15話 アリサの死に向き合う
三日後…。
レイジとカナエは家にある調味料が切れたので町へ買い物に行った。
「………」
「………」
レイジとカナエは買い物が終わり、話しながらこの後、何処かで時間を潰そうか話していた。
「くっ…」
カナエは突然、真正面から剣を振るわれ、それを空間魔法で出した剣で防いだ。
赤い髪をした女はカナエ達から距離を取った。
「急に剣を振り下してきて、貴方、何者?」
カナエは剣を振り下ろしてきた赤い髪の女にそう言った。
「何者かを答える必要はない」
赤い髪をした誰かに似ている女はそう答えた。
「行くぞ」
赤い髪をした女はそう言い、カナエ達に向かって獣の如く走り出した。
「……っ、…、…」
カナエは赤い髪の女が振るう剣を何度も受け流した。
「くっ……」
赤い髪の女が振るう剣は重たかった。
「レイジ逃げて!!」
カナエはそう叫んだ。
「何言ってるんだ、カナエ」
レイジはカナエにそう言われ、理解が出来なかった。
「私ではこの人に勝てない。時間稼ぎするから逃げて」
「そんなの嫌だよ」
「私の言う事聞いて!」
カナエは心に余裕は無かった。
「時間稼ぎか…。果たして私と対等に戦えるのかな」
赤い髪の女の黒い大剣から黒い魔力が溢れ、カナエはゴクリと息を飲んだ。
「ギィィィィィィィィ」
カナエは振り下ろされた剣を防ぎ、剣と剣が擦れる音がした。
「逃げて、レイジ」
レイジはそう言われ、レイジは逃げた。
「私は逃がさない」
(まさか…、レイジを狙っている?)
赤い髪の女はカナエの剣を弾き、逃げるレイジを追いかけた。
(レイジは殺させない!)
赤い髪の女はレイジに追いつき、剣を振り下ろした。レイジも後ろを振り向いた時、黒い大剣を振り下ろそうとする赤い髪の女を見て怖じ気づき転んでしまった。
カナエは走っては赤い髪の女には追いつけないと思い、空間魔法でレイジの所へ行き、レイジを庇った。
「がはっっっ」
赤い髪の女に黒い大剣で心臓をひと突きにされた。カナエは体から血が噴き出し、レイジに覆い被さるようにして倒れた。
「カナエ!カナエ!」
レイジはカナエを抱き名前を言った。
「僕達が何したっていうんだ!僕たちは普通に生活していただけなのに」
レイジはそう叫んだ。
「お前はそうやって嘆く事しか出来ない」
赤い髪の毛の女はレイジにそう言った。
「お前は何なんだ!」
レイジは叫んだ。
「私の名前のことか?私の名前はアリス・レッドフィールド。未来から来たお前の姉だ」
「アリス姉さん?何の冗談だ」
「私は冗談が嫌いだと昔から言っているだろ、レイジ」
赤い髪の女、アリスは笑った。
「何でカナエを殺したんだ?」
レイジはアリスに問いかけた。
「私はカナエを殺してないよ」
「どういう…」
「ごほっ、ごほん」
カナエは息を吹き返した。
「カナエ!大丈夫か!」
「大丈夫みたい。何故か傷も塞がっているし」
カナエは刺された場所を触った。
「アリス姉さん、何で俺たちを襲ったんだ?」
「んー、それは言えないなあ。いつか分かる日が来るよ。じゃあね」
アリスはそう言い、その場を立ち去った。
扉をノックする音が聞こえ近くにいたシエラの息子のクロスが玄関のドアを開けると赤い髪の女の人がいた。
「どうしたの?お姉さん、誰かに用があるの?」
クロスは聞いた。
「貴方のお父さんに用があるの、呼んできてくれるかな」
「うん、分かった」
クロスは赤い髪のお姉さんにそういわれ、僕を呼んだ。
「クロス、何だ?父さんは今、眠いんだ」
「いいから来てお父さん」
僕はクロスに手を引っ張られ、玄関まで来た。
「あの…、どなたですか?」
僕は赤い髪をした女の人にそう言った。
「私はあなたの娘のアリスです。未来から来ました」
僕はそう言われすっかり目が覚めた。
「………。でお前がアリスだという証拠は?」
「証拠はこのネックレスです。私の誕生日にお父さんから貰ったものです」
僕が呆気に取られているとアリスと名乗る人物が首に掛けていたネックレスを見せた。
「………」
僕は女の掛けているネックレスを知っていた。僕が昔、ダンジョンで手に入れたルビーのネックレスだ。いつかアリスの誕生日にあげようと思っていたやつだ。
「まあ、入れよ」
僕はアリスと名乗る人物にそう言い、ダイニングに案内した。
エリナは僕達に紅茶を出してくれた。
「………」
アリスと名乗る人物は出された紅茶を飲んだ。僕はじっとアリスと名乗る人物見ていた。確かに何処となくアリアに似ている。今のアリスが成長したらこうなるであろうと予想できる。
「父さん、私に何か聞きたいことはありますか?」
アリスは僕に聞いてきた。
「何でアリスは過去に来たんだ?」
僕は気になったので聞いた。
「レイスとの戦いの中で父さんは私がレイスに殺されそうになった時、私に力を掛けて、私を過去に送ったからだよ」
「そうか…」
大体の事情は分かった。
「アリス、お前がここに来て何日ぐらい過ぎた?」
「三ヶ月前だよ」
「何でもっと早くここに来なかったんだ?」
僕はアリスに聞いた。
「私はある事情で冥府の十二使徒の一員となって情報を集めていた」
「ある事情って?」
「………」
「父さんには言えないようだな…」
アリスは黙るので僕は聞かないことにした。
「冥府の十二使徒って、お前大丈夫なのか?僕と居るところを誰かに見られたら…」
「心配ないよ、お父さん。冥府の十二使徒のボスは私が殺したから。冥府の十二使徒はもうバラバラになったよ。だから人員補充もされないし、今いるメンバーも何人かは殺したし、取り逃がした人もいるけどその人達は組織をまた作れるとは思わないよ」
「そうか…」
淡々と言うアリスになぜか僕は切なくなった。アリスには戦いとは無縁の生活を送らせたかった。
「お父さん、そんな悲しい顔をしないで」
「アリス…」
「私が選んだ道だから」
アリスも何だか悲しそうな表情を見せた。
「アリス、お前は元いた場所に戻れるのか?」
「分からない。あの時はお父さんは必死だったから」
「そうか…。ごめんな、アリス」
「いいよ。お父さん」
「アリア…」
「何?父さん」
「レイスの事、詳しく教えてくれないか?」
僕はレイスという人物に興味があった。
「レイスと言う人物は一言で言うと途方もなく強いですかね」
アリスは話し始めた。
「レイスは魔法、剣術、知能、戦いのセンスどれをとっても1級の強さです」
「詳しくは知らないのですがレイスはお父さんと同等の力を持ってます。戦っててそれは身にしみました」
「今からお父さんが努力して強くなってもレイスはそれをいとも簡単に超えていきます」
「じゃあ、僕にはレイスは倒せないのか?」
僕は絶望した。
「倒せますよ。きっと。私はお父さんを信じてますから」
アリスは寂しそうな笑顔を見せた。もう自分の死を悟ったのかのように。
僕たちはその日からアリスと一緒に暮らすようになった。
アリスは僕が外に出ると一緒に付いて来るようになった。理由を聞いても逸らかされた。
夜になった。
僕はエリカとリナと一緒に寝ていた。
(お父さん…)
大人のアリスはドアを開け、部屋に入り、僕が寝ている方に行き僕の隣に寝転んだ。
「………」
アリスは僕の左腕に頭を乗せ、僕にくっ付いた。
「何だ?アリアか」
僕は寝ぼけていたのでアリアと勘違いしていた。
「アリアは甘えん坊だな」
僕はアリスにそう言い、頭を撫でた。
「………ぷい」
アリスは僕に背を向けた。
「何だよ、アリア。恥ずかしいのか?」
僕は逃げるアリスを抱き寄せ、アリスの首に鼻でくんくん匂いを嗅いだ。
「お父さん、だめ」
「おおっ」
アリスはそう言い、僕は目が覚めた。
「お前、アリスか?」
「うん」
アリスは顔を赤くしていた。
「悪い」
僕は謝った。
五日後…。
「お父さん、おはよう」
「おはよう」
僕は昼まで寝ていたが目が覚め起きた。エリカとリナ、アリス、アメリア、大人のアリス、水月はおままごとをしていた。
「皆のジュースとお菓子を持ってくるからな」
水月はそう言い、立ち上がった。
「俺が持って来ようか?お飯事も途中だし…」
「良いんじゃ、ヨミ。儂が持ってくる」
水月はそう言い、ジュースを取りに行った。
「お父さんは何で昔から水月と会話する時、ぎこち無いの?」
「お互いになんか避けているように見えるけど」
エリカは僕に聞いてきた。
「それはだな…」
僕はアリサの事を話した。僕を生かすためにアリサを殺すのを水月は手を貸したことを話した。
「水月が可哀想だよ」
「確かにお父さんの大切な人を奪うのに手を貸したのはいけないことだけど、水月はもう十分過ぎるぐらい苦しんだよ」
「そうだな…」
エリカにそう言われ、僕はそう答えるしか無かった。
「ジュースとお菓子持ってきたぞ」
水月はそう言い、皆にジュースの入ったコップを配った。
「お父さんもお飯事する?」
「じゃあ、お父さんもしようかな」
「水月も早くやろ」
エリカがそう言った。
「儂はいいや。ちょっと外の空気を吸いたくてな」
水月はこの場から逃げるように出て行こうとした。
「水月。もう怒っていないよ」
僕は立ち上がり、部屋から出て行こうとする水月にそう言った。
「………」
水月は立ち止まり、固まった。そしてポロポロと涙を流した。
「ごめんな、ヨミ。ずっと謝りたかったんじゃ。でもどう言えばいいのか分からなくて。ごめんな」
「良いんだよ、水月」
僕はこちらに来て泣きじゃくる水月の頭を撫でた。
「水月はずっと苦しんでいたんだよな」
「良いんじゃ。ヨミの苦しみに比べたら些細な事じゃ」
僕は吹っ切れたようだった、今までアリサを殺すのに手を貸した水月を恨んでいた。でもエリカにそう言われ、水月も十分過ぎるぐらい苦しんだと思った。アリサの死に向き合えたそんな気がした。
二ヶ月後…。
僕は相変わらず平和に暮らしていた。大人のアリスは僕の家族によく馴染んでいた。
大人のアリスは相変わらず僕が外に出ると僕に付いてくる。
「アリス姉!」
ルークはそう言い、こちらに来た。
「これ忘れ物」
ルークはエコバッグを渡してきた。
「ありがとう」
「うっ…、何だよ」
アリスはエコバッグを受け取り、ルークの頭を撫でた。よくアリスはことあるごとにルークの頭を撫でる。もしかしてアリスのお気に入りはルークなのかもしれない。ルークは口では嫌がっているがアリスに頭を撫でられるのは満更でもなさそうだ。
僕とアリスは買い物をしに町に行った。
「お父さん!」
アリスは叫び、僕を突き飛ばした。
「アリス!」
僕を攻撃から守り、アリスは血だらけになった。
「はははは、父を狙っていたんだがまあ良い。死ねええい、裏切り者」
そいつは僕らにそう言った。冥府の十二使徒の生き残りの一人だろう。僕は風魔法でそいつを殺した。
「お父さん…」
アリスは薄れていく意識の中で言った。
「アリス、これを飲め」
僕は空間魔法で回復薬を出し、アリスに飲ませた。
回復薬は全然効かなかった。
「大丈夫だ、アリス」
僕はそう言い回復魔法でアリスを治療するがアリスからは血がどんどん流れていった。
「お父さん、私はこうなると知っていた」
「どういう意味だ?」
僕は聞いた。
「私がいた未来ではお父さんは冥府の十二使徒に死の魔法を受けて瀕死状態になったのだけどお父さんは生き延びた。ただ、お父さんの力、死と滅亡の運命はもう二度と使えなくなってしまった」
「レイスとの戦いではお父さんは新たな力を得たけどレイスはお父さんよりも上手だった。だから私はお父さんが力を失わないように行動した」
「良かった。これで未来が変わった」
アリスは涙を流していた。
「アリス、お前はこれで良かったと思っているのか?」
「心残りとか無いのか?無いならまるでお前は俺のために産まれて俺のために死ぬだけの人生じゃないか」
僕はアリスに問い掛けた。
「心残り…。私はお母さんとお父さんみたいに幸せな家庭を築きたかった。お父さんも知っているでしょ。ルイスの事」
「ああ、分かるよ。アリスの幼馴染みの男の子のことだろ」
僕は答えた。
「私、本当はルイスと結婚したかった」
アリスは涙を流した。
「私の人生は無意味だった」
アリスがそう言うと、僕は何も言えなかった。
「お父さん、お願い。私を助けて」
アリスは僕にそう言った。
「助けるよ、アリス。お前が未来でルイス君と笑って暮らせるように、俺がなんとかするよ」
僕はアリスの手を握り伝えた。
「ありがとう、お父さん」
アリスは僕に感謝した。
(何だこれは…)
アリスから光が溢れ出した。
「お父さんが私を助けると決意したから、私は未来から来ることが無くなったんだよ。良かった…」
「そうだな…」
僕はアリスの手を握りしめ頷いた。
「お父さん、頑張ってね」
「うん、頑張るよ」
アリスは光となって空に消えた。
(違うよ、アリス。お前は未来から来ることが無くなったから消えたんじゃ無い。もしそうなら今、僕の記憶の中にある大人のアリスの記憶は消えるはずだ)
「ごめん、アリス。ごめん」
僕は情け無く涙を流した。
「アリスが笑って過ごせるように未来を変えてやる」
僕はこの理不尽な世界に怒りを露わにし、拳を握りしめた。手からは血が流れた。
僕は家に帰った。
「アリスちゃんは?」
エリナに聞かれた。
「アリスは死んだ」
僕がそう言うとエリナは持っていたコップを地面に落とし、ジュースが零れた。
子供達はダイニングから追い出し。アリア、エリナ、シエラ、ルナ、カミラ、水月に事情を話した。
「俺はアリスの生きた人生は無意味だと言わせるために育てた訳じゃ無い」
「守りたかった。アリスの幸せを…、アリスの未来を…」
僕は涙を流した。
次の日。
「お母さん。俺、修行するために家を出るよ」
ルークはエリナにそう言った。
「何言ってるの?貴方はまだ子供でしょ。大人になってからにしなさい」
エリナはルークが本気で修行をするとは思っていなかった。
「俺、本気だよ」
ルークはエリナの目を見てそう言った。
「それでも駄目。家を出るなんて私、許さないから。考え直して」
エリナはルークが本気で言っていると思い、強めに言った。
「昨日、アリス姉が死んだこと、聞いたよ。だから俺は強くならないといけない、皆を守れるように」
ルークはそう言った。
「それでも…」
「良いんじゃないか」
エリナが反対しようとしたら僕はルークを肯定した。
「ヨミ。ルークはまだ子供よ」
エリナはどうやらルークが心配なようだった。
「何時か、ルークは家を出て行くような気がしていた。ルーク、後悔の無いように生きろ」
「ありがとう。お父さん」
「いつ、出発するんだ?」
「明日、出発しようと思ってる」
「そうか。これを持って行け」
僕は空間魔法でカードを取り出し、ルークに渡した。
「これは何?」
「銀行のカードだ。そのカードを見せて僕の名前を言えばお金を引き出せる」
「受け取れないよ」
ルークはそう言った。
「お前は修行するのに食べ物を探したり、寝床を決めたり、それで時間を潰すつもりか?お前は回り道をするな、真っ直ぐ進むんだ。だからこれを受け取れ」
「分かったよ、お父さん。ありがとう」
ルークは銀行のカードを受け取った。
「じゃあ、俺は準備するよ」
ルークはそう言い、自分の部屋に戻った。
「ルークは他の兄弟違って、僕が使う技を使うことが出来ず、ずっと苦しんでいた。だから自分の可能性を信じて欲しいんだ」
僕はエリナにそう言った。
「そうね、ルークはずっと苦しんでいた。私、ルークの可能性を潰そうとしていた。私、母親失格だわ」
「そんな事は無いよ」
僕はエリナの髪を撫でた。
その日の夜。
「ルーク、起きてる?」
エリナはルークの部屋に来た。
「何?母さん」
「明日、家を出るのよね?」
「うん」
ルークは気まずそうに答えた。
「じゃあ、一緒に寝ましょ」
「えっ、嫌だよ」
「少し前まで一緒に寝ていたじゃん」
「僕は子供じゃない」
「いいえ、私の可愛い子供よ」
結局、ルークはエリナと一緒に寝た。
「母さん、くっ付きすぎ」
エリナはルークを抱きしめた。胸があたりルークは恥ずかしがった。
「ルーク、昔みたいにお母さんに甘えていいのよ」
「嫌だ。絶対嫌だ」
「可愛い」
エリナはもっとルークを抱きしめた。
エリナはそのまま眠り、ルークから手を離した。
「………」
ルークは先まで母親に抱きしめられたので、離れるとなんだか寂しくなった。ルークはエリナの胸に顔を埋めた。
「あらあら、ルークは甘えん坊ね」
エリナは起きていてルークの反応を伺った。ルークは顔が赤くなり固まった。
エリナはルークの頭を撫でて夜を過ごした。ルークとエリナはいつの間にか寝てしまった。
次の日の昼になった。
「ルーク、行くのね…」
「うん、行くよ」
「行ってらっしゃい」
「「お兄ちゃん、頑張って」」
ルークは兄弟、姉妹に別れを言い、家を出た。僕たちはルークを見送った。エリナは寂しそうにルークの後ろ姿を見ていた。僕はエリナの肩を抱きしめた。
僕はみんなをダイニングに集めた。
「みんな、集まったな」
「ヨミ、話ってなんですか?」
ルナは僕に聞いた。
「知っている人もいると思うが、遠くない未来、レイスという人物がやってくる。そいつは僕の家族を皆殺しにし、世界を破壊し尽くす」
「みんなには自分を守る特訓をさせたが、もうそうしてられないほど奴は強い。だからみんなには本格的に奴と戦うための特訓をしてもらう。男、女関係なくね」
僕はそう言った。
「私は嫌よ。私はこの子たちには戦いと無縁の生活をさせたい」
「シエラ…」
シエラはロキとクロスを自分の側に寄せてそう言った。
「昔、話したな。未来から僕に助けを求めた僕の息子がいたのを。そいつはクロス、お前だ。未来のクロスは僕が息子、娘に戦いを教えなかったからみんな何もできなかったと言っていた。だから僕はそれを回避したい」
「ヨミ、貴方が負けなければ皆、救われるわ」
「そうでしょ?ヨミ」
シエラはそう言った。
「いや。正直、僕でもレイスに敵わないと未来から来たアリスは言っていた」
「シエラ。お前の息子、クロスは必死に僕に未来の惨状を伝えた。俺には子供達をレイスと戦えるようにする義務がある」
「………」
シエラは黙った。
「私も戦うわ」
シエラはそう言った。
「駄目だ」
僕はそう言った。
「何でダメなの?あなたは子供には戦わせて、妻には戦わせないの?」
シエラは僕に投げかけた。
「駄目なものは駄目だ。お前達の強さはよく知ってる、お前達じゃ足手纏いになる」
僕はそう言った。
「貴方はそうやって大切なものを守る。貴方の子供は大切なものじゃないの?」
「僕は…」
シエラがそう言うとみんな、僕を見た。僕は何も言えなかった。
「僕、レイスと戦うよ」
レイジはそう言った。
「私も戦う」
エリカもそう言った。
「お父さんが私たちの力を貸して欲しいって言うんだから余っ程、困っているって事でしょ。私も戦うよ」
アメリアもそう言った。
「母さん違うよ。父さんは僕たちの事を大切に思っているよ。それは父さんの子供である僕達が一番分かってるんだから」
クロスはそう言った。
「僕も戦う」
「私も!」
「お前達…」
僕は泣きそうになった。僕の子供全員、レイスと戦うと言ってくれたから。
「ありがとう、みんな」
僕はお礼を言い、話は終わった。
ここまで読んで下さりありがとうございます。「面白い」「続きが気になる」と思ったら、感想やブックマーク、広告の下にある☆☆☆☆☆を押して応援していただけると嬉しいです!読者様の声が聞きたいので感想を沢山書いてくれるととても嬉しいです。全ての感想に必ず返信いたします。皆様の評価が励みになりますので、何卒よろしくお願いいたします<(_ _)>




