここ十ヶ月であった事はこれくらいだ、また僕は強大な敵と戦う事になるなんてその時は思ってもみなかった。
僕はリビングでココアを飲んでいた。
「お父さん、私にあの青い力を頂戴」
そう僕に言うのは僕とアリアとの間に生まれた娘のライカだ。
「悪いが青い力は誰にも渡せない」
僕はそう答えた。
「じゃあ、黒い力は?」
「それは今、お前のお姉ちゃんが持っているから無理だ」
僕はそう言った。
「じゃあ、緑の力と紫の力は?いいでしょ?」
ライカはそう言い、僕の腕に抱きつき甘えた声で言った。
「仕様がないな…」
僕は自分の娘に甘えられると弱い。ライカは普段はこんなキャラでは無いから今まで甘えてくるなんてあまり無かった。だから娘の頼みを断れなかった。
「こら」
アリスはライカの頭に軽くチョップした。
「姉ちゃん…」
ライカは振り返り姉であるアリスを見た。
「お父さんはこれからも敵と戦うから、父さんの力をくれなんて言っては駄目だよ」
「力は自分で手に入れる物だ」
アリスはそう言いライカの隣に座った。
「姉ちゃんが持っている力は全部父さんから貰った物じゃん」
「それは、そうだけど。私はお前とは違って最強になりたいなんて野望は無い。最強っていうのは自分で道を切り開いてなるものなんだ。他者の力に頼ってなるものでは無い」
「………」
ライカはアリスにそう言われ、黙った。
「他者の力を頼る?違う。私が言っているのは力を寄越せって言ってるの。私は人から力を奪った事で罵られようと、例え、沢山の命を奪って強くなる修羅の道を歩いたとしても私は世界最強になりたい」
「………」
アリスはライカの恐ろしい言葉を聞いて黙った。
(危険な、考え方だ)
前から思っていたがライカは亡くなったライカの祖母ライラに似ている。強くなるためならどんな事でもするか…、ライカはいずれ鬼神となるか、犬死にするかどちらかになるだろう。ライカは危うい。ここは僕がしっかりしなければアリアが悲しむ事になる。
「ライカ、お前に力をやろう」
「お父さん!!」
僕がそう言うとアリスは驚き、僕を窘めようとした。
「アリス、お前が言いたい事は分かっている」
僕はそうアリスに言った。
「じゃあ、話は決まりだね。お父さん、緑の力を頂戴。あと紫の力も」
「ライカ!!」
ライカは無取りの力どころか紫の力も寄越せと言ってきたのでアリスは窘めようとした。
「アリス、ライカは優しい子だ。力を与えられても上手く使い、人を助けたりするだろう」
「それに俺は力を沢山持ちすぎた、力は一つか二つぐらいで十分だ」
僕はそう言いながら左手でライカの頭を撫でた。僕がそう言うとアリスは納得せざるを得なかった。
「僕がライカに力を上げる代わりにして欲しい事があるんだが、いいか?」
「何?父さん」
ライカは聞いた。
「お前がもし結婚し子供が出来たらお前の持っている力を自分の子供に継承して欲しいんだ」
「私、結婚するつもりは無いけど…」
「まあ、今はそうでもいつかは結婚するかもしれないだろ」
「んー、分かった。もし私が結婚したら自分の子供に力を継承するよ、多分…」
(多分か…。まあ、いい)
僕は話し終え、ライカに緑の力と紫の力を譲渡した。
「アルタイル、アルタイル!!」
僕は自分の部屋で寝ていると僕が昔、受肉した時に使っていた名前で呼ばれた。
「誰だ?」
僕は起き上がり、手を組み意識を集中させ、耳を傾けた。
「私よ、アルタイル。アルテミスよ」
懐かしい声の正体は昔、僕が受肉した時に結婚した嫁のアルテミスだった。
「お前…。封印が解けたのか?」
「うん。封印が誰かによって解かれたみたい」
僕は昔、アルテミスと俺の息子を封印した事があった。二人を封印した理由は僕の息子が神殺しの大罪を犯した。そして命を狙われた。僕の息子だけではなく僕の嫁も神殺しの責任を取らされそうになり、僕はこの問題を解決しようと息子を封印しようとした。僕の嫁であるアルテミスが私も一緒に封印してと頼まれたから僕は二人とも一緒に封印した。
「今そこにアルドは一緒にいるのか?」
僕の息子であるアルドがアルテミスの傍にいるか聞いた。
「うん。一緒にいるよ」
アルテミスは答えた。
「お前達は俺がそこに行くまで外に出るな、分かったな」
「うん、待ってる」
アルテミスが今いる場所は今住んでいる王都からずっと東に行った所にある遺跡だ。
「今、行くからな」
僕は支度をし、家を出た。そしてゲートを使い、遺跡の近くに辿り着いた。
僕は遺跡の中に入った。
「アルテミス、いるかー?」
僕は遺跡の最深部に辿り着き、呼んだ。遺跡の最深部には僕が封印を施した時に使った大きな結晶が粉々に割れていた。誰かが封印を解いたようだ。
「アルタイル!」
アルテミスは隠れていたが姿を現した。アルテミスの傍には僕の息子のアルドもいた。アルテミスの緑の長髪を見て懐かしい気持ちになった。
「アルテミス、アルド!!」
僕はそう言い二人を抱きしめた。
「アルタイル、来たばかりで申し訳ないけど、また私たちを封印して」
アルテミスは僕にそう言った。
「ああ、分かってる。でもこの遺跡は封印の儀式に一回使ってしまったからもうここの遺跡は使う事が出来ない。だから別の遺跡でお前達を封印する」
「神々の手の者がこの事に気づく前にここを離れよう」
「分かった」
僕はアルテミスとアルドと一緒に遺跡を出た。そして近くにある遺跡の方へと向かおうとし、ゲートを使おうとしたが行った事の無い場所には行けないので歩きで遺跡に向かった。
「もう直ぐ着く」
僕達は草木の無い荒れ果てた見晴らしの良い場所を歩いて遺跡に向かった。
「一体どこへ行こうとしているのですか?」
突然の声に僕達は驚いた。声がしたのは上の方だった。僕等は上を見上げると雲に乗った神々が沢山いた。
(罠に嵌められた!!)
幾ら何でも封印が解けた事に気づいてここへ来たとはいえ、ここに来るのは早すぎる。こいつらはワザと封印を解き、僕の目の前で天誅を下そうとしているに違いない。
「お久しぶりです。創造主様」
神の一人、タナトスは空から僕に挨拶をした。
「上から挨拶をするなんてお前も偉くなったものだな」
僕は神であるタナトスにそう言った。
「これは…、大変失礼しました」
タナトスはそう言い、神々は地上に全員降りた。
「私がここに来たのは貴方の息子が神殺しの大罪を過去に犯したのでそれを清算するためです」
「創造主様、アルテミス。その息子をこちらに引き渡して下さい」
タナトスはそう言った。
「ダメ」
アルテミスは息子のアルドを後ろに隠した。
「アルテミス、貴方が正直にその罪人を渡せば、過去の過ちを許すと神々の話し合いで決まりました。庇うというなら貴方もここで処刑します」
タナトスはそう告げた。
「アルタイル。アルタイル!!」
アルテミスは僕が何も言わないので不安になった。
「息子を引き渡せば、アルテミスの罪を不問にするのは本当か?」
僕は聞いた。息子は昔、神を沢山殺した。その罪は重い。だから償わなければいけない、そう僕は心の中で少し思っていた。
「ええ、罪人を庇った罪は不問とします」
俺はアルテミスが大事だ。だから不問としてくれるなら俺の息子を引き渡そうと思ってしまった。
「分かった。お前達の言う通りにしよう」
「アルタイル!!」
僕がそう言うとアルテミスは叫んだ。
「息子を捕らえろ」
タナトスはそう言い、神々の従者達はこちらに近づいてきた。
「いや!ダメ!!」
神々の従者達はアルテミスとアルドを引き離そうとするがアルテミスは我が子を守ろうと必死にアルドの服を離さなかった。だが、神々の従者達の力によってアルテミスの手がアルドの服から離れた。
「ここで罪人を処刑する」
タナトスは無残にもそう言い放ち、神々の従者はタナトスの目の前にアルドを連れて来た。 アルドも逃げようと抵抗するが無意味だった。
「私が直々に処刑しよう。斧を寄越せ」
従者はタナトスに斧を渡した。アルテミスは抗ったため地面に伏せられた。
「アルタイル!!!アルタイル!!!!」
アルテミスは叫んだ。
「さあ、行くぞ」
タナトスは斧を振り上げた。そして斧を振り下ろそうとした。
「ちょっと待ってくれ」
僕は手が前に自然と出て、言葉を発した。
「はあ、何ですか?創造主様」
タナトスは斧を振り下ろすのを止めた。
「アルドは俺の子だ。俺の子なら無罪にしてもいいんじゃないか?」
僕は言った。
「幾ら創造主様の子だからとはいえ、無罪には出来ませんよ」
タナトスは答えた。
「アルドは俺とアルテミスの子だ。種族は神になるんじゃないか?神が神を殺しても罪にはならない」
僕がそう言うと神々はザワついた。
「創造主様とアルテミスは受肉してから子供を儲けだ。だからアルドの種族は人間ですよ」
タナトスは答えた。
「そうか…。なあ、タナトス。アルドが神を殺したのは昔の事だ。もう時効でいいだろ。頼むよ、僕の顔に免じてさ」
「幾ら創造主様の頼みでもダメです」
タナトスはそう言った。
「では処刑の続きをしますね。アルドくん、君の最後の言葉を両親に伝えてもいいですよ」
「――癖に…」
タナトスはそう言うとアルドは口を開いた。
「何だ?」
タナトスはアルドが何を言ったか聞き取れなかったので聞き返した。
「お前ら神々は罪の無い人間を沢山殺した事がある癖に。神が人間に殺されたら喚くのか?」
アルドは神々に向けて叫んだ。
「神は何をしても許される」
タナトスがそう言い返した。
「いいよなあ、神は人を沢山殺しても何も罪には問われない。神と人間は大した違いが無いのに神々はいつも偉そうにしている。悪魔の方がマシだな」
アルドは言い放った。
「黙れ!どうやらお前は早く死にたいようだな。神々を侮辱した罪は重い。お前の魂は地獄へ持って行く事にしよう」
タナトスはアルドの言葉に憤っていた。
「アルタイル!アルドを助けて。アルドは私たちの子なのよ!!」
僕は思い出した。昔、俺はアルテミスとアルドと幸せに暮らしていた時の光景を。俺はこの幸せを守るって誓ったんだ。だから俺は―――。
「魔力固定」
僕は右手を横に向けた。右手の全指先から黒い魔力が黒い炎のように燃え、浸食するように手を覆った。右手に黒い大剣を出現させ黒い大剣を握った。空気中に漂う魔力を集め、自分の魔力を混ぜ合わせることで大剣を作った。
「暗黒解放:死と滅亡の運命・ゴースト」
僕は剣を持った右腕を横に伸ばし、剣を斜め下に向けた。そして唱え、僕の頭の上に青い天使の輪が現れ、剣から青い魔力が漏れ、体の周りからは青い閃光が光り、そして消えた。
「拘束しろ」
タナトスがそう言うと十人の従者が僕を力で地に伏せさせた。
「では、処刑を始めましょう」
タナトスは再び斧を振り上げた。
「止めろ、止めさせろ!!」
「誰も惨めな姿の貴方の言う事は聞きませんよ」
僕の言葉にタナトスは嘲笑った。
「お前らは黙って俺の言う事を聞け!お前らを作ったのはこの私なんだぞ」
僕は地に伏せながら叫んだ。
「貴方は私たちの創造主だと言い、今まで驕った態度でいた。ここまで来ると本当に貴方は惨めですね」
タナトスがそう言った後、空の色が変わった。また誰かが来たようだ。
「てんどおおおおおおお」
雲に乗った小さな女の子が僕に気がつき手を振った。従者と共に雲に乗っていたがここへ降り立った。
「アマテラスか?」
「うん、そうだよ。天道、久しぶり」
小さな女の子は高天原を統べる神、天照大神であった。天道と言うのは僕が昔、受肉した時に使っていた名だ。
「天道どうしたの?もしかして困ってる?」
アマテラスは僕に聞いてきた。
「ああ、困っているんだ。こいつらが俺の息子を処刑しようとしているんだ。アマテラス、皆を説得してくれ」
僕は藁にも縋る思いでそう言った。
「嫌じゃ」
「えっ…」
アマテラスは僕の頼みを断った。
「鬼神と呼ばれ恐れられていた奴がここまで落ちぶれるとはな、本当にガッカリじゃ」
「アマテラス…」
僕は絶望した。
「弱者が気安く、我の名を呼ぶでない。さっさとそのガキを殺してしまえ」
アマテラスはそう言い、僕の息子の処刑を見物しようと待っていた。
「ハハハハハハハハハ」
僕は笑った。
「遂に頭がおかしくなったか」
創造主がここまで追い詰められておかしくなったんだとタナトスは思った。
「ハハハハハハ、今からお前ら全員ここで死ぬんだよ!!」
「戯れ言を」
僕が息子を殺されるストレスでおかしくなったのかと皆思った。
「ばーか、ばーか。お前ら全員死んじゃええええええええ」
僕の言葉に神々は気味悪がった。
「火崇火術:暗黒彗星!!」
僕が唱えると空から暗黒の彗星が沢山、落ちて来ようとした。神々はそれに気付き逃げ惑った。
「お前ら全員、道連れだあああああああああ。アハハハハハハハハハハ」
僕は叫んだ。
「!」
沢山の暗黒の彗星は空中でピタリと止まった。そして空間魔法が複数展開され、沢山の暗黒の彗星は引きずり込まれ消えた。
「ディオーネ、ありがとう。助かりました」
タナトスは天空の女神であるディオーネに感謝した。
「クソガアアアアアアアアアアアア」
僕は攻撃を無効かされ、叫んだ。
「まさか破壊魔法を使うとは思っていなかったよ。流石、創造主様。いや、暗黒五強の一人アルタイルと呼んだ方がいいか?」
「………」
僕は黙った。
「創造主様ってあの暗黒五強の一人だったんですか?姉さん」
神々の中にいる姉妹の妹が姉に聞いた。
「ええ。そうよ」
姉は答えた。
魔族が世界を支配し、神々も魔族に恐れた時代があった。それえを暗黒の時代と言った。その暗黒の中でも光り輝く最強の強さを持つ者が五人現れた。その五人を暗黒五強と呼んだ。
「アルタイル、貴方は危険な存在だ。嫁と息子共々、あの世に送ってやる」
タナトスはそう言った。
「話が違うぞ!!」
僕は叫んだ。
「全て貴方が悪いんですよ」
タナトスはそう僕に言った。
(僕の今持ってる青い力の第四解放をしても嫁と息子を守りながら此奴等を蹴散らす事は難しい。俺には力が足りない。だから俺は圧倒的な力が欲しい)
僕は口の中をモゴモゴし、噛んだ。そして舌を出した。
「!」
僕の出した舌の上には黒い球が割れた破片があった。そしてこの黒い球に入っていた力が発現した。黒い怨霊みたいな物が僕の周りに漂った。僕を力ずくで伏せさせた従者達は避け、僕から離れた。
「くっくっくっくっ、全て思い出した」
黒い球には僕の古代の力と記憶が入っていた。僕は思い出した。僕が古代の遺跡にいつか来る身の危機のために自分の力と記憶を封印した事を…。




